じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  3月3日の日記に桃の蕾の写真を載せたが、その10日後、開花がかなり進んでいる。


3月13日(土)

【思ったこと】
_40313(土)[教育]大学入試再考(2)得点と順位は無条件に開示すべき/追加合格のあり方

 昨日に続いて、大学入試制度について考えたことを述べたい。

 まず、センター試験について。私が疑問に思うのは、二次試験前に、なぜ本人に得点を通知しないのかということだ。センター試験の得点は、多くの大学でかなりのウェイトを占めている。また一部の大学では二段階選抜に使われている。予備校主催の模試ではきめ細かく得点、偏差値、順位がフィードバックされるのに、本人にとって最も有用な情報であるはずの本番の結果が知らされないというのはどうにも納得できない。

 もちろん、多くの受験生は、問題用紙のほうにどの選択肢をマークしたかをメモすることができる。自己採点によりほぼ正確に結果を知ることができるわけだが、マークする際のミスなどにより、思いもよらない低得点になっていることもあるはずだ。




 さて、昨日の日記にも述べたように、多くの受験生は、センター試験の出来具合を勘案しながら、2月初めまでに前後期それぞれについて出願先を決める。前期試験は2月25日ころから1〜3日間、合格発表は3月9〜10日頃。そしてその直後の12日から後期試験が開始される。後期の発表は、3月21日〜23日頃となる。

 ところで、多くの大学では、定員より多めに合格者を発表している。これは、併願による入学手続辞退があった場合に、定員割れとなることを防ぐためである。万が一定員割れとなった場合には、3月下旬ギリギリの時期に、追加合格者(いわゆる補欠合格)が決定される。追加合格の必要が生じた場合には、入試当局者は、不合格者のうち最も高い得点を得た者から順番に電話連絡などにより入学の意志を確認していく。自分が補欠の何番目にあるのかは通常知らされていないので、予備校入学の手続を終えたあたりで突然うれしいニュースが飛び込んでくることもある。

 なお、追加合格者は、前期、後期独立して行われる。例えば前期100人、後期50人、合計150人の定員に対して、前期110人(←定員より多めに合格者を決定した結果、定員をオーバー)、後期40人が入学手続をとったとする。この場合、トータルの入学者はちょうど150人となるが、後期の部分については10人分が定員に満ちていないので追加合格者を決める必要があるという。トータルで定員が満たされている場合は、一定範囲内であれば追加合格を決めなくてもよいという基準もあるらしいが正確なことは私には分からない。このほか、追加合格だけで定員がうまらない場合には、追加募集が行われることもある。

 以上述べた現行の制度で私が疑問に思うのは、
  • 「併願者の入学辞退可能性」という全く別のファクターによって、定員より多い合格者が決められることの不確かさ。
  • 国公立大学間では併願ができない(昨日も述べたように、前後期で「併願」しても、前期合格を確保した上で後期の発表を待つことができない)のに、国公立と私立間、あるいは私立どうしでは、日程が許す限りはいくらでも併願ができるという矛盾。少なくとも国立大法人化後は、自由化されてもよいはずだ。
  • 受験生かられば、併願による金銭的負担は重い。また大学側から見れば、入学手続辞退というリスク。
といった点である。

 では、どうすればよいか。
  1. まず、昨日の日記に述べたように、まず後期試験は廃止し、すべての大学は時期に1回限りの試験を行うこととする。但し、その中で、センター重視型、個別試験重視型、小論文重視型など、それぞれの受験生が得意とするタイプで受験できるようオプションを増やす。

  2.  次に、合格発表は定員ぴったりで行うこととする。併せて、全受験生に、得点と順位を開示する。また不合格者の場合は、補欠の何位にあたるのかを開示する。

  3.  合格発表後は速やかに入学手続を行うものとし、入学手続を行った時点で、その受験生は、当該年度における他大学の入学資格をすべて失うものとする。

  4.  入学手続が締め切られた時点で、各大学は定員割れした分について追加合格手続を許可する。但し、追加合格は定員の2割までの欠員に対して行うものとし、それを超えた部分については、新たに追加募集を行う。追加募集には、上記で入学手続をしなかったすべての受験生が出願できるものとする。

     以上の方法だけは、受験生は実質一校しか出願できず、不合格のリスクが大きいように思われる。これを改善するには、各受験生に第二志望の出願先を届け出させておき、センター試験得点と面接・小論文試験程度で別途入学できる枠を設けるという対策が考えられる。時間が無くなったので、続きは明日以降で。