じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ツルニチニチソウ。青色系の花はこの時期には珍しい。このほか、空き地などの植え込みとして一年中緑を楽しむことができる。日当たりのよい肥えた土地では次々と蔓を伸ばし、時には抜き取るのが厄介になるほど一面に生えることもある。コンクリートで仕切られた特定の花壇だけで育てたほうがよい。


3月12日(金)

【ちょっと思ったこと】

11年間で「生存率」15%という送別会

 12日夜は、学科教員の送別会があった。少々意外だったのは、幹事の私あてに会場の地図についての問い合わせが頻繁にあったことである。11年ほど前に学部の忘年会が行われた会場なのに、なんでみんな知らないだろうと思ったが、よく考えてみたら、その時の忘年会に参加していたのは私を含めて2名だけであることに気づいた。

 これにはいくつか特殊な事情がある。11年前と言えば、文学部はまだ改組前であり、教養部がちゃんと存在していた。つまり、教養部から文学部に籍を移した教員は当時の忘年会には参加していなかったのである。また、私の学科には、改組時に新たに設置された履修コースがある。そのコースの教員は当然、その後で採用されている。

 とはいえ、現員13名という私の学科で、11年間のうちに定年退職した教員は5名、他大学への転出が今回を含めて7名という数字はかなり多いように思う。他大学のことはよく分からないが、この学科に限っては、教員の流動性は十分に保たれているように思う。

【思ったこと】
_40312(金)[教育]大学入試再考(1)前後期制入試の問題点

 12日は国公立大学の多くで後期試験が行われた。文科省のまとめによれば、この日に試験を実施したのは137大学441学部。1時限目に受験したのは9万8161人、欠席率は47.9%(前年度46.1%)であったという。

 私が受験生だった頃は、国公立大は一期校(旧帝大系、岡大、東工大、一橋大、東京教育大など)と、二期校(東京医科歯科大、東京外大、信州大、東京学芸大など)に分かれており、それぞれの大学では1回しか入試が行われていなかった。多くの受験生は一期校、二期校それぞれに受験し、二期校の合格発表を待ってから入学先を決めることができた。たいがいは一期校の合格が決まるとそちらのほうを選ぶが、私の同窓生の中には、東大合格を蹴って東京医科歯科大に入学した者も居た。

 この旧制度の弊害は、一期校と二期校の間で格差が生じるという点にあったようだ。上にも述べたように、一部の医大を除けば、二期校に入ってくる学生の多くは一期校の不合格者である。そのため、入学する大学の特色に必ずしもマッチせず、なかには一年間休学して予備校に通い翌年に一期校を再受験をする学生まであった。

 これに対していま行われている前後期制では、受験生は志望大学を決める前にまずセンター試験を受験する。その出来具合を勘案しながら、2月初めまでに前後期それぞれについて出願先を決める。前期試験は2月25日ころから1〜3日間、合格発表は3月9〜10日頃。そしてその直後の12日から後期試験が開始される。この場合、前期試験合格者は後期試験を受け、その出来具合を勘案した上で前期受験校への入学手続をすることもできるが、いったん手続をしてしまえば、後期は自動的に不合格となる。一方、手続をせずに後期の合格発表を待った場合は、前期校への入学資格を失う(同一大学内で前後期併願する受験生に対しては、前期合格者は後期は自動的に不合格、あるいは、併願学部を限定している大学もある)。

 こうした前後期制は、過去の一期・二期制に比べてが無いと言えるのだろうか。

 一番の問題は、多くの大学において、何のために後期試験を実施するのか、その目的や意図が明確でない点にあると思う。

 多くの大学の場合、前期試験は個別入試重視、後期試験は小論文(あるいは総合科目)重視というように試験科目を変えて、選抜方法の多様化につとめている。しかし、もし、それだけが目的であるならば、前期試験時に別枠で、配点の異なる小論文(あるいは総合科目)重視型の試験を実施すべきである。現状では、後期試験受験者は、2月25日まで前期試験重視の受験勉強に追われており、本当に小論文(あるいは総合科目)を得意として受験しているわけではない。

 このほか単科大学の中には、殆どセンター試験の得点だけで後期の合格者を決めているところもある。これは、そのような配点がその大学の理念や教育方針に合致するからでは決してない。総合大学と違って、個別入試問題を出題できる教員が限られていて、センター重視以外の選抜ができないという台所事情があるためだ。




 後期試験では合格発表が新年度のわずか8日〜10日前に行われるという別の問題点もある。これはあまりにも非人道的だと思う。

 入学試験をあまり早く実施すると、合格後にちっとも勉強しなくなる弊害があると言われるが(←例えば12月に行われる推薦入試など)、これは高校側の教育に問題があるのではないか。高校卒業基準を厳格に適用するならば、高3の勉強をちゃんとやらないで卒業できるはずがない。むしろ今のように卒業式と入試が重なるような状況では、高校生の多くは、高校時代に身につけたことをじっくりと総括できないうちにあわただしく受験し、あわただしく入学手続や下宿探しに奔走することになってしまう。それこそ、高校教育の最終段階をおろそかにしてしまっているように思う。




 同じ志願先に前後期2回の受験チャンスが与えられるというのは、一発勝負より確実性があるように思われがちである。しかし、これは全くの確率判断の誤りである。後期試験が行われるということは、それだけ前期入学者の定員を減らすということであり、前期の合格可能性を狭めているのである。後期試験が行われなければ、前期に不合格になった人の何割かは前期に合格していたはずである。

 というようなことをいろいろ考えてみるに、後期試験は廃止し、1つの大学の入試は同じ時期に1回限り、その中で、センター重視型、個別試験重視型、小論文重視型などいろいろな選択肢を与えたほうが受験生にとっても真のチャンスが活かせるように思われる。当日体調が悪くて欠席した人のためには別途、追加試験やセンター試験の複数受験機会などで対応すればよい。このほか、不合格者が浪人にならずに済むような別の手だてを考える必要があるが、時間が無くなったので明日の日記で。