じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 農学部農場の梅の花が咲き始めた。これから1カ月以上にわたって、いろいろな品種の花が楽しめる。





1月22日(火)

【ちょっと思ったこと】

「急増 一日契約で働く若者たち」
 月曜日夜に放送されたNHKクローズアップ現代(番組サイトはこちら)。全国で数十万人に上るといわれる“一日契約社員”の実態を取材したもの。ここでいう「一日契約」というのは建築現場などでの日々雇用とは異なり、あらかじめ人材サービス会社に登録されている若者が先方の要請の応じて派遣されるというもので、キャリアに応じてランク付けされており、一定の研修も行われている。

 正社員をパートタイムに、さらに、パートタイムを今回紹介されたような「一日契約社員」に置き換えていくことで、人件費削減と人事の効率化をはかろうということのようだが、終身雇用を基本として整備されてきた労働者の権利、年金、健康保険、福利厚生などのシステムでは対応しきれない面もあり、課題が多いように思われた。

 一部には「いろいろな仕事を体験して自分の適性をみつけたい」という若者も居るようだが、一日契約で任される仕事の内容がもともと限られている以上、いくらその中で多様な経験を積んだからといって、生涯の仕事選択の参考にはならないところもある。大学在籍時の就業体験制度を充実させ、具体的な努力目標になるような各種資格を拡充し、さらに、能動的な努力の質と量に応じて結果が伴うような労働環境を整備することが大切ではないかと思った。




変わる痴ほうの介護
 1/22に放送されたNHKクローズアップ現代(番組サイトはこちら)。笠岡市にある「きのこ老人保健施設」でのユニットケアの取り組みが紹介された。番組サイトにも記されているように、ユニットケアとは「施設の中を小さなユニットに分けて、スタッフがお年寄に寄り添い、一つの家族のように生活する」方式であり、具体的な成果が紹介されていた。

 1/18の日記や、こちらの論文でも論じたように、高齢者福祉の基本は、「何をしてあげるか」ではなく、対象者が「何かをするのを手伝う」ことにある。民間の施設の評価においても、建物の外観やインテリアなどみかけの贅沢さではなく、入所者の能動的な行動機会、および行動に対して適切な結果が随伴する機会がどれだけ整備されているのかが主要な基準になってくると思う。

 1/18の日記の「ふるさと発ドキュメント:いつまでも母らしく」の場合も、今回のユニットケアの場合にも思ったことだが、“共に暮らすケア”といっても、高齢者一人に対してスタッフが24時間相手をすることは不可能である。そんなことをしたら、スタッフ自身の独自の人生が無くなり、共依存のような状態になってしまう。今後ますます高齢者が増え、逆に少子化が進むことを考えるならば、若者と高齢者が共に暮らすということよりも、高齢者どうしが、それぞれの不自由な部分を補いながら、また、単に「遊び」のレベルの活動ではなく、体が動く時には、自活につながるような一定の労働にも参加しながら、ともに生活していくという形態を考えていくことも必要ではないかと思う。となると、要介護の程度に応じてお金を出すという行政だけでは不十分。働ける高齢者には労働の機会を保障し、自立的な生活を後押しするような施策も求められよう。




カルザイ議長の第一印象

 22時台のNHKニュースを英語副放送に切り替えてカルザイ議長のスピーチを聞いた。どこかで見かけたお顔だと思ったが、どうやら、ユル・ブリンナー氏がヒゲを生やしたお顔と取り違えたらしい。あるいは、髪型やヒゲの様子がレーニンにも似ているように見えた。パシュトゥン人とロシア人(ユル・ブリンナー氏はロシア・サハリン生まれ)は共通の先祖を持つのだろうか。経歴はよく存じ上げないのだが、どこであれほどの英語力を身につけたのか、気になるところだ。小泉首相との会談で「米を売って学校を建てる」話を聞いたというが、今のアフガンでは米のほうが大切ではないかなあ。あるいは、米が無くても小麦があればよいという意味か。それにしても最後に驚いたのは、まだ44歳だということ。私よりも5歳も若いではないか。外国の要人の方に失礼なことを言ってはいけないのだけれど、還暦を迎えたばかりの小泉さんと同じぐらいのお年だと思っていた。