じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§ 2012年版・岡山大学構内でお花見(15)半田山の「幻の桜の花園」

 毎年この時期になると、半田山の頂上付近に「桜の花園」と思われるようなピンク色のエリアが出現する(写真の黄色の円内)。しかし、実際に現地を散策しても、桜がいっぱい咲いているところにたどり着くことはできない。2009年4月11日の楽天版に、実際に現地を探索したときの写真あり。

 ※岡山大学構内の花だよりのアルバム(追記更新型)をLife-Xに公開中です。随時追加していきますので、時たま覗いていただければ光栄です。



4月17日(火)

【思ったこと】
_c0417(火)第17回人間行動分析研究会(19)価値を測る:マッチング関数・割引関数・需要関数(10)行動経済学(3)価格弾力性

 昨日の続き。

 話題提供では続いて、価格弾力性からみた強化子特性が取り上げられた。リンク先にも記されているように、
  • 需要の価格弾力性が弾力的であれば、需要曲線の傾きは緩やかになる。この場合、値上げすると需要が急に小さくなる。
  • 需要の価格弾力性が非弾力的であれば、需要曲線の傾きは急になる。この場合、値上げしても需要は大きく変化しない。
という特徴があり、前者として贅沢品、後者としては主食の価格を挙げることができる。じっさい、贅沢品の場合は、価格が上昇すると消費が減る傾向が大であるが、主食では価格が上昇しても消費は減らない。これを強化子特性に当てはめると、行動を強める働きが大きい場合は非弾力的、小さい場合は弾力的ということになる、というお話であった。Unit Priceと摂取量、滞在時間(反応数)の関係をシステマティックに検討してみると、強化子の効果は相対的であり、強化子として機能する範囲が限られていることが分かる。ちなみに、脳内電気刺激と食物を比較すると、前者のほうが弾力性が高いという実験結果が得られている。こうした研究は、臨床的な問題(薬物中毒、アルコール依存)にも応用されており、Pety & Bickel(1998)の実験によれば、
  • ヘロインの価格が上昇するとヘロインの購買量は減少し、バリウムの購買量が増加→バリウムはヘロインの代替強化子
  • アルコールの価格が上昇すると、アルコールの購買量は減少し、タバコの消費量も減少→アルコールとタバコは補完強化子
という結果が得られているという。
 次回に続く。