じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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§§ 岡大・自然科学研究棟の屋上からのパノラマ風景(3)西方面

 10月22日の岡山大学ホームカミングデイ2011の際に撮影した自然科学研究科棟屋上からの風景のうち、西方向の写真のみ掲載漏れとなっていた。

 なお、東方向と南方向は以下の通り。北方向は半田山と工学部の建物だけであったため撮影していない。

11月7日(月)

【思ったこと】
_b1107(月)日本園芸療法学会2011年長野大会(11)がん告知から緩和ケアに至る過程での植物介在療法の役割と、コミュニケーション

 昨日に続き、2日目午前中に行われた口頭発表についてのメモと感想。

 奥様が子宮体がんの告知を受け、お亡くなりになるまでの約17ヶ月における植物との関わり(主として押し花)を語られた発表があった。従来、この種の学会発表は、研究者がご当人や家族と面談する形で行われることが多かったが、今回は、配偶者という視点からのご発表であり、感動的であった。このケースでは、検査、告知の後、最初の10ヶ月は手術と抗癌剤投与による西洋医学的治療が主体であった。その後の7ヶ月は、放射線治療、さらには緩和ケアに移行した。最初の10ヶ月は、検査、検査で追われその結果を待つ辛さがあり、出た結果でさらに落ち込む。そして次のスケジュールをこなすことで毎日が流れるという過程をたどった。この過程におけるコミュニケーションについては、

山根寛(2008). 治療・援助における二つのコミュニケーション: 作業を用いる療法の治療機序と治療関係の構築.三輪書店.

の「まなざす−気持ちの伝え」の一節が引用されていた。

 植物介在のコミュニケーションは、抗癌剤治療と手術の繰り返しの中で、押し花として始められた。患者と配偶者が同じ対象のものに集中し、同じ場、時を共有し、ともに五感で感じることの意義が、浜田寿美男(1999)の『私とは何か』を引用しながら語られた。さらには、上掲の山根(2008)の「対等なコミュニケーションとは」の一節が引用され、双方の役割と責務が異なる点にも言及された。

 このあたりは、当事者や現場に関わるスタッフ以外にはなかなかわかりにくいところもあるが、我々はみな、同じようなプロセスを経てこの世から去らねばならず、誰でも体験するプロセスであるとも言える。

 次回に続く。