【連載】チコちゃんに叱られる! 『怒る』と『叱る』の違い/『怒る』と『叱る』の反対語
昨日に続いて12月5日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- なぜ大人になると苦い物が好きになる?
- なぜ電車の音は「ガタンゴトン」?
- 泥仕合ってなに?
- 【ひだまりの縁側で…】しかるとおこるはどっちがやさしいイメージ?
という4つの話題のうち最後の4.について考察する。
『叱る』と『怒る』の比較の話題は、『ひだまりの縁側で…』の中でごく短時間取り上げられた話題であり、結希さん(5+4歳)からのお便り:
●私はこの前、友だちとこういう話題がありました。「しかるとおこる、どっちがやさしいイメージ?」 私は、おこるのほうがフワ-となってる感じ(?)でなんかおこるのほうが好きです。理由は一つで、何かと言うと字から読み取る色です。おこるは赤、しかるは白ですね。赤は「元気」で、白はシャキッとしている(?)イメージですよね。なのでおこるは「コラ-!」でしかるは「コラ。」です。話がながくなってしまいました。チコちゃん達はどっちがやさしく感じますか?
に答えるものであった【要約・改変あり】。
- 【チコちゃん】チコは叱るのほうが相手のためを思ってるイメージ。「怒らせちゃった」はあるけれど「叱らせちゃった」はない。
- 【岡村さん】関西ですから「叱る」というのはあんまり使ってこなかった。「叱る」のほうが真面目でしっかり言われてる感じ。
- 【チコちゃん】「怒る」やったら、やっさんみたいに「怒るで しかし」みたいな怒ってないみたいな感じも。
- 【岡村さん】そこには優しさもちょっとあったり「怒られたわ~」って言えるが、「叱られたわ」というと真面目にしっかり...。
ここからは私の感想・考察を述べる。
まずこのお便りで
●字から読み取る色です。おこるは赤、しかるは白ですね。赤は「元気」で、白はシャキッとしている(?)イメージですよね。
と書かれていた点だが、文字(漢字?)に色を対応させていたのは共感覚の可能性がある。
NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」(2011年11月3日放送)で共感覚の話題が取り上げられたことがある。
●File165 世界はもっとカラフルだ!〜共感覚のフシギ〜 長田典子(感性工学)
共感覚で一番多いのは人の声などに色がついてみえるタイプだが、稀に漢字にも色が見えるという人がいるという。但し大人になると消えてしまうことも多い。
次に、まず私自身で「怒る」と「叱る」の違いについて考えてみる。
- 「怒る」は個々人の感情反応の1つであり、無人島で一人で暮らしていても「怒る」ことはできる。いっぽう「叱る」は相手(一人または複数)に対する働きかけの反応である。
- 相手の行為が原因で「怒った」場合は相手は「怒られた」と受け止める。但し、理由が分からないまま、イライラで怒られる場合もある。
- 「叱る」は教育的配慮のもとで生じる場合がある。その場合「叱る」人は必ずしも怒っていない可能性がある。「怒られる」というのは怒りの感情を伴った叱られ方とも言える。
- 「叱る」の反対語は「褒める」だが、「怒る」の反対語は多様であり文脈によって異なる。「怒る」の反対語の1つに「笑う」があるが、「笑われる」というのは相手から見れば「怒られる」と同様にネガティブな効果をもたらす【お笑い芸人を除く】
いま述べたところの4.で「怒る」の反対語について取り上げたが。Yahoo検索のAI回答では以下のように説明されていた。
「怒る 反対語」のAI回答
「怒る」の反対語には、 「笑う」「喜ぶ」「感謝」「平穏」「無関心」「理解」「許し」「愛」「悲しみ」 など、文脈によって様々な言葉が挙げられます。
主な反対語
「怒る」の反対語としては、以下のような言葉が挙げられます。
- 笑う: 怒りとは対照的な、喜びや楽しさを表す感情です。
- 喜ぶ: 嬉しい気持ちや満足感を表し、怒りとは異なるポジティブな感情です。
- 感謝: 怒りが不満から生じるのに対し、感謝は好意や恩恵に対する気持ちです。
- 平穏: 怒りが感情の乱れであるのに対し、平穏は穏やかで落ち着いた心の状態を指します。
- 無関心: 怒りが強い関心や感情の表れであるのに対し、無関心は感情が動かない状態です。
- 理解: 怒りが相手への不満や不快感から生じるのに対し、理解は相手の状況や気持ちを受け入れることです。
- 許し: 怒りが相手を責める気持ちであるのに対し、許しは相手の過ちを受け入れることです。
- 愛: 怒りが攻撃的な感情であるのに対し、愛は相手を大切に思う気持ちです。
- 悲しみ: 怒りと同じく強い感情ですが、怒りが外に向かうのに対し、悲しみは内面的な感情です。
文脈による違い
「怒る」の反対語は、どのような状況や感情の側面を対比するかによって異なります。例えば、感情の表出として対比するなら「笑う」や「喜ぶ」が適切です。一方、心の状態として対比するなら「平穏」や「理解」が当てはまります。
怒りの感情について
怒りは、不満や不快感から生じる感情の一つです。他人に向ける怒りは攻撃につながることもあります。
また上記の私の考えのところで「叱るの反対語は褒める」と述べたことについては異なる見解もあるようだ。
その1つは「叱るの反対語は叱らない」というもの。中島彰彦さんのブログによれば、
【一部略】「叱る」の反対は「叱らない」です。「叱る」と「褒める」は同じことなのです。
相手にここまで成長してほしいと期待しているからこそ、叱り、褒めるのです。
叱ると相手から嫌われるかもしれないと恐れて、叱らない人もいます。
やさしい人だと周りからは好かれるかもしれませんが、それは間違ったやさしさです。
マザーテレサの言葉に「愛情の反対は無関心」とあります。
相手に関心を持っているからこそ叱るのであり、それは愛情があるからできることです。
後輩や部下ができた時、愛情を持って厳しく接してほしい、
間違ったやさしさを持ったリーダーにならないでほしいと思います。
一方、叱られるということは、関心を持ってくれている、期待されている証拠です。
叱られた時、ふてくされたり、落ち込むのではなく、自分はこんなに期待されているんだと善意で捉えるようにしましょう。
そして叱ってくれたことに感謝をして、その期待に応えられるよう奮起していただきたいです。
私個人は行動分析学的な「褒める」派であるが、リーダーと部下、あるいは監督と選手、大相撲の親方と力士、というような関係のもとで強固な信頼関係があれば、本人の成長を期待している上での「叱る」はそれなりに有効ではないかと思う。いっぽう「怒る」は、怒る人本人にとっても怒られる人にとっても殆ど意味をなさない。
放送では関西弁の「怒る」の独特のイメージが語られていたが、私にはなかなか分からない感じ方であった。
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