じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§ 柏の葉キャンパス駅から徒歩で東京大学・柏キャンパスに向かう途中、千葉大・柏の葉キャンパスがあった。こちらの資料によれば、敷地面積は16万6889平米で、岡山大の総敷地面積206万2473平方メートルに比べると1/10未満であり意外と狭い。おそらく、ここから見える広大な区画には、千葉大以外の諸施設の敷地がかなり含まれているものと思われる。なお、千葉大の総敷地面積は128万1603平方メートルだという。また、東大の柏キャンパスの敷地面積は23万7452平米。こちらに敷地取得の経緯や呼称の変遷についての解説があった。

3月4日(日)

【思ったこと】
_c0304(日)「質的研究の来し方と未来:ナラティヴを巡って」&「人生心理学:イメージ画と語り」(12)やまだようこ氏の最終講義(1)問いを立てること/平仮名表記の理由

 2月20日の日記に記したように、今回の行事は前半と後半で主催者が異なっており、前半のシンポ終了後、約30分の休憩をはさんで、やまだようこ教授による記念講演(最終講義)「人生心理学:イメージ画と語り」が行われた。

 やまだようこ氏は、まず講義の冒頭で、学問について、
  • 問うて学ぶこと(強いて勉める「勉強」とは違う)。
  • 「正しい答」を求めることよりも、どのような「問い」を立てるか、どのような「ものの見方」をするのかが、重要である。
  • 私にできる仕事は、「ものの見方」を提示すること。
というように述べられた。

 このことでふと、12月に行われた上野千鶴子氏の講演を思い出した。1月23日の日記にも記したように、上野氏の場合には、まずはじめに「(現場での)問い」があり、それを解決するツールとして知識や理論を持つことが必要というお考えのようであるが、やまだようこ氏の場合は「問い」の立て方自体が問題となるという点で大きく異なっている。ちなみに、上野千鶴子氏もやまだようこ氏もほぼ同じお歳ではないかと思われるが、シンポなどで同席されたことがあるのかどうかは未確認。

 講義では続いて、なぜ「やまだようこ」はひらがななのか?という興味深いご紹介があった。漢字表記の「山田洋子」は、「山」、「田」、「洋」といった日本の原風景がビジュアルに見えるのにたいして、ひらがなの「やまだようこ」は「Ya-Ma-Da-Yo-Ko」というように「a」と「o」の母音が共鳴する声のひびきがある。この、やまとことばの発想を大切にするというのが平仮名表記を使う理由であるというようなお話であったが、イマイチよく分からないところがあった。余談だが、私の研究室の隣には「Ta-Na-Ka-To-Mo-Ko」という副研究科長がおられるが、別段、平仮名表記に変えたいというようなお話は聞かない。

 余談だが、質的心理学会にはサトウタツヤという有名人もおられる。今回、やまだようこ氏の平仮名表記に関連して、なぜサトタツは片仮名なのかということを調べてみたところ、こちらに相当古い、助教授時代に執筆された記事があり、そこでは
「なぜ名前をカタカナで書くのですか」というのがその質問。
「いつからしたんですか?」
ということも良く聞かれる。
 しかし、後の問いには答えられない。というか、 覚えてない。ある時に「これからカタカナで名前を書こう」と思ったのは覚えているけれど、それがいつだったのかは覚えていないのである。後世の歴史家に私 がいつからカタカナ書きにしたかを調べてもらいたい! それで、肝心の問いへの答えである。
 なぜ名前をカタカナで書くのか。
 最初の理由は「漢字で書くのは面倒だ」というも の。あと、名前表記は自由であるべきだ、ということも関係している。ついでに言えば、佐藤×哉という著名な方が多いのでちょっと目先を変えてみた。という こともある。カジヒデキ(もう誰も知らないか)のファンだったということも、そういえば、あった。
というようなイマイチ説得力に欠ける理由が記されていた。この中で、「佐藤×哉という著名な方が多いのでちょっと目先を変えてみた」というのは、私自身もそうではないかと推測したことがある。じっさい、サトタツ氏が初めて行動分析学会の年次大会に来られた時には、佐藤×哉先生の息子さんではないかと思ったほどであった。

 次回に続く。