じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] この冬最初の水仙が咲き始めた。





12月8日(土)

【ちょっと思ったこと】

「宇宙大作戦」の1巻目を視る

 近くのレンタルビデオ店が100円レンタル企画をやっていたので、妻と一緒に借りに行った。ビデオと言っても私の好みは昔観た映画やTVドラマが中心だ。今回は、スタートレックTV版シリーズと、ミヒャエル・エンデの「MOMO」英語版を借りてみた。後者の「MOMO」は例のエコマネー関連の書籍に紹介されていたもので、妻にエンデなんて知らんやろと言ったら、少し前に娘と観ており、「あまり面白くなかったわ。やっぱり原作を本で読まなければダメよ」と言われた。うむ、うかつに知ったかぶりをするものではない。

 「宇宙大作戦」は、映画「スター・トレック」でもおなじみだが、私個人にとっては大学院生の頃、深夜の再放送で視たTVドラマ版のほうが遙かに懐かしい。レンタル屋には全30巻のシリーズがあったので、とりあえず1巻目を借りた。

 1巻目に収録されていたのは「The man trap(惑星M113の吸血獣)」で、宇宙暦1513.1。ドクター・マッコイの昔の恋人ナンシーが実は吸血獣であったという話。しばらく視たところで、ああ、あの話だったかとストーリーが浮かんできた。

 もっとも私が昔視たのは白黒テレビで日本語吹き替え版。今回はカラーで、英語の生の声が聞ける。こりゃー楽しみが増えそうだ。

 宇宙大作戦ネタは、このWeb日記では の2回にわたり取り上げていたことが分かった。最初のは、6月11日にディフォレスト・ケリー氏がロサンゼルス市内の病院で79歳で死去されたという話題、6月15日は、主たる登場人物の国籍に関する話題であった。

 その後ネットで検索してみたところ、こちらに今回借りたビデオのシリーズの紹介があった。いっぽう、TV放映の記録はこちらに詳しい。それによると、米国での放映順、制作順いずれも1番目にあたるのは「The Cage(ザ・ケイジ)」であるというが、タイトルだけではどういうストーリーだったか全く思い出せない。「The man trap(惑星M113の吸血獣)」は放映順では2番目であるが、制作順のほうは6番目となっていた。またこちらによれば、日本国内での放映は「Where No Man Has Gone Before(光る目玉)」が1回目。「惑星M113の吸血獣」は3回目となっていた。

 私個人がTVから録画して保存してあった唯一の作品は「The Menagerie(タロス星の幻怪人)」、二部に分かれている大作ということもあって、これが一番面白かった。



愛子駅やっぱり

 12/9の朝日新聞「青鉛筆」によれば、仙台市青葉区のJR仙山線「愛子(アヤシ)駅」では、おめでたの記念切符を買う人でにぎわっている。駅員は2人だけ、普段はせいぜい1日1枚の入場券が8日までに1000枚を超えたという。昨日の日記で私も取り上げたが、俗人の考えることはみな一緒ということか。そのうちに、「アヤシまんじゅう」、「アヤシ弁当」、「アヤシ人形」なども売り出されるのだろう。
【思ったこと】
_11208(土)[一般]専門書は要らないという極論

 12/8の朝日新聞に、7日に自己破産を申請した鈴木書店の話題が取り上げられていた。鈴木書店は創業50余年、
  • 専門書流通に影響
  • 売り上げの2割が岩波書店との取引
  • 最大の販売先は全国大学生協連。生協連の仕入れ先は日販85%、鈴木書店15%。
という特徴をもつという[11/27の日記参照]。

 自己破産の背景には、低マージンのほか、取引をやめる出版社があいついだこと、岩波書店との関係といった個別要因があるようだが、根本的には、書籍・雑誌の売り上げの低迷があるものと思われる。

 朝日新聞記事に掲載されていた書籍・雑誌の販売総額推移のグラフによれば、
  • 1976年以降は雑誌の売り上げが書籍を抜き、現在6割を占め、さらに差が拡大している。
  • 販売総額のピークは1996年の約2兆5000億円。以後毎年減少し、現在は2兆3000億円規模となっている。
 このほか、大学生協の調査によれば、大学生が1カ月間に使う書籍費は1990年の3790円から2000年の2680円に減少しているというデータ[11/27の日記参照]や、J-POP誌が相次いで休刊に追い込まれているという報道もあった[12/4の日記参照]。

 この減少傾向は、私の周辺でも実感される。岡大生協でも書籍の売り上げが減少しているし、昨年の私の一般教養の授業では180人の受講生に対して、80冊程度しか教科書が売れなかったと聞いた。少し前には心理学関係の書籍を多く出している出版社の会長が自らパンフレットと見本を携えて研究室まわりに来られたし、某出版社からの分担執筆依頼書には、教科書としての使用見込み冊数を記入する欄があった。取次店ばかりでなく、出版社自体も相当苦しい状況にあるものと拝察される。

 では、どうすればよいのかということになるが、私は、少なくとも大学教員が執筆するような専門書については、活字印刷をやめ、すべて、Web化に切り替えてしまえばよいという極論をあえて提唱したいと思う。思いつくままに挙げてみても
  • 著書売り上げで生計をたてている作家ならともかく、大学教員は本を売って儲けるべきではない。勤務時間内に大学の備品や消耗品を使って書いた本であるならば、売り上げは、大学に全額寄附した上で、少なくとも委任経理金として運用すべきものだ。
  • 専門書は著作権を厳格に保障した上で無料公開すればよい。
  • 専門書を買わせるのは学生・院生にとっても負担。
  • 印刷書籍の分類、保管、貸出業務のための図書館経費も莫大。
  • 印刷書籍では絶版になった時に取り寄せができない。複写も手間がかかる。
といった理由が考えられる。あえて書籍化するとしたら、電車の中や待合室、布団の中でも気軽に読めるような新書版を中心とすればよい。とにかく、本を出すとしたら、その前に

●なぜ、Web化でなく印刷物として出さなければならないのか?

をきっちり考える必要がある。

 なお、専門書の無料Web化を進めるには、著作権管理センターのような登録機関をきっちり整備する必要がある。それと、現行では電子ジャーナルというとpdfのようにレイアウトを固定したものが一般的であるが、いまの時代、一行の文字数やフォントの種類などは読者まかせにして、テキスト本文だけで勝負するhtml型の「書籍」があってもよいのではないかと思う。そのほうが読み込みのサイズが少なくて済むし、階層構造やリンクにも柔軟に対処できる。