じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
リンドウ。花屋でも売っているが、やはり野山に自然に咲くリンドウに優るものはない。 |
【ちょっと思ったこと】
拉致生存者の人生と、報道の役割 各種報道によれば、北朝鮮に拉致された人々のうち生存が確認されている5人が、15日14時すぎ、日本政府のチャーター機で東京・羽田空港に到着し、帰国した。タラップを降りる5人が胸に北朝鮮のバッチを付けていたのが少々気になったが、テレビや新聞をあまり見ていないのでどういう意味だったのかは分からない。 この件に関する私の意見は9月28日の日記、および10/4の日記に書いた通りであり、今も考えは変わっていない。特に10/4の日記に記した視点は重要ではないかと思うのだが、どのように展開していくのだろうか。 各種報道によれば、帰国した5人と家族らは同日夜、千代田区のホテルで記者会見したが、被害者家族連絡会などの要請を受け、報道各社からの質問は行われなかった。もっとも、当日午後から翌16日朝までの流れを見ていると、被害者家族たちはいろいろな番組に引っ張り出され、プライバシーも次々と公開されている。あんなことでは、生存者が家族と共に正式に帰国された時、果たして静かな生活が保障されるのか、いま北朝鮮でそれなりに約束されている仕事以上の働きがいが得られる場があるのか、疑問に思ってしまう。 もっとも、被害者家族たちにしてみても、「しばらくそっとしておいて」と言えない辛い状況がある。もともと、北朝鮮はもとより、日本政府にしても、拉致問題はなるべく早期に、あまり騒がれずに決着させたいという思惑があるに違いない。もし、報道各社がこの問題を取り上げなかったら、国民の関心も盛り上がらない。これまでもそうだったが、この問題は、国民が何も騒がない限りは、うやむやにされてしまう宿命をもっているのだ。そういう意味では、関係者の方々にはまことに気の毒ではあるけれど、すべてが解明されるまでは、なるべく多くの番組に出演され、生の声で訴えを続けていただくしか道はない。耐え難いことではあるとお察しするけれども。 |
【思ったこと】 _21015(火)[英語]大学生が間違いやすい英文和訳(3) 10/8の続きだが、連載のタイトルをこのように変更した。この連載の目的は、私が学生を指導する中で気づいた英文和訳のミスを備忘録がわりに記し、データベース化をめざすものである。今回は、2回目に、力試し第2弾として出題した ●別宮貞徳『翻訳の初歩〜英文和訳から翻訳へ〜』 ジャパン タイムズ 1980年. 地下鉄や郊外高速鉄道の役割と、それに関する変化を取り上げた「脱クルマ社会」が原典である。 ◆比較級は「ますます〜だ」というように述語的に訳せ
比較級であることに注意を払い、
◆主語に数量を表す形容語がついている時は、その部分を述語にするのも一案。
ほとんどない使用は、それゆえにラッシュ時間をのぞいた制度で成り立つだろう。/ほとんど使用せず、したがってシステムはラッシュアワーに関係なく...「Little use」を「ほとんどない使用は」などと訳したのでは日本語にならない。「あまり使われていない」と述語的に訳すべきだ。
あくまで素人的な発想だが、英語のは名詞的な表現を述語的に訳すとしっくりすることが多いのは、やはり「英語はモノ、日本語はコト」に由来しているように思う。英語の場合、対象はモノとして存在し形容される。それゆえ、上記の「use」までもがモノのように扱われてしまう。これに対して日本語では、全体の関係性の中で、あるコトが起こっている、つまりここでは「利用」というコトが起こっているというわけだ。 ◆「expect」は「期待」よりも「予期」、「予想」という意味で使われることが多い。
期待されるバス会社はこの文脈ではバス会社にとって良いことは「期待」されていない。ちなみに、少し前にアフガニスタンのカルザイ大統領暗殺未遂事件が起こった直後のインタビューで、同大統領は「私はこのようなことが起こるであろうと予想していた」という意味で「expect」を使っていた。正しい英語の使い手と言えるだろう。
|