【連載】チコちゃんに叱られる! 「グリーンピースの正体」/発光ダイオードはなぜ「Luminescent Diode」ではなく「Light Emitting Diode」なのか?
昨日に続いて、6月27日(金)に初回放送【但し岡山地域は別番組】された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- なぜロケットを打ち上げるときたくさん煙が出る?
- グリンピースってなに?
- 【罰ゲーム】LEDは何の略?
- なぜ赤ちゃんは生まれてすぐに泣く?
という4つの話題のうち2.と3.について考察する。
まずグリンピースの正体であるが、放送では「エンドウ豆」が正解であると説明された。豆について研究している大門弘幸さん(龍谷大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- グリーンピースはエンドウ豆。
- 豆とはマメ科の植物の種のこと。日本には、
●ダイズ、ソラマメ、エンドウ、インゲンマメ、ササゲ、ラッカセイ、ヒヨコマメ、ヒラマメ
という8種類が流通している。
- エンドウは収穫する時期によって名前が変わる。
●豆苗→サヤエンドウ→グリーンピース→エンドウ豆
- ホームセンターなどで『サヤエンドウ』とか『グリーンピース』というように違う名前で売られているのはそれぞれの収穫時期で最適になるよう品種改良されたため。例えば『サヤエンドウ』は収穫期のサヤが柔らかく育ちやすいように、またグリーンピースは豆が大きく育ちやすいように、というようにそれぞれの特長を活かして改良されている。
- エンドウは収穫期による呼称の違いばかりでなく、栄養価も異なっている。
- 豆苗には老化を防止するβ-カロテンが多く含まれている。
- サヤエンドウは免疫力をアップするビタミンCが多く含まれている。
- グリーンピースやエンドウ豆は、体を作る栄養素であるタンパク質が多く含まれている。
- エンドウ以外の豆についても「豆知識」が紹介された。
- もやし→枝豆→大豆
但し、もやしには2種類あり、緑豆は、豆が小さい、水分が多い、値段が安いといった特徴があり、大豆のほうは、豆が大きい、甘味がある、値段が高いといった特徴がある。
- あんこのうち『白あん』の原料は種皮の白いインゲンマメ。
- 赤飯に使う豆は、関東ではササゲ、関西では小豆で小豆のほうが味がよい。にもかかわらず関東でササゲが使われるのは、小豆を煮ると腹割れが起こり切腹を連想させるため。
- インドの落花生の品種に『CHICO(チコ)』がある。普通の落花生は日本では収穫まで約5か月かかるが、CHICOは3か月かからないで収穫できる。
ここからは私の感想・考察を述べる。
まずグリンピースがエンドウマメの一種であることは私も知っていた。じっさい、一度でもエンドウを育てたことがあれば、実が大きくとグリーンピースになることは見ただけで分かる。野々村さん以外の出演者は知らないふりをしているだけのように見えた。
もっとも、豆苗がエンドウであることは知らなかった。これまでは大豆のもやしをもう少し成長させたものだと思っていた。
グリーンピースネタとしては、2019年9月23日の日記で、
●なんでシューマイの上にはグリンピースが乗っているの?
という話題を取り上げたことがあった。なおこの時は「イチゴのショートケーキのマネをしたから」が正解であると解説された。
なお、放送の中では小豆とササゲの違いに言及されていたが、チコちゃんのこれまでの番組では普通の大豆と大納言小豆の違いについて解説されたことがあった。これもまた切腹に関連していた。
次の3.の「LEDは何の略?」は、ゲストの野々村さんがグリーンピースの疑問に正解を出したことの「罰ゲーム」として行われたものであったが、岡村さん、ゲストの井上咲楽さん、野々村真さんの3人とも正解を出せなかった。私自身は「LED」の「L」が「Light」、「D」が「Diode」であることはすぐに浮かんだが、「E」が何を表すのかは全く浮かばなかった。正解は「Emitting」の「E」であった。ちなみに、
- 発光体;luminous body
- 発光塗料;luminescent paint
- 発光生物:luminescent organisms
- 生物発光:bioluminescence
というように、発光を意味する英語としては「luminescent」が使われることが多いように思われた。そこでChatGPTに、
●発光ダイオードは英語では「Light Emitting Diode」と呼ばれていますが、なぜ「Luminescent」ではなく「Light Emitting」という呼称になったのでしょうか?
と質問したところ以下のような回答をいただいた。さすがAIの解説はスゴい!
とても良い質問です。「発光ダイオード」が英語で「**Light Emitting Diode(LED)**」と呼ばれる理由について、「なぜ *Luminescent* ではなく *Light Emitting* が使われたのか」を説明します。
---
- ### 結論から言うと:
**「Light Emitting Diode」は技術的により直接的で明快な表現であり、電子工学の文脈に適していたから**です。
- ### 詳しく説明すると:
- **技術用語としての明確さ**
「**Light Emitting Diode**(光を放つダイオード)」は、\*\*構造(ダイオード)と機能(光を放つ)\*\*をそのまま記述しています。
* 技術者にとって、「emitting(放出する)」はエネルギーや信号の出力を明示的に示す言葉で、電子デバイスの動作を正確に表します。
- **「luminescent」はやや曖昧**
「**Luminescent**」は「発光する」という意味ですが、**発光の原因が曖昧**で、蛍光や燐光、化学発光、生物発光など多くの現象を含みます。
* 一方、LEDは\*\*エレクトロルミネセンス(electroluminescence)\*\*という特定の発光原理(電気による発光)によるものです。
- **歴史的な命名の流れ**
* LEDが登場した1960年代初頭、電子工学の分野では部品名が機能ベースで命名される傾向がありました(例:**transistor = transfer + resistor**)。
* 「Light Emitting Diode」は、既存の「ダイオード」という用語に「光を出す」という機能を加えたもので、既存の技術者たちにすぐに理解されやすかったのです。
- ### 参考:他の例との比較
| 用語 | 直訳 | 備考 |
| ------------------------ | --------- | -------------- |
| Light Emitting Diode | 光を放つダイオード | 技術的に具体的 |
| Luminescent Diode | 発光するダイオード | 原理が不明確 |
| Electroluminescent Diode | 電気発光ダイオード | 正確だが冗長で一般的ではない |
- ### 補足:略語の観点もある
「**LED**」という短くて覚えやすい略語が得られるという点でも、「Light Emitting Diode」は命名上、実用的でした。
一方、「Luminescent Diode」だと「LD」になりますが、これはレーザーダイオード(Laser Diode)など他の用語と重複しやすくなります。
- ### まとめ
「Light Emitting Diode」という名称は、**工学的な明確さ・機能重視・命名の慣習・略語の利便性**を総合的に考慮して選ばれたものです。「Luminescent」はやや曖昧で広範な意味を持つため、専門的な用語としては適していなかったのです。
次回に続く。
|