じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 7月29日の夜、近くの運動公園で地元ファジアーノの試合があり、岡山タワー(←私が勝手に命名)が赤くライトアップされていた。この日は、月齢10.3の月も輝いていた。ちなみに月は、この日の17時28分に最近、21時14分に赤緯最南となる。1枚の写真の中に月とライトアップされた岡山タワーが収まるのはけっこう稀有なことかもしれない。

7月29日(日)

【思ったこと】
_c0729(日)冬のソナタ・新編集版(9)最終回のカットシーンはかなり不満(2)3年後のカットシーン/ラストシーンの謎

 7月28日の日記の続き。

 さて、ドラマはいよいよ、最終回の最後の部分、3年後のシーンに入る。

 まずは、ユジンがフランスから戻って、サンヒョク、ヨングク、チンスク、チェリンで楽しく食事をする直前、ユジンとサンヒョクが、チヒョン(チンスクの赤ちゃん)を抱っこしているシーンがある。オリジナル版では、サンヒョクが「(チヒョンが)強情なのは誰に似たのかなあ(音声では「強情」は「やんちゃ」に置き換えられていた)」と言うあたりで、遠くからその様子をうかがうチュンサンらしき人物の後ろ姿が写っていたが、NHK版ではその部分がカットされていた。今回の新編集版では、その部分が復活されていた。もっとも私は、この後ろ姿はカットしたままのほうがよかったと思う。そもそもこの時期、チュンサンは韓国に数日間滞在しただけで、あまりにもタイミングが不自然すぎる。また、すでに失明したあとで、単独でこの場所に来られるとは思えない。さらに、至近距離で立っていれば、当然、ユジンたちに感づかれるはずだ。(いちおう、アパートの中に入る前に、ユジンがあたりの様子をうかがうような仕草をしているけれど。)

 新編集版ではこのあと、「不可能の家(不可能な家)」の玄関前でチュンサンが一人でこしかけ、「どう、気に入った」とつぶやき、かつてユジンと二人で初めてスキー場に打ち合わせに行って坂を登る途中でユジンが「愛する人の心が一番いい家ですから。」(音声では、「何より大切なのは愛する人の心に建つ家です。」と答えている回想シーンのみが入る。しかし、そもそも新編集版では、スキー場のこの場面はカットされており、初めて視た人には、いつどういう文脈でこの会話がなされたのかが分からない。

 それと、今回の新編集版では、チュンサンがなぜ「不可能の家」を訪れていたのかについて、何の説明もなされていなかった。オリジナル版を参照してみると、この経緯は、キム次長とチュンサンがベンチに座って語り合うシーンから推測できる(←チュンサンがここを訪れる直前に交わされた会話の回想シーンとして挿入されている。)
  • 【キム次長】日本の学会の結果は資料と一緒にそのままアメリカに送るって。だから私たちが行ったらすぐに読めますよ。さて、飛行機はあした、...あさってだし、私は、...そうだ、理事どうします? 3年ぶりにしたい事とかありません? あるんでしょ?
  • 【チュンサン】実は行きたい所があるんです。
  • どこ?
ということで、チュンサンは手術のためにアメリカに渡って、日本で行われた学会のついでに3年ぶりに祖国に戻り、おそらく日帰りで初めてここに立ち寄ったと推測される。

 このほか、オリジナル版では、「不可能の家」でチュンサンが、家の中をそろそろと歩いたり、壁に掛けてあるジグゾーパズルに触ったり、コーヒー(紅茶?)を飲むなど、設計通りのできばえに満足している様子がうかがえるが、今回の新編集版では残念ながらすべてカットされてしまった。




 さて、いよいよラストシーン。部屋に入ったチュンサンが物音(ユジンがテーブルにぶつかった音)に驚いて「どなたですか?」と2回尋ねたあと、ユジンがつけている香水の香りか、かすかな息づかいを感じて、3回目には「ユジンなの?」と名前を呼ぶ。ここで以前から疑問に思っていたのは、ユジンはどう答えたのかである。オリジナル版字幕では、「チュンサンなの?」(英語字幕では“Is that you, Joon-sang?”であるのに対して、NHK版では「そうよチュンサン」となっていて、全く印象が違う。では今回の新編集版では、...と注目していたところ、なっなんと、
  1. 【チュンサン】(確信したように)ユジン。(但し、字幕では「ユジン?」
  2. 【ユジン】チュンサン。
  3. 【チュンサン】ユジン
  4. 【ユジン】(口を開くが声にならない)
となっていて、吹き替え音声では質問形ではなく、名前を呼び合う会話になっていた。しかし、韓国語の発音を聞いてみても、原版では、1.と2.は明らかに、相手を確認するような質問形となっており、3.で初めて、チュンサンから「ユジナ」という、相手が誰かを確信した言葉が発せられている。この吹き替え上の台詞の差違は、結末の印象を大きく変えてしまっているように思う。

 上記1.でチュンサンが「ユジンなの?」と尋ねるのは視覚を失っているので当然。では、それに対して、ユジンはオリジナル版で、「そうよチュンサン」ではなく、なぜ「チュンサンなの?」と質問形を発したのか。目の前にチュンサンが居ることは明らかであるはずなのに...。これについては諸説あるようだが、私自身の個人的見解は、「不可能の家」の持ち主がチュンサンであったこと、そして何よりも、目の前にいるチュンサンが視力を失っていたという事実に直面し、「そうだったの? チュンサン。そういうことだったのね。」という驚きの気持ちを込めて「チュンサンなの?」という質問形を発したのではないかというものである。


 そしていよいよ、ラストのラスト、夕日を背景にした抱擁シーンとなるが、なっなんと、今回の新編集版は、最後の最後のところで、オリジナル版やNHK版とは異なる映像を使っていることが判明した。

 オリジナル版・NHK版では、2人はしっかりと抱き合ったままで終了となり、そのあとに、スタッフの人たちの記念写真が次々と出てくる。また、NHK版では、名場面の回想シーンを背景に日本語版の声優とスタッフの名前が表示される。いずれの場合も、2人はしっかりと抱き合ったままで「完」となった。

 これに対して、今回の新編集版では、しっかりと抱き合ったシーンはほんの一瞬で、そのあとは一緒に夕日を見つめているようなシーン(写真下参照)に切り替えられ、そのまま終了。この映像はどこから持ってきたものだろうか、大きな謎である。

 もっとも、2枚を比べてみると、個人的には、今回の映像(写真下)のほうが好みである。海辺での「新婚旅行」シーンを見ても分かるように(7月26日27日の日記参照)、海辺での2人の過ごし方は、「お互いを見つめる愛」にとどまっていた。サンテグジュペリが
愛とはお互い見つめあうことではなく、共に同じ方向を見つめること
Aimer ce n’est pas se regarder l’un l’autre. C’est regarder ensemble dans la meme direction.
という名言を残しているように、写真下のほうが、将来への展望が示唆されるラストとなっているように思えた。

 次回に続く。