じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

10月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] 講義棟の南側に咲くピンク色のシュウメイギク(秋明菊)。昨年10月18日の日記にも同じ株の写真あり。英名は「Japanese anemone」だが、アネモネと違って秋に咲くとことが趣深い。



10月20日(木)

【ちょっと思ったこと】

おかやま国体

 昨日の日記にもリンクしたように、晴れの国 おかやま国体の秋季大会が10月22日から27日まで開催される。

 メイン会場のすぐ近くに住んでいることもあって、その準備の進み具合をある程度知ることができる。アパートのすぐ近くには、他県選手の宿泊をサポートする民家があり、「歓迎 ○○県 ○○選手」という幟が取り付けられ、21日には選手たちが早朝からジョギングなどで体をほぐしていた。

 さて、開会式22日の天気予報は「一時雨」のマークがついている。降水確率のほうも30%(21日6時現在)とあまりよくない。「晴れの国」のイメージが損なわれなければいいのだが。

【思ったこと】
_51020(木)[心理]心理学はどのように宣伝されているか

 昨日の日記で進路選択について取り上げたところであるが、一週間ほどまえの朝日新聞全面広告に

●新設学部・学科ガイド 心理学

という特集があった。
  • 社会のさまざまな側面で「心理学」の知恵と知識がケースが増えている。
  • ますます細分化し、専門性を深める「心理学」
として、
  • 発達障害者支援
  • 高齢者支援
  • 犯罪防止や矯正
  • 消費行動分析
  • 広がる心的援助
を活躍の場として紹介していた。昨日の日記でも述べたが、ある専門領域について学ぶことに意義があると確信するためには、その領域のことをすでに知っていなければならない。しかし、学ぶ前から学ぶ内容を知っているはずがないのでこれは矛盾する。そこで結局、この広告のように、「○○を学べばこういう場で活躍できます」というように、卒業後の職業の社会的役割を強調することで学問としての魅力をアピールするというかたちをとることになる。

 もっとも、上に挙げられているような職業についても、実際に働いてみなければ分からないとことが多い。そうしてみると、進路選択というのはかなり不確かな根拠で決められるものであり、ある意味では思い込み、カケのようなものでもある。ヘタに批判的思考を発揮してああでもない、こうでもないと迷うよりも、いったん決めたら突っ走ってみたほうが大きな活躍につながるようにも思う。

 ところで私の大学の場合だが、上記の職業にそれぞれに就いた卒業生は確かに居るが、全部合わせても3割程度に満たないのではないだろうか。実際には、上記職業全体より公務員志望のほうが多いようにも見えるし、また、一般企業で心理学とは直接関係の無い仕事に就く人もいる。そうそう、衆議院議員になった卒業生も居るのであった。

 進路選択にあたって注意してほしいのだが、上記の仕事は、大学で養成されるものではない。大学で学んだことは役立つには違いないが、それらを学べば自動的に何かの仕事に就けるというわけではない。これは、国家資格化をめざしていることで話題の医療心理師(おわび&お願い文書はこちら)になろうとする場合も同様である。卒業したら無条件にそういう仕事に就けるわけではない。