じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真]  昨日の日記で「この日の午後から、ここの風景に1つだけ重大な変化が生じた。お気づきになった方は、この写真をクリックしたときにアクセスできる掲示板に答えを書き込んでください。」というクイズを出題させていただいた。正解は、歩行者横断用の縦型信号が取り付けられたこと。残念ながら正解者は居られなかった。

 これまでこの交差点には横型の信号だけしか設置されておらず、T字路の南東角から北に渡る時と、北西側(写真の電柱の位置)から南西角に渡る時には、信号機が見えにくい状況にあった。
 もっとも、色だけが有用な手がかりとなる信号機の場合、位置や形状の変化には気づきにくいところがある。横断者にとっては、「赤か青か」だけが重要であって、それがどの位置から見えているのかはどうでもよいからである。北京や、台北で見られる横型の信号の配列は、左から赤、黄、青というように日本とは逆になっているが、その違いに気づく人は希である。これも同じ理由によるものだろう。



2月28日(水)

【ちょっと思ったこと】

勤務中のインターネット

 3/1の朝日新聞家庭欄で勤務中の私的なインターネット利用の問題が取り上げられていた。欧米では「怠業」を理由に解雇するケースも少なくないが、日本では「ネットの私的利用は仕事に影響はない」と考える企業が多い。もっとも日本の企業の中にも、誰がどのサイトを見たかが上司に報告される企業もある一方、ある大手情報関連会社のように「様々な分野のことを知らなければいけない会社なので、社としては色々見てもらった方がいい」という企業もあるという。また、日本の企業文化では市場原理よりも個人的つながりが重視されるので、ネットの私的利用をあえて野放しにしているという見解もある。ちなみに、通信白書によれば、従業員300人以上の企業におけるネット普及率は88.6%、一般世帯では19.1%。Web日記の場合もそうだが、ネット文化は企業や大学から形成されていったと言ってもよいように思う。

 同記事の中で、インターネット弁護士協議会代表の牧野二郎氏は「日本人は公私の区別をつけたがらないが、遊びと仕事の境界をはっきりさせるルールづくりが必要だ」と言っておられるが、問題は、ルールづくり以前の、何が「公」で何が「私」にあたるのかという部分にあるのだろう。遊びと仕事の区別の難しさも同様である。例えばWeb日記を書いたり他人のWeb日記を読むことは一般には「遊び」であり「私用」であると考えられているが、私的体験や日記に綴られた論考の中には仕事に活かせるものも多い。卒論テーマとして研究対象になる場合さえある。

 電子ネットワーク協議会は2月、インターネット利用のための社内ルール整備ガイドライン」を公表したというが(私自身はまだ見ていない)、ルールによる形式的な制御は、あまり意味をなさないように思う。企業などではむしろ、「何でもアクセス可」にしておいて利用時間だけをチェックし、それぞれの社員からは「ネット利用で何を得たか」という成果を定期的に報告させ、前向きの活用方法を探っていったほうがIT社会に乗り遅れなくて済むのではないだろうか。余談だが、勤務中の私的なインターネット利用の問題を取り上げるのであれば、勤務中に新聞を読むことの是非についても比較対象にしてほしかった。




ぎんさん死去

 蟹江ぎんさん(108)が2/28の午前1時50分、老衰のため亡くなられたという。ぎんさんの近況については12/30の日記でふれたことがある。インタビューで「来年はどんな年に?」という問いに「そんなこと考えたらダメ。人は人、自分は自分」と答えておられたのが印象に残っている。




岡山県出資3セクの倒産

 各種報道によれば、岡山県の出資を受けてゴルフ場と温浴施設を経営している第三セクター「岡山空港開発」が27日、岡山地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。負債総額は約99億円、無利子融資をしていた岡山県は25億円程度の債権放棄を求められる見通しだという。

 上記の記事にある温浴施設とは、2/10の日記に記したレスパール藤ヶ鳴のこと。すでに倒産して別会社が経営しているものと思いこんでいたが、実際は、ベネフィットホテル(福山市)に経営を委託しているだけで、今年6月の買い取りに向けて月内に価格交渉が始まるという。

 新聞記事によれば、赤字の主因は約40億円を投じた「レスパール藤ヶ鳴」の赤字をゴルフ場収入でカバーできなくなったためとのことだが、いくら会員権無しで低料金でプレーできるとはいえ、ゴルフ人口はきわめて限られている。少数の愛好家のために自治体が関与したこと自体に疑問を感じざるをえない。地の利を活かしたオートキャンプ場とか、国体に向けた体育施設とか、もう少し、温浴施設の利用者を増やすような計画があってもよかったのではないだろうか。

 それにしても、経営委託後も「レスパール藤ヶ鳴」が客集めのための宣伝らしい宣伝をしていないのはまことに不思議だ。せめて空港の出口付近にデカデカと看板でも出せばよいものをと思う。ひょっとして、いったん倒産させておいて債権放棄により赤字をチャラにして、買い取り側を有利にさせようということではあるまいなあ。同じ疑問は、私が契約していた協栄生命倒産の時にも思ったことだ。注意深く監視を続けてほしいものだ。




単純過失に懲役刑

 2/28の朝日新聞によれば、大阪地裁は27日、業務上過失致死罪に問われたトラック運転手に求刑の禁固1年6カ月を上回る懲役1年10カ月の実刑判決を言い渡したという。この事故は昨年4月5日の17時半頃に発生。被告が10トントラックを制限20kmオーバーの時速約100kmで運転中、前方不注意により軽ライトバンに追突、乗っていた親子2人が死亡したというもの。

 事故当時の状況が全く分からないので軽はずみなことは言えないが、高速道路ではちょっとした不注意が死亡事故につながることは十分に予見されることである。その注意義務は、航空機の管制官や潜水艦艦長に比べていささかも軽減されるものではない。もし運転手が車間距離を十分に保たずに運転していたとしたら、このぐらいの刑は当然であろうと思う。このほか無理な割り込みや大幅な速度超過も問題。必ずしも酒気帯びや無免許だけが悪質であるとは言えない。

 それはそれとして、「酒気帯びや薬物中毒による死亡事故」、「警察の追跡を逃れるための信号無視による死亡事故」、その他、「こういうことをすれば誰かが死ぬかもしれない」という危険性が予見できる状況での故意犯は殺人罪と同罪だ。事故防止効果の議論とは切り離して厳罰化を進めるべきであるし、運転する以上はそのぐらいの覚悟があって当然であろうと思う。