じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 4月17日(火)、いつもより早く夕食後の散歩に出かけたところ、一般教育棟のグラウンド(陸上競技場)の照明がまだつけられていて、周辺の木々が明るく照らされていた。写真上はプラタナス、アオギリ、ポプラなど。写真下はケヤキの新緑(たぶん)。4月5日にも同じ場所の写真あり。プラタナスやアオギリは、葉のついていない今の時期のほうが、樹皮の美しさを楽しめる。


4月18日(水)

【思ったこと】
_c0418(水)第17回人間行動分析研究会(20)価値を測る:マッチング関数・割引関数・需要関数(11)行動経済学(4)まとめ

 昨日の続きで、この連載の最終回。

 話題提供の最後に、「価値を測る」ことについてのまとめが行われた。

 まず、価値を測るには、相対的表現、等価点、ある操作に対する抵抗性など様々な方法があること。相対的表現というのは、すでに記したマッチング法則などのこと、等価点は価値割引など、抵抗性は価格弾力性などのことをいうものと思う。

 次に、価値測定が目指すものとしては、関数型の同定と、効用(主観的価値)関数の同定があるという。関数型の同定というのは、量的行動分析の究極の目標ということになるのだろうが、私自身はイマイチその意義が理解できないところがある。ひとくちに関数型と言っても、単なる近似ということもあるし、何らかの基本法則からの演繹として説明できる場合もある。後者であれば面白いとは思うが、行動分析学の考え方とは違った生理学的モデルに帰着させることになるのかもしれない。

 そして、最後に、
「価値を測る」とは、「善きもの」に現代的な実体(効用関数)を付与すること
ということばで、話題提供は締めくくられた。

 以上の話題提供は、伊藤先生の長年にわたるご研究の集大成の紹介でもあり、大いに勉強になった。

 もっとも私自身としては、

マイケル・サンデル 究極の選択:「お金で買えるもの買えないもの」

などの番組でも議論されているように、価値は必ずしも単一の尺度では測れないことにも留意する必要があるとは思う。さらには、1つの価値体系の中での関数型についての議論よりも、異質の価値のあいだの交換性についての議論や交換価値よりも使用価値を重んじる考え方にも注意を向ける必要があるのではないかと考えている。