じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] グラジオラス。6/18の日記に記したように、同じ花壇の黄色のグラジオラスはすでに花が終わっており、今度は手前の赤紫系、白、うすいピンク、うすい黄色(2色)が咲いている。2000年5月26日の日記で、同じ場所に植えられているマツバギクが、黄色→白→赤系統の順で咲くと書いたが、グラジオラスでも花色により開花がずれるということはあるのだろうか。ちなみに、手前の赤紫系の花には妙に懐かしさを感じる。子どもの頃、同じ色のグラジオラスを庭先で眺めていたためかもしれない。





7月3日(水)

【思ったこと】
_20703(水)[教育]公開授業初体験

 文学部ではこのほど、教授法開発を目的として、いくつかの授業を同僚教員に公開することを決めた。他教員の参観を認めている教員は学内でも何人か知られているが、学部のFD専門委員会の提案に基づき、制度的に実現させたのは今回が初めてのことである。

 とりあえず、学部長と各学科のFD専門委員の授業が公開されることとなったが、全学のFD専門委員長を拝命している私としてもこれに関わらないわけにはいかない。さっそく私も公開対象に加えてほしいと申し入れたところ、日程の関係で、公開授業第一号の授業に指定されてしまった。

 1コマ目の授業に参観に来る教員などおるまいと思っていたところ、学部長や学部のFD委員長など3名の教員がおいでになる。そのための特別の準備をしていなかったので 、逆に、普段のありのままの様子を見てもらうことができた。

 水曜日1コマ目の授業は、LL教室の大型スクリーンにパワーポイントやビデオなどを投影する形で行っている。

 この日はまず、「忙しさとは何か」や「時間と労働」の続き。前回の「時間デザイン」に関連して、フランスの35時間法施行の問題点や、内山節氏の独自の時間論を紹介した。

 ひきつづいて、いまNHKにんげんゆうゆうで紹介されているダウン症児の話題。障害児が米国にホームステイした時の体験を描いた映画「able」の監督さんの話をビデオで紹介。そこでは、抽象的な友情や信頼ではなく「具体的な行動を褒める」ことの意義が強調されたほか、今回の授業のテーマである「時間」に関連して、障害児における「できる」「できない」が、時間にとらわれるあまり「一定時間内にできる、できない」というように歪められている問題点が指摘されていた。また、障害児が「いまを生きる」ことを健常者以上に得意としている点も参考になった。

 50分ほどすぎた所で、次のテーマ「英語教育と行動分析」に入る。まず、シャトルカードを使って、受講生に「日本人が英語を苦手とする理由」を5行程度で書いてもらった。これは、当日の出席確認を兼ねている。

 次に、私自身が考える枠組みを
  1. 外国語であるための一般要因
    • 使う機会が少ない(→消去)
    • 正しい表現に修正されない(→分化強化等)
  2. 日本語の特殊性?
    • 英語は語順、日本語は助詞
    • 日本語は「コト」、英語は「モノ」
  3. 日本人の特殊性?
    • ネイティブと同じでないと恥ずかしい(→弱化)
    • 間違えると恥ずかしい(→弱化)
という形で示した(詳しくは授業専用サイト参照)。今回は、上記のうちの1.と2.まで進んだところで授業時間終了となった。

 教授法開発を目的とした授業参観という点から言えば、大型スクリーンに教材を提示する方式、必要に応じてリアルタイムにネットに接続して関連サイトを閲覧する方式が他の教員の参考になったのではないかと思う。

 授業後に寄せられた感想として、ノートをとっている学生があまり居ないという指摘があった。スクリーンのほうばかり集中していてノートをとる間が無いというのは、確かに、この方式の欠点ではある。ペーパーレスをモットーとしているので、パワーポイント配付資料も印刷していない。但し、毎週、授業終了直後に、授業で提示したファイルをWeb化したものをアップしているので、簡単なメモ書きさえ残しておけば、ネット上で十分に復習できるしくみにはなっている。

 文学部の公開授業(←本来、一般には公開されていないので「授業参観制度」と言うべきかもしれないが、いちおう公式には「公開授業」というタイトルでこれで案内されている)は、次回は金曜日に学部長の授業が対象にされている。緊急の会議が入らなければ、今度は私のほうから参観に出向く予定である。