じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



5月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真]

 デジカメで撮影した月齢3.7の月と金星。この日は朝10時12分に1度40分まで接近した。次の6月18日深夜には金星食がある。日本では見られないが、晴れてくれれば、直前の大接近の様子が見られ、食の最中より美しい写真が撮れるはずだ(食の最中は月が見えているだけ)。

 余談だが、この日の月の明るさはほぼマイナス9等。金星のほうはマイナス4.2等。但し、星の明るさは対数表現なので、2つ合わせても(-9-4.2)マイナス13.2等になるわけではない。

 



5月20日(日)

【思ったこと】
_70520(日)[心理]サッカーくじ、その後

 各種報道によれば20日、第278回サッカーくじ(通称toto)「ビッグ」の当選結果が決まり、1等5億6313万2013円が7本出たという。宝くじと異なり、サッカーくじは、毎回必ず1等が出るわけではない。1等が出ない時は次回繰越となるため、賞金額は高額化していく。今回の場合は12回連続で1等当選が出なかったために、1等当選金6億円が複数でる可能性があった。この人気のために一部でシステムがダウン、また2007年シーズンのtoto売り上げは141億円を超え、昨季の総額約132億円を早くも上回ったという。

 私は総じてギャンブルは大嫌いであり、生まれてこの方、宝くじも馬券もこのtotoも、1枚たりとも購入したこともないのであくまで一言居士的な論評になってしまうが、これまで、 というように、何度か、サッカーくじについて言及したことがあった。特に、2004年3月9日では、「サッカーくじはなぜ売れないか」について猪瀬直樹氏の指摘を引用させていただいた。じっさい、ウィキペディアの当該項目を見ても、その後の運営状況は必ずしも芳しくなかったように見える。

 今回、繰越金が高額になったことで一時的に人気は高まると思われるが、これが長続きするとは思えない。

 ちなみに、ビッグというのは2006年9月から導入され、1口300円、Jリーグの計14試合の「勝ち」「負け」「その他(引き分け)」をはじき出した券を購入する商品であるという。Jリーグのことを全く知らない人に比べて、ある程度サッカー好きの人のほうが、14通りのうちの「正解」比率を高めることはできると思う。しかしそうは言っても、常に偶発的要素はつきまとうものだ。例えば14通りのうち7通りを当てた人が、その後、さらに熱心に各チームの戦力分析に取り組めば、平均8通りを超えるまで正解率を高めることができるようになるかもしれない。しかし、そのことで当選に近づいたと思ったら大間違いだ。

5/22追記]
 その後得た情報によれば、ビッグは、コンピューターが勝手に勝敗を予想するので、自分で能動的に予想パターンを選ぶことはできない模様。購入した券が自分のパターンと違っていた場合は、一致するまで買い増ししなければならない。その買い目は約480万通りあり、すべての組み合わせを買うには約14億円が必要。




 ところで、単に賞金金額が上がっただけでこれだけ人気が出るということに目をつけて
  • 国民年金納入者の中から、毎年1名をランダムに選び、6億円を贈呈する。
  • NHK受信料支払者の中から、毎年1名をランダムに選び、6億円を贈呈する。
  • 無事故無違反の自動車免許所持者の中から、毎年1名をランダムに選び、6億円を贈呈する。
というように、ありとあらゆることにギャンブルを導入したらどうなるだろうか?

 あるいは、「宝くじは夢を買うものだ」と言われることから、いっそのこと、

●日本国民の中から毎年1名をランダムに選び、6億円を贈呈する。

という制度を作ったら、「日本は、夢のある国だ」ということになるだろうか。

 しかし、すでにいろんなところで議論されている通り、これらは基本的に間違いであり、望ましい行動を適切に強化する方法とは言えない。なんでもかんでもギャンブルで統制しようとすると、社会に役立つように地道に働き、努力に応じた結果を得るという強化のシステムが破壊され、お金を得るために手段を選ばない人が増え、犯罪大国になってしまう恐れが大きいからである。