じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[写真] 農学部農場の梅が早くも開花となった。まだ一分咲き程度。過去日記を調べたところ、昨年は1月22日に開花の写真があった。花の開き方は今年のほうが少ないようだが、寒い冬の割にはそれほどのズレは無いようだ。


1月23日(木)

【ちょっと思ったこと】

がんになる人・ならない人/影響されやすい妻

 一日前の話題になるが、1/22のためしてガッテンでがんになる人・ならない人という話題を取り上げていた。番組サイトの解説にもある通り、「異物代謝酵素」が少ないとタバコを吸っても肺ガンになりにくいとか。といっても、「酵素なしの人」は20人に1人だというからあまり期待できない。それと「異物代謝酵素」だって別のところでは役に立つ働きをしているのではないかなあ。

 これより前のコーナーで、βカロテンとαカロテンの混合物(←最近は「カロチン」ではなく「カロテン」と呼ぶらしい)に、よくワカランがトマトに含まれるリコピンを混ぜた錠剤を摂取し続けると、肝硬変から肝臓がんへの移行が防止されるというデータが紹介された。βカロテンのみでは効果が無いという別のデータがあることからみても、これからは、要素的な効果ではなく、複合的な効果が試される時代ということになるのだろう。

[写真]  さて、翌日1/23の夕食にはチャンポンだった。それはよかったのだが、いつもと違って、やたらニンジンの量が多い。しかもこの時期には珍しいトマトまで買ってあった。毎度のことながら影響されやすい妻である。




火星と金星その後

 毎朝南東の空に見せる火星と金星の位置変化が面白い。1/14の日記では「金星を頂点とし、アンタレスと火星それぞれに繋がる辺を二等辺とする直角三角形を構成していた」と書いたが、10日後の1/24朝には、アンタレスを直角とし、火星を60度、金星を30度の角とする直角三角形に形を変えていた。このうち火星は、数日前まではさそりの頭部にあたる3つの星のうちの一番上の星のすぐ近くにあり、どこまで近付くのだろうと期待していたが、雨で一日見られなかったうちにすでに左方向に離れてしまっていた。火星や金星の動きがこれほど顕著に見えるのは、両惑星と明るい恒星をむすぶ三角形の変化としてとらえられるからだろう。惑星が1つと明るい恒星だけでは、形の変化ではなく見かけの距離の変化となるため、移動の大きさが実感しにくい。

【思ったこと】
_30123(木)[教育]多元的な成績評価と授業の出席率

 後期の授業もそろそろ終わりに近づいた。セメスター制のもとでは、原則として週1コマ15回の授業が2単位として認定される。但し、月曜祝日指定の影響もあって、15回目を迎える日は曜日によってマチマチである。私の場合、水曜日1コマ目の授業は1月22日ですでに終了、月曜日1コマ目の授業は、なんと2月10日まで続く。

 さて、少し前のことになるが、1998年10月26日の大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について―競争的環境の中で個性が輝く大学―」の中では、成績評価について次のようなことが強調されている。
学期末の試験のみでなく学生の授業への出席状況,宿題への対応状況,レポート等の提出状況等,日常の学生の授業への取組と成果を考慮して多元的な基準を設定することが望ましい。
 このような指針を受けて、私の担当する教養科目では、毎回シャトルカードを利用した小テストを実施しその書き込み内容を40%、期末の試験を60%の割合で成績評価に反映させることをシラバスに明記してある。従って、期末試験で満点をとっても、シャトルカードへの書き込みが全く無ければ60点すれすれで合格、現実的には満点は困難なので、これでは単位をとれないということになる。

 この出席重視の方針は受講生にどういう影響を与えたのだろうか。10回目の授業が終わった時点で、履修登録者の出席状況を調べてみた。これを棒グラフで表したのが、こちら、また円グラフで表したのがこちらである。

 円グラフから読みとれるように、おおむね4分の3の受講生は10回中7回以上出席している。これらの学生は、私の話をちゃんと聞き専用HPの資料にアクセスしてちゃんと復習していれば必ずよい成績が残せるはずだ。その反面、17.8%の学生は出席が5回以下となっている。今回は教科書を使っていないので、授業に出ずに内容を理解することはきわめて難しい。今後の人一倍の努力が無いと単位取得は困難だろう。

 棒グラフの分布を見ると、10回中10回出席という「皆勤賞」が最も多く、回数が少なくなるほど比率が減っている。これは良い傾向だと思う。2回以下は実質的には離脱者と考えられる。

 岡大では少し前から、履修登録の上限制が実施されるようになった。これにより、「他科目を落とした時のための保険をかけるつもりで」、「イヤになったらいつでもやめる」という安易な履修登録は激減した。にもかかわらず離脱者がゼロにならない理由はいろいろある。なかには8時40分の授業に間に合うように起きられないという学生もいるようだが、これは生活習慣の自律の問題だ。

 ここに挙げた授業以外でも、私は出席状況を厳しくチェックしている。必修科目であるにもかかわらず長期欠席をしている学生がいた場合にはアドバイザー教員に調査をお願いしている。カルト宗教活動の被害を受けている可能性もありうるので、出席状況の把握はその早期発見に役立つと思う。

 なお念のためお断りしておくが、出席重視といっても、教室に来て出席の証拠を示せばよいというものではない。上記の答申では
単位は教室における授業と事前に行う準備学習・復習を合わせて授与されるものであり,学生の自主的な学習が求められる。このため,教員には教室外の準備学習・復習の指示を与え学生に勉強させる務めがあるが,それが現実には十分果たされていないとの指摘がある。
というようにも指摘されている。改善されてきたとはいえ、まだまだ、予習・復習の指導を徹底していない教員が多く、上限制実施の趣旨どおりの教育が行われていない現状がある。今後のFDの最重要課題の1つとして位置づけていきたい。