じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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8月2日(土)の夜に行われた花火大会。昨年は、岡山後楽園の幻想庭園とセットで鑑賞したが、2年続けて同じことをしても新鮮味が無いので、アパートのバルコニーからの見物となった。



8月3日(日)

【ちょっと思ったこと】

阪神のCSマジック計算法の前提にこだわる私

 夏の高校野球が開幕し、また北京オリンピックもあとわずかとなったが、プロ野球のほうもいよいよ後半戦が始まり、首位を独走する阪神タイガースは最下位・横浜に19-2で快勝し、通算61勝32敗1分け、貯金29、優勝マジックを40とした。

 さて、7月20日の日記でも言及したように、私が未だによく分からないのがCSマジック(クライマックスシリーズ進出を確定するためのマジック)の計算法である。ちなみに8月3日終了時点で、阪神のCSマジックは35と表示されている。

 そこで今回は趣向を変えて、阪神がCSマジック35勝より1つ少ない34勝しかできなかった時に、現時点で2位・巨人、3位・中日、4位ヤクルトが、揃って阪神より上位に位置する可能性があるのかどうか計算してみることにした。

 まず、阪神が残り50試合に34勝16敗した場合の最終成績は

95勝48敗1分け 勝率0.664

となる。CSマジックが35であるということは、阪神が34勝どまりであった場合に、少なくとも3チームが揃って、自力で上記勝率を上回る可能性が残っているということである。

 次に、残り試合について考えてみる。対戦相手別には、
  • 巨人 10
  • 中日 7
  • ヤクルト 8
  • 広島 13
  • 横浜 12
となっているので、「自力で」という意味から言えば、これらが、阪神から獲得できる勝ち星の最大数ということになる。仮に阪神に全勝した場合、各チームの貯金・借金は、現時点から以下のように改善される。
  • 巨人 現時点で10、阪神に10勝することで20
  • 中日 7現時点で1、阪神に7勝することで8
  • ヤクルト 現時点でマイナス3、阪神に8勝することで5
  • 広島 現時点でマイナス7、阪神に13勝することで6
  • 横浜 現時点でマイナス32、阪神に12勝することでマイナス20
 4位のヤクルトより5位の広島のほうが貯金を増やせる可能性があるので、ここでは、巨人、中日、広島が、それぞれのチーム間の対戦はすべて引き分け(引き分けのほうが勝率アップにつながる)、ヤクルトと広島にはすべて勝ったとして、いくつまで貯金を増やせるのかを考えてみる。
  • 巨人 ヤクルトから9勝、横浜から10勝、合計19
  • 中日 ヤクルトから12勝、横浜から12勝、合計24
  • 広島 ヤクルトから12勝、横浜から7勝、合計19
 阪神から獲得可能な勝ち星と合わせ、かつ、3チーム内の残り試合はすべて引き分けたとすると、144試合全体における、巨人、中日、広島の最適戦略による勝率は
  • 巨人 81勝42敗 貯金39、分母は123試合 勝率0.6585
  • 中日 77勝45敗 貯金32、分母は122試合 勝率0.631
  • 広島 73勝48敗 貯金25、分母は121試合 勝率0.603
 これらを、阪神が残り試合に34勝した場合の


95勝48敗1分け 勝率0.664

と比較してみると、いずれも阪神の勝率を上回れないことが分かる。つまり、現時点で阪神のCSマジックは35となっているが、阪神は34勝した場合でも、クライマックスシリーズに進出できるはずだ。おかしいなあ、何か前提が間違っているのだろうか。

 これまでにも指摘したように、CSマジック計算にあたっては、下位チーム個別に「自力で阪神の勝率を上回れる可能性」を考えるのではなく、「少なくとも3チームが揃って阪神の勝率を上回れる可能性」を考えなければ正確な計算とは言えないはずだ。

 この矛盾は、CSマジックが1桁台になったあたりでもっと分かりやすくなるはずである。