じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 27日は、一般教育棟構内に用事があったため、最寄りのピーチユニオンのレストランで昼食をとった。ここの日替わり定食は592円で、下の階の食堂よりもやや高めだが、ライス、スープ、サラダがお替わり自由となっている。そこで夏ばて対策に、トマト2鉢分、さらにトマト、レタス、キャベツ、アスパラガスなどのサラダ1皿、スープ2杯を摂取した。下の階の食堂でサラダの量り売りを食べるよりもお得であったかもしれない。

 ここのレストランの欠点は、メニューが殆どチキンばかりであること(写真下参照)。日替わりといってもチキンばかりでは飽きてしまう。

7月27日(金)

【思ったこと】
_c0727(金)冬のソナタ・新編集版(7)海辺での「新婚旅行」(2)NHK版と新編集版のカットシーンの違いが与える影響

 7月26日に続いて、ユジンとチュンサンが海辺で過ごす一連のシーン【新編集版の放送第23回。オリジナル版では第18話途中】について取り上げることにしたい。特に指摘しておきたいのは、かつてのNHK版と、今回の新編集版では、台詞の一部や、カットされた部分が大きく異なっており、受ける印象がまるきり違ってしまうということだ。今回の新編集版で冬ソナを初めてご覧になった方は、ぜひ、オリジナル完全版でその違いを確認していただければと思う。

 以下、海辺でのシーンを時系列順に並べてみるが、このうち、赤字はNHK版のみ、青字は今回の新編集版のみで放送された部分、緑字はオリジナル版(韓国盤)に含まれていた部分、黒字は、どちらでも共通して放送された部分である。まず1日目は以下の通り。
  • 【早朝】明け方海岸に到着。「海は初めてだな」の会話。昨日の日記参照。
  • カモメが舞う中で波打ち際を手をつないで走るシーン。
  • 波打ち際を仲良く歩くシーン。影踏み。
  • 仰向けになって空を見上げる。飛行機雲の会話。子犬が寄ってくるシーン【犬に舐められた時の台詞が異なっていた】。
  • 砂の中から硬貨を見つける。ユジンがたくさん拾う。コインをもっと拾って船でも買おうかとチュンサン。
  • ユジンがチュンサンを待たせて何かを買いに行く。チュンサンはユジンが居ない間にサンヒョクに電話をかける。
  • サンヒョクが職場で打ち合わせをしている。上司にかかった電話を受けてから屋上に出ると携帯にチュンサンから電話あり。
  • チュンサンがサンヒョクに電話する。NHK版では「あさって君にこっちに来て欲しい」、新編集版では「明日の夜こっちに来てほしいんだ」と頼む。
  • ユジンがレンズ付きカメラ(使い捨てカメラ)を買ってくる。貼り合わせたコインのプレゼント。写真を撮りっこするシーン。
  • 【夜】海岸の民宿に泊まる交渉。部屋はいくつ要るかと訊かれた時にチュンサンは「2つ」と答えるが、ユジンは「私たち夫婦だから1つ」と訂正。
  • 【夜】部屋に入ったところでユジンはレンズ付きカメラを取り出してチュンサンの写真を1枚。このあと、NHK版ではユジンは「新婚旅行の記念。...冗談よ、冗談。」と言う。新編集版では「新婚初夜の記念。...冗談で言ったの、冗談。」となっていた。韓国盤の英語字幕は「To celebrate our first night.」なので、どうやら、NHK版のみ、露骨な表現を回避したものと思われる。もっとも、どっちにしても、欧米の映画のようなベッドシーンは無く、2人は二晩とも、布団を2つ並べて、服を着たまま(←着替えていない?)で寝ていた模様である。
  • 【夜】部屋の床を拭いたあと、ユジンは、チュンサンのために買ってきた歯ブラシを出す。そのあとチュンサンは「ユジン」と呼びかけ、ユジン「ン」と振り向く。ここは高校時代の雪だるまシーンと同じ。但し、そこから先は欧米の映画のような展開にはならず、チュンサンは「ちょっと出てくる」といって部屋の外に出てしまう。
 ここまではNHK版と新編集版でそれほど変わらない。問題は2日目のシーンの決定的な違いであった。
  1. 【朝】民宿の入り口の前にチュンサンの靴(底がはがれている)が置いてある。先に起きていたユジンがチュンサンを引きずり出し、一緒に座ってほほえみ合う。
  2. 海岸で手をつないで散策。
  3. 【夕方】夕食のあと、2人で市場の中を歩く。チュンサンは「今日は何でも望みをかなえてあげる」(←夕方になってからこの会話が出るのはちょっと妙)。それに対して、ユジンは王様みたいな口調で「鯛焼きを食べたいのじゃ」と言う。ところが、そのあとユジンはおばあさんから荷物運びを頼まれ、道に迷ってチュンサンとはぐれてしまう。ようやく再会したあと、チュンサンは怒り出す。
  4. 【夕方】海岸で、壊れたネックレスをチュンサンが受け取るシーン。背景に夕日が映っており(ロケ地ではたぶん、日の出の直後に撮影したものと思われる)、手前にある松の幹が2人の間に壁を作っているように見えるシーン。「道に迷ってはぐれたのは、きっとネックレスが壊れたせいだ。早く直さないと。このままじゃダメでしょ。」【NHK版では、「じつはねえ、壊れちゃったの」だけで、当然、市場で道に迷った話は出てこない。
  5. 【夜】部屋に戻ってみかんを食べながら、2人はケンカしたことをお互いに詫びる。しかしその後もチュンサンはユジンに訓示を垂れるようなことばかり言う。ユジンは「遠くへ行ってしまう人みたい。どうして欠点ばかり言うの。いいところも言って」。チュンサンはしかし、涙目で「いいところはないよ」と立ち上がる。
  6. 【夜】ユジンが寝たあと、チュンサンは、ユジンの頬にキスしてから一人で海岸に出て、貼り合わせたコイン、レンズ付きカメラ、ユジンから受け取ったネックレスを海に投げ込む。
 上記のNHK版のストーリー(赤文字+黒文字)と、今回の新編集版のストーリー(青文字+黒文字)を比べてみると、NHK版では、2人は朝からほほえみ合ったり手をつないで散策するなど楽しいことばかりの一日を過ごし、2日目の夜を迎えることになる。いっぽう、今回の新編集版では、2日目はいきなり夕方に市場の中を歩く場面から始まり、ユジンはチュンサンとはぐれてしまったばかりか、チュンサンから怒られたり、欠点を指摘され、最後には「いいところはないよ」とまで言われて置き去りにされてしまう。同じドラマなのに、カットの入れ方でこうも違ってくるのかと驚くばかりである。

 私自身もかつて、冬ソナのシナリオを書き換える試み(こちら参照)に挑戦したことがあったが、どのシーンをカットするかという形の「新編集」にもそれなりの意義はあると思う。ナラティブセラピーもその1つだと思うが、過去の出来事をつなぎ合わせて自分自身の物語を作るにあたって、いくつかの部分をカットしてみると、これまでにない感動的なライフストーリーが構成されるかもしれない。

 次回に続く。