じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内でお花見(52)アベリア

 一般教育棟入り口付近のアベリア(正確には、ハナツクバネウツギあるいはハナゾノツクバネウツギとも呼ばれる低木)。花びらが落花してできた絨毯の写真が昨年7月4日の日記にあり。2008年9月29日の日記にも見られるように、花期は6月から10月までときわめて長い。


6月26日(日)

【思ったこと】
_b0626(日)2011年版・高齢者の心と行動(26) 困難な状況をすべて先延ばしし、何もしないでゴロゴロするだけの退屈な生活を避ける方法(6)随伴性の入れ子構造(1)

 6月25日の日記の続き。

 これまでのところで、阻止の随伴性は、形式的制御変数的定義ではなくて手続的定義であること、よって、阻止の随伴性が形式的に設定されている状況では、実際の行動は別のタイプの基本随伴性が関与していたり、単なる「行動と結果の遅延」として説明できたり、ルール支配行動である可能性が高いというようなことを指摘した。しかし、形式的にせよ、阻止の随伴性が設定されている状況のもとでは、われわれは当該の行動を、「しなければならない」、「やるしかない」、「これを克服しなければならない」、...というように義務的に受け止めてしまう。また一方、阻止の随伴性がうまく機能している場合は、何もしないでゴロゴロするわけにはいかず、先延ばしは必然的に避けられるようになる。

 しかし、我々の行動というのは、単純に「したいことをする」タイプと、「しなければならないことをする」 タイプに二分されるわけではない。実際に働く随伴性は、入れ子構造になっていて、大枠は「したいからする」のだが、その部品を構成する随伴性は「しなければならないことをする」という場合も少なくない。また逆に、大枠は「しなければならない」であっても、部品となる随伴性の一部に「したいからする」を含めることができる場合もある。

 前者の例としては、受験勉強、スポーツ競技の練習、山登りなどを挙げることができる。

 受験勉強の場合、その積み重ねの最終結果は合格であり、これは大きな好子出現によって強化されるタイプと言える。しかし、日々の勉学は「きょうはこれだけ勉強しておかなければ受験に間に合わなくなる」という好子消失阻止の随伴性によって義務的に強化されている。

 スポーツ競技の練習も、長期的にはそのスポーツが楽しみであり、かつ優勝という栄誉を得るなど、大きな好子出現によって強化されるタイプであるが、日々の筋トレなどは阻止の随伴性の組み合わせて、「つらいけれど耐える」という形をとることが少なくない。

 山登りの場合は、最終目的は登頂にある(大きな好子出現)。もちろんその途中の山道でも高山植物の花が見られるなど、部分的には好子出現で強化されることもあるが、時には、「このザイルをしっかり握っていないと崖の下まで転落する」といった嫌子出現阻止の随伴性で岩登りをすることだってある。

次回に続く。