じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内の紅葉(9)半田山にイエローバンド出現

 今年の紅葉は、朝晩の冷え込みがイマイチであったため全般に低調であったが、半田山は逆に、ここ数年では最高の鮮やかさを見せている。半田山の山麓には黄葉する広葉樹が林道沿いに並んで生えているために、黄色い帯が出現する。「イエローバンド」は私が勝手に名付けたものであり、エベレスト南西壁の黄色い地層帯に由来する。写真上は、農学部農場南西隅から、写真下は文法経グラウンドから撮影。

 過去の写真は以下の通り。

12月1日(木)

【思ったこと】
_b1201(木)日本質的心理学会第8回大会(6)「個性」の質的研究(5)〜「平均化」と「純粋化」〜個性をとらえるための2つのアプローチ(1)津波てんでんこ

 このシンポは2名による話題提供と1名による指定討論、さらにフロアを交えたディスカッションという構成になっていた。このうちの1番目は京大防災研の矢守氏による、

〜「平均化」と「純粋化」〜個性をとらえるための2つのアプローチ

という話題提供であった。

 矢守氏の話題提供は、前半が「津波てんでんこ」に関係した話題、後半は6年前の日本心理学会ワークショップの話題提供内容の発展という構成になっていた。ちなみに、後半の内容に関係した「6年前のワークショップ」には、実は私自身も参加しており、こちらにその時の感想・メモがある。

 前半の「津波てんでんこ」をこのシンポに関連づけた理由としては、
「津波てんでんこ」には少なくとも4つの意味・働きがあり、それらは、多様なリサーチ・アプローチから捉えられる。一見、個性とは無縁な大規模調査や実験室実験などの成果も役にたつ。
ということであったようだが、持ち時間が少なく、盛りだくさんに予定されていた話題提供内容をかなり省略されたため、「個性とは無縁な大規模調査や実験室実験のほうが役に立つ」という印象を与えたような気がしないでもなかった。

 さて、前半の「津波てんでんこ」の4つの意味は、スライド資料から要約引用させていただくと、
  1. 身内といえども他人を省みずにまず避難することで、一族郎党の共倒れを防ぐ。(通説)
  2. 率先避難者がいることが迅速な集団避難を促す。
  3. 「あなたがてんでんこすることを、わたしは絶対信じている」という信頼感を醸成し、みんなで助かる。
  4. 「おらにかまわずお前は生きろ」と言い残して亡くなった方の生き残った人への愛。
ということになる。このうち2.については、関連する実験室実験が紹介された。【後述】

 なお、「津波てんでんこ」に関しては、山下文男氏による、

津波てんでんこ―近代日本の津波史

という書籍が2008年1月に刊行されているということであった。

次回に続く。