じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2011年版・岡山大学構内でお花見(20)落ち椿を楽しむ

 4月8日の日記にハクモクレンやコブシの花びらの絨毯の写真を掲載したが、それらは、またたくまに色あせてしまった。写真の落ち椿のほうは、4月初めから少しずつ落花しており、長期間にわたり鑑賞できる。

4月10日(日)

【思ったこと】
_b0410(日)行動主義の再構成(15)弁別ロボットによる思考実験(2)弁別は経験しだい

 昨日の日記にも述べたように、弁別ロボットは、一定の学習経験を通じて異なる反応をするようになる。最初からビルトインされている判別プログラムによって対処しているわけではない。

 もちろん、異なる刺激を区別するためには、それなりのセンサーが不可欠である。人間の場合でも、特定範囲以外の波長の音や光は弁別できない。いくら訓練を重ねても、できないことはできないのである。

 しかし、われわれ日本人が「L(エル)」と「R(アール)」の発音の違いをなかなか区別できないように、生活上、同一に扱ったほうが都合の良いような刺激事象は、感覚上の多少の差違があっても、同一カテゴリーとして扱われ、区別されずに知覚されるようになる。

 4月8日の日記に述べたように、環境の変化に対応して異なった形を取るというだけの現象は、無生物の世界でも無数に存在する。しかし、弁別学習の場合は、環境の違いに一対一に対応して行動パターンを変えているわけではない。無数の違いをいくつかにカテゴライズした上で、同一カテゴリーには同一の反応をするように学習していくのである。

 昆虫の場合、それらのカテゴライズはほぼ系統発生的要因のみによって決定されている。これに対してオペラント弁別では、行動の結果(行動の直後の結果ばかりでなく、行動とともにそれに依存して生じる環境変化も含む)が、弁別を規定しているのである。


 次回に続く。