じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 12月23日早朝の月齢27.6の月と水星と日の出。

 12月23日は冬至(正確には22日14時30分)の翌日となる。この日の明け方は、12時09分に水星が西方最大離角(−0.3等、離角21.8°)となり、月齢27.6の月と並んで光っていた。06時21分頃撮影。なお、月と水星は23日12時51分に2°35′まで接近。

 写真下は、07時15分頃に撮影した日の出。国立天文台の暦によれば、12月23日の岡山県岡山の日の出は午前07時08分、方位は118.2°となっているが、撮影地点では地平線の上に低い山があるため7分ほど遅い日の出となっている。ちなみに、方位が最も南になるのは冬至の12月22日(←ちなみに、この日は曇っていて日の出は見られなかった)であるが、方位は118.2°となっていて、小数点一位レベルで118.2°という方位は、12月18日から26日頃までは殆ど変わっていない。また、日の出の時刻が最も遅くなるのは、冬至ではなく来年1月4日から13日頃までで07時12分となっている。

 なお、冬至の日は、当分の間は平年が12月22日、閏年では12月21日となるが、2029年以降は閏年の翌年(平年)も21日、さらに2096年〜2099年はすべての年で21日が冬至となる。その理由については2000年2月29日の日記に記した通り。要するに、グレゴリオ暦の規定により、西暦1900年から2100年までの200年間、11分15秒のズレを無修正のまま放置することによって2100年に近づけば近づくほど、春分や秋分や冬至や夏至の日付が早まっていくためである。そのズレは2100年、2200年、2300年を閏年としないことで遅い日付に置き換わっていく。

12月22日(木)

【思ったこと】
_b1222(木)日本質的心理学会第8回大会(27)農と食と心理学(4)豊作祈願と収穫感謝/浜田氏による指定討論

 昨日の続き。

 3番目の話題提供は、企画者の石井氏による、

●豊作祈願と収穫感謝〜実感から象徴へ、そして実感を取り戻すために〜

という話題提供であった。石井氏のフィールドは沖縄島北部の集落であり、そこでは暴風(台風)や干ばつが起こりやすい気象条件、さらに乏しい水(共同井戸)と乏しい薪(遠い山)という厳しい生活環境がある。そうした中で、実りを待つこと(例えば、栗の収穫後の六月折目(ウイミ))などの祭りが行われてきた。しかし、近代化の中で、職住一体の半農半漁生活から離れて賃金労働で生計を立てる人が増え、祭りの担い手や農のくらしは、高齢者中心となっていったというような内容であった。

 ということで3つの話題が提供された次第であるが、うーむ、いくら、「農と食と心理学」に関連があると言っても、小学校と学童保育における「食べる」場面についての話題と、自主保育活動にみる子どもの食体験と農的くらしと、沖縄における豊作祈願と収穫感謝の祭りに関する話題では、あまりにも内容がかけ離れすぎていて、1つのシンポで扱うにしては、いろいろありますという形に拡散してしまったような気がしないでもなかった。

 さて、このシンポでは最後に、浜田寿美男氏による指定討論があった。浜田氏の指定討論は、昨年に続くものであり、昨年の基調講演(2010年12月10日の日記およびそれ以降参照)でも一部言及された内容であった。

 そのご趣旨は、私の理解した限りでは、
  • 3.11大震災や原発事故は、農的なくらしをしている人々ほど影響大であった。
  • 農は庭仕事とは違う。生産活動としての農業とそれを食することのあいだにギャップがある。
  • 農や食を心理学とどう絡めるのかについては今まであまり取り上げられたことがなかった。これはくらしをどう考えるのか、発達って何や?という問題につながる。
  • 現代の【都会の】社会では、子どもは大人に守られながら、というか守られっぱなしのまま、「将来必要な力」を貯めるために努力している。しかし、それは本当に貯まっているのか? 貯めても使わなければ根をおろさない。現実には、本当に貯まっているのかどうかが試されるのは試験(テスト)だけである。つまり、手持ちの力をちゃんと使う機会が失われている。
  • 今の子どもは、直接性を失ってしまっており、直接性をどう取り戻していくのかについて、心理学の中で農的なくらしを考えていくことが必要である。
  • 手持ちの力を使って何かをやって、今できることとできないことを体験していくことが、くらしという概念を持つために必要である。
というようなご趣旨であると思われたが、長谷川の簡単なメモに基づく思い出しであるため、かなり不正確である恐れはある。

 念のため、ネットで関連記事を検索したところ、こちらに、浜田先生のお考えを紹介する詳しいコンテンツがあった。今回の指定討論の内容も、そうしたお考えを反映したものと思う。

次回に続く。