じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 3月3日は桃の節句、ということで大学構内の花桃の様子を調べてみた。開花まであと数日といったところか。


3月3日(水)

【ちょっと思ったこと】

言い訳は災いのもと

 京都府丹波町の大規模養鶏場で鳥インフルエンザが発生した問題は、ますます深刻化してきた。加工業者や流通業界に莫大な損失を与えたほか、同じ地域で二次感染の疑いが出てきた。もし「蔓延」ということになれば、この地域全体に重大な影響を与えるおそれがある。

 しかし今回のケースでは、鳥インフルエンザ以上にショッキングな事実が明らかにされてしまった。3日の朝、たまたまこの養鶏場経営者父子の記者会見の様子を視る機会があったが、それによれば、経営者は、ニワトリの大量死が続いていたにもかかわらず獣医師には診せず、腸炎だと思って出荷を続けたという。しかも、少なくともこの養鶏場では「弱った鶏から出荷する」という行為がこれまでにも行われていたというから驚きだ。仮にインフルエンザが無かったとしても、我々は、腸炎で死にかけの鶏、もしくは抗生剤を大量に投与された鶏の肉を食べさせられる危険性が常にあることが語られてしまった。経営者父子としては、鳥インフルエンザの発生を隠蔽したのではないかという疑いを打ち消すための言い訳として、腸炎や出荷継続の慣習を持ち出したつもりなのだろうが、これは全くの逆効果。少なくとも私は、「元気で薬漬けされていない鶏」という確かな証拠が無い限り、鶏肉を食べたいとは思わなくなった。

 少し前の辻元・元議員の秘書給与問題や、最近の古賀議員の学歴問題などもまさにそうだが、事実そのものよりも、事実を隠そうとして言い訳を重ねたことで墓穴を掘ってしまったというケースが多いように思われる。今回の件など、大量死が起こった直後に行政当局に急報し直ちに出荷を停止していたら、経営者は全くの被害者。同情を集めるばかりでなく、特別の融資を受けて養鶏場を再建することもできたはずだ。自分に都合の悪いことが起こった時に、言い訳やごまかしで逃れようとするのは、人間のさがなのだろうか。

 余談だが、3日朝にちらっと視た坂口厚労大臣の記者会見では、大臣は最後に「もうケッコウ」と言って場を離れた。全くの偶然なのか、ダジャレなのかは確認できないが、もしダジャレであったとすると、事態が深刻化しているだけに、不謹慎のそしりを免れないだろう。ま、あの大臣はダジャレを言う人ではないと思うが。


[※3/7追記]
3/7朝に視たテレビ番組によれば、坂口大臣は3/5(金)に、上記の件について「慎まなければならない」という会見を行ったそうだ。