じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



01月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 各種報道によれば、安倍晋三首相は1月13日夕(日本時間同日夜)、エチオピアのアディスアベバ市内の宿舎で、1964年東京五輪の男子マラソン金メダリスト、故アベベ・ビキラ選手の次男で実業家のイェトナイェト・アベベ氏(45)らと懇談した。首相は「私の名前がアベだから、学校で『アベベ』と呼ばれたことがある」とか「東京五輪でのアベベ選手の活躍を覚えている。圧倒的な1位でゴールした後に柔軟体操をしたのが驚きだった」などと語ったという。

 私自身は、安倍首相よりは2歳年上にあたるため、アベベ選手の記憶はより鮮明に残っている。じっさい、1998年1月17日の日記に「私にとって思い出に残るオリンピックと言えば、やはりアベベや「東洋の魔女」が活躍した「東京オリンピック」であろう」と、真っ先にアベベを挙げていた。当日(10月21日水曜日)は小学校の教室のテレビで出発前の様子を見たあと、家に戻って観戦した。

 ちなみに、3年前にダナキル砂漠探勝のためにエチオピアを訪れたことがある。エチオピアの英雄と言えばアベベ、各所にアベベを称える銅像が建っているのかと思ったが、現地ではそれほど英雄視されていないようにも思えた。理由はおそらく、アベベがハイレ・セラシエ皇帝時代の英雄であり、皇帝の庇護のもとに大尉まで昇進したという経緯があるのではないかと思われた。アベベが脳出血で亡くなったのは1973年10月25日、また、皇帝は1974年9月2日早朝、皇帝はアディスアベバの宮殿内で陸軍のクーデターにより逮捕・廃位され、拘禁中の1975年に死去した。

 写真上は、アディスアベバ大学内にある民族博物館。エチオピア帝国最後の皇帝ハイレ・セラシエの宮殿跡。2011年1月23日の日記参照。写真下は、ホテルの客室からの眺望。近代的なビルが建設されている一方、写真左下のようなバラック街もあり、貧富の差が感じられた。


2014年1月14日(火)

【思ったこと】
14014(火)100分 de 幸福論(8)フロイト(1)

 1月12日の続き。

 番組では4番目の名著として、

●心理学部門:鈴木晶氏『精神分析入門』フロイト

が取り上げられた。もっとも、1月4日の日記でも述べたように、このタイトルを「心理学から」と冠して紹介することには、心理学に関わっている私としては、かなりの不満があった。もちろん、鈴木晶先生が『精神分析入門』を紹介されること自体については全く依存が無いし、他の3題との整合性を考えても妥当であるとは思う。しかし、1月4日に述べたように、全国の大学の心理学教室の中でフロイトを体系的に教えているところは希有であり、鈴木晶先生ご自身も、ウィキペディアでは「日本の評論家、翻訳家。法政大学教授。専門は文学批評、精神分析思想、舞踊史など。」と紹介されており、心理学の研究者ではない。まもなくセンター試験や個別学力試験が始まるが、受験生が「フロイトを学びたい」という志望動機で心理学関係の学科や学部を受験し、入学後に「こんなはずではなかった」というカルチャーショックを起こさないことを願う。

 このほか、和田秀樹氏の『痛快! 心理学』の第3章「さよなら、フロイト博士」では、アメリカでなぜフロイトが受けたのか、そして1960年以降になぜフロイト人気が凋落したのかについて考察されている。【2007年3月26日の日記参照】。但し、和田秀樹氏も心理学者ではない。

 なお、最新の心理学研究の成果を含む幸福論に関連して、NHKの「幸福学」白熱教室が始まっている。私自身はまだ録画・ダビングしただけで全く拝聴できていないが、この連載のあとでボチボチ、感想を述べさせていただく予定である。

次回に続く。