じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] カラスウリの実。カラスウリは、一晩で萎む純白の花と、秋の夕暮れに染まる真っ赤な実、というように2回楽しむことができる。
なお、カラスウリの花の写真は1998年9月13日の日記にあり。夜しか咲かないので、葉っぱの形や蕾の状態を昼間のうりに確認しておく必要がある。


10月22日(水)

【ちょっと思ったこと】

パソコン本体は値下がりしても...

 10/19の日記で電化製品やパソコン本体が安くなったということを書いたが、周辺機器やアダプター、メモリー、ケーブルなどは必ずしも安くなっていないようだ。このところ、いろいろなカタログや問い合わせをしながら、少し古いパソコンの機能拡張をはかっているのだが、ちょっとした部品でも4000〜5000円かかってしまう。最近買ったものを挙げてみると
  • モバイルパソコンを外部ディスプレイにつなぐためのケーブル(薄型のため、普通のアナログディスプレイケーブルでは接続できない):約4500円
  • USB端子から旧型のSCSI機器に接続するためのケーブル:約7000円
  • i-LINKの端子をUSBに接続するためのケーブル:約4500円
 旧製品をいましばらく活用するためにはやむを得ないところだが、こうやって買い揃えていくとあっというまにパソコン本体の価格を超えてしまうのだから驚きだ。

【思ったこと】
_31022(水)[教育]学生の希望・意見を反映させる方法(1)

 法人化後の特色ある大学づくりの一環として「学生の立場に立った大学」ということが言われている。この言葉はもともと2000年6月の「大学における学生生活の充実に関する調査研究協力者会議」答申に盛り込まれていたもので、こちらにその内容が公開されている。

 答申では、学生の立場に立った大学を実現する方法の1つとして、学生の希望や意見を反映させることの重要性が指摘されており、

●II 各大学における改善方策−学生に対する指導体制の充実を目指して 3 学生の希望・意見の反映(1)希望・意見の反映方法

には、
 「学生中心の大学」への転換を図るという観点から,大学教育においては,大学で教育を受ける学生の希望や意見を,適切に大学の運営に反映させることが重要である。また,学生が積極的に大学運営に関わることを通じて主体的に大学生活を送ることは,学生の社会的な成長を促すことを期待できるものである。
 学生の意見や希望を反映させる具体的な方法としては,(a)大学として学生からのアンケート調査を行ったり,学生の実態調査を行うことにより,その希望や意見を聴取する方法,(b)学生の代表と大学の運営責任者等との懇談会等を実施し,その希望や意見を聴取する方法,(c)学生の代表を大学の諸機関に参加させる方法などが考えられる。
と記されており、このうち(c)に関しては
 欧米諸国においては,伝統的に,学生の代表が大学の管理運営組織の正式なメンバーとされ,広範に大学運営への学生参加が認められている。しかし,このような制度を現時点において,我が国の大学に取り入れることは,これまでの経緯や,現在の大学の意思決定システムとの整合性に配慮する必要があり,慎重に検討すべきものと考えられる。
 むしろ,大学の授業内容・方法や学生生活に関する事項など,学生の希望や意見を取り入れることが適切な事項について,大学の責任者が定期的に学生と意見交換する場を設け,その結果を,できるだけ大学運営に反映させるという方法が有効であると考えられる。
という指摘がある。

 以上についてはこのWeb日記でも何度か引用しているのだが、学生の意見や希望を反映させるというのは、簡単なようでなかなか難しい。

 1つは、「学生の意見や希望」といっても、関心の低い学生や、単位をとるためのエネルギーを最小限に抑えつつ趣味に没頭することを望む学生に希望を問うたところで、建設的な情報が得られるはずがない。学生の意見や希望を聴くシステムを発展させるためには、同時に、能動的な勉学の主体としての学生を育て、クリティカルな目を養うことが必要である。

 例は悪いかもしれないが、これは高級レストランの料理について意見を聴く場合も同様だ。料理について全く知識が無く、日頃、500円定食ばかり食べている学生に意見を聴いても、料理の中味を正当に評価することはできない。回答者の評価力水準を高める努力が同時に求められる。

 なお、念のため言っておくが、評価力の水準が低いからといって回答資格が無いというわけ決してない。高級レストランにおいても、基本的な接客態度、待ち時間、総合的な満足度のようなものは誰でも意見を述べることができる。大学の授業でも、いわゆる欠陥授業(=雑談が多い、教員が遅刻する、私語を制止しない、休講が多い、資料提示がヘタ...)の摘発をするだけなら、誰でもできる。また、そういう欠陥を無くすことは基本中の基本である。

 とはいえ、「学生の意見や希望」は利便性のレベルにとどまっていてはならない。もっと高いレベルの評価力を養う方策が必要である。次回に続く。