じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ブーゲンビリアの本物の花。6/26の日記に記したように、赤い部分はは苞(ほう)で、中の白い部分が本当の花。



7月4日(日)

【ちょっと思ったこと】

NHKアニメ劇場

 夕食時にテレビを視ていたら、NHKニュースに引き続き「アガサクリスティの名探偵ポワロとマープルというアニメ番組が始まった。

 おやっ、この時間帯は、あんまり面白くない過去映像紹介クイズ番組をやっていたのではなかったかなあと思ったが、こちらによれば、NHKは昨年10月に「新作アニメ開発プロジェクト」を発足させ、幅広い世代を対象としたアニメを制作していく方針を打ち出し、4月以降、「火の鳥」を皮切りに連載を開始したということであった。同記事によれば、NHK総合では1978年の「未来少年コナン」や、「ふしぎの海のナディア」などを放送してきたが、1995年3月を最後にアニメ番組は途絶えていたという。

 私自身にとっては、NHKの日曜19時半といえば「クイズ 日本人の質問」が真っ先に浮かぶ。2002年10月27日の日記2003年3月9日の日記で、出題されたクイズを取り上げたことがある。トリビアものクイズ番組の元祖であり、視聴者も推理のチャンスを与えてくれるという点で楽しめる番組だった。

 さて、今回のアニメであるが、私自身はそれほど面白いとは思わなかった。制作方針として「幅広い世代を対象としたアニメ」とあるが、楽しめるのはせいぜい小中学生までではないだろうか。じっさい、一緒に視ていた私の娘(高1)も、番組の途中で「つまらない。チャンネル変えよう」と言っていた。

 私があまり興味を持てなかったのは、まず、アニメ自体がシンプルで、作者の個性が感じられないことであった。宮崎駿作品のような繊細な原画に比べると、いかにも安物という感じがする。

 次に、原作にないマープルを登場させたことの違和感。もっとも、これは、「アガサクリスティ」原作の「名探偵ポワロとマープル」ではなく、「アガサクリスティ原作の名探偵ポワロ」と「マープル」という新作品であると割り切ればよいのかも。

 いちばんの問題は、推理モノの魅力である「あっと言わせるような」謎解きが無かったことだ。このあたり、少し前に子どもたちが熱中していた「コナン」に比べると、あまりにも単純すぎる。

 1つだけ誉められるのは少なくとも1回目では殺人シーンが無かったこと。「コナン」のアニメは推理モノとしては評価できたが、98年10月26日の日記に書いたように、命の大切さや死への悲しみが全く描かれていないという点で別の問題があった。

【思ったこと】
_40704(日)[心理]「活きる」ための心理学(4)質問紙性格検査のしくみ

 自治体主催の生涯学習講座(4回シリーズ)の出講2回目のメモの続き。

 2回目の講義の前半では、質問紙性格検査のしくみについて簡単に解説した。

 ネット上でゲーム風にアレンジされた「性格診断」をよく見かけるが、それらは、たいがい、開設者が質問項目を主観的に選択し、「名人芸」とも言える表現ゆたかな解釈文で「当たっている」と思わせるしかけとなっている。

 これに対して、正式な質問紙検査の場合は、
  • まず、測ろうとしている特性に関連のありそうな質問をたくさん作る
  • 予備検査により、不適当な項目を除去
  • 尺度の内的整合性を高める
といった手続をちゃんと踏んでいる。

 質問紙性格検査が考案された当初は、回答者の答えを真実の自己表現として解釈できるかのかどうかという疑義があった。
  • 被験者は自分自身を十分に知らない。
  • 被験者の回答は時により変化する。
  • 被験者の質問項目の解釈は人により異なる。
  • 被験者はうそをつく、被験者は回答を歪曲している。
といった問題点である。

 しかし現在では、質問に対する被験者の回答は、1種の言語刺激である質問に対する被験者の反応であり、その反応の解釈は、1連の質問に対する反応との関連において初めて意味をもつ(このあたり『実験とテスト』旧版解説編より、一部転載改変)。

 この考えに基づけば、例えば「あなたは神経質ですか」という問いに「はい」と答えたからといって「神経質」ということにはならない。場合によっては「いいえ」と答えた人のほうが「神経質」と判定される場合もあるし、全く別の特性を調べている質問であるのかもしれない。

 次回に続く。