じぶん更新日記・隠居の日々
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【本日の話題】同じ処方箋でも薬局によって薬代が違うという謎/100分de名著 #136『偶然性・アイロニー・連帯』(15)第3回 言語は虐殺さえ引き起こす(2)ジェノサイドの言語環境/刺激機能の変換
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 これまで病院で受け取った処方箋は隣の薬局に持っていって薬を受け取っていたが、10〜15分程度待たされることが多かったため、今回はいったん帰宅し、ウォーキングコース沿いの別の薬局を初めて利用してみた。その結果、同じ薬、同じ日数分であるにもかかわらず、80円違っていることに気づいた。薬価は公定価格なので日本国内どこの薬局に処方箋を持っていっても薬代は同じであると思っていたが、わずかではあるが薬局によって違いがあることを初めて知った。わずか80円の違いといっても、年間合計ではかなりの差になりそう。
 このことについてBingに尋ねたところ、以下の回答をいただいた。

【質問】同じ処方箋でも、薬局によって調剤技術料や薬学管理料の金額が異なるのはなぜですか?

【回答】
薬局での薬代は、薬そのものの代金だけでなく、調剤に対する報酬も含まれています。同じ処方箋でも、薬局によって支払う金額が異なる理由は次のような要因が影響しています:
  • 調剤技術料:
    薬局ごとに異なる基準で計算される「調剤技術料」があります。これは、薬局の規模や処方箋の種類、調剤の頻度などによって決まります。例えば、広範な処方箋に対応する薬局は、報酬を手厚くする方針を取ることがあります。
  • 薬学管理料:
    「薬学管理料」は、薬歴をつけて薬の説明をする報酬です。薬歴は患者の健康に直接関わるため、その重要度は高いです。薬局ごとに異なる加算点数があります。
 といっても、各薬局の調剤技術料や薬学管理料は事前には分からないので、いろいろ試してみて、少しでも安く、かつ待たされないで済む薬局を選ぶほかはなさそうである。



2024年3月19日(火)





【連載】100分de名著 #136『偶然性・アイロニー・連帯』(15)第3回 言語は虐殺さえ引き起こす(2)ジェノサイドの言語環境/刺激機能の変換

 3月18日に続いて、2024年2月5日からNHK-Eテレで放送が開始された、

100分de名著 #136『偶然性・アイロニー・連帯』

についての感想・考察。

 放送では、言葉の力が多くの人を扇動し虐殺を引き起こした例として、ルワンダでの大量虐殺事件が紹介された。ルワンダには、主に『ツチ』と『フツ』という2つの部族が暮らしており、第二次世界大戦以前はベルギーの植民地になっていた。1962年の独立以後、多数派のフツが少数派のツチを虐げる政策がとられるようになった。その30年後、フツの軍人のみならず一般市民までが、かつて隣人であったツチを、老若男女を問わず虐殺するようになった。
 この原因について、ローティの孫弟子にあたるリン・ティレルは、ルワンダが独立してからの30年間にジェノサイドに至らせる言語環境に変化があったと分析し、その過程は、
  • 第一段階:ことばを与える。植民地時代、ベルギーは「あなたはフツ」、「あなたはツチ」というように分類して統治した。部族名が名づけられたことで、ルワンダの人々の間でフツとツチの線引きが行われた。
  • 第二段階:言語内での推論/「言い換え」。「ツチはゴキブリだ」というプロパガンダが広まる。ゴキブリは夜に這いずり回り次々と繁殖する。ツチの反政府ゲリラも暗闇に隠れて活動し、どこからでも湧いて出てくるという共通点を根拠に、「ゴキブリはツチである」と言い換えていく。
  • 第三段階;行動を呼びかけ正当化する。「ゴキブリは駆除すべきもの」という社会通念を利用してゴキブリを駆除しようと呼びかける。すると人々の間で勝手に「ツチを殺そう」と翻訳され虐殺が喚起される。
単に「あの人はツチだから殺せ」という呼びかけでは抵抗があるが、これを「ゴキブリの駆除」と言い換えることで殺害への心理的なハードルが下がった。こうしてわずか3カ月の間に80〜100万もの命が奪われたという。
 放送ではさらに、ジェノサイドに至る言葉づかいとしてティレルが挙げた4点が以下のようにまとめられた。
  1. 「われわれ/やつら」の線引きを行う
  2. 本質主義:「私たちは何か本質的なものを共有しているはずだ」
  3. 社会的に定着している
  4. 行動を喚起する
 このうち1.と2.が合わせ技になってくると、「われわれの側がその本質を共有していて、やつらは持っていない。本質的に違うのだからわかりっこ無いし、間の線は揺らぐことがない」という事態になる。そして3.に挙げられるような社会的に定着している風習や規範がうまく使われると4.の危険な段階に進む。
 伊集院さんはこれに関連して、
  1. 「どんな災害が起きても日本人は略奪をしない」とか「日本人は世界的にも礼儀正しい」という誇りは、別段、人を傷つけるために始まったことではない。
  2. ところが、これが「じゃあ、日本人でなければヤルかもしれない」となり、それがどこかで「奴らはヤルのだから、先にやっつけるのは正当だよね」となる。そこにはめちゃくちゃ飛躍があるのだがものすごいスピードでエスカレートして大虐殺になってしまう。
という例を挙げた。放送ではそれ以上は言及されなかったが、これはこちらの事件を念頭に語られたものと推測される。

 今回紹介されたリン・ティレル(Lynne Tirrellというお名前は今回初めて知った。朱喜哲さんの論文の中では「推論主義の立場からヘイトスピーチへの批判的分析を行っている」と紹介されているようだ。




 ここからは私の感想・考察になるが、民族間の対立や虐殺がしばしば言語のネガティブな力によって引き起こされることは確かだと思う。これは単に、レスポンデント条件づけだけで形成されるものではない。念のためお断りしておくと、レスポンデント条件づけというのは、ある民族の顔とか服装とか旗とかと、嫌悪的で不快をもたらすような無条件刺激を繰り返し対提示することで生じるものであり、パヴロフの条件反射と同じ意味である。このような条件づけは対提示を繰り返し行う必要があるため一定の期間が必要であるが、それだけで一気に虐殺行為に及ぶことはない。ここで重要になってくるのが、関係フレーム理論で言うところの『刺激機能の変換』である。また、「われわれ/やつら」の線引きには、パースペクティヴ・テイキング(視点の取得)が大きくかかわっているように思われる【もっとも関係フレーム理論では一人称複数である「われわれ」はあまり論じられていないように思う】。『刺激機能の変換』は強大であり、しかも、簡単には消去できないから厄介である。
 ティレルの「推論主義」についても勉強不足でよく分からないが、メタファーの機能もまたまた重要。

人間は論理的思考に基づいて行動しているわけではない。まずメタファーにより結論を出し、あとから理屈をつけて正当化しようとしているだけ。

というのが私の持論でもある。

 次回に続く。



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