じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 理学部の芝地でニワゼキショウの群落を見つけた。大学構内にはピンク系と白色系の2タイプの花が咲いているが、この群落はすべてピンク系で占められていた。





5月8日(水)

【ちょっと思ったこと】

5惑星の直列現象

 20時頃、大学から帰ろうとしたら北西の空に信じられないほど明るい光点が見えた。この方角には岡山空港があり、着陸前の飛行機のライトかと思ったがいっこうに動かない。もしやと思って家に戻ってから天文年鑑で確認したところ、マイナス4等級の明るさを誇る金星であった。

 ちなみに、いまの時期、肉眼で見えるすべての惑星が西の空に勢揃いという珍しい現象が起こっているという。地平線近くから順に、土星、火星、金星、木星。水星は5/4に東方最大離角となり月末までいっきに高度を下げる。また、5月11日には金星と火星が0度18分まで接近するというのも滅多に見られない現象だ。

 なお、3月から8月に西の空に見える惑星は北西側に大きく偏る。惑星は見かけ上、太陽と同じ黄道の近くを動くため、日没後の太陽に近い西空にあるほど北側に片寄るからである。




「到津の森」で檻に引きこもるチンパンジー

 5/9朝5時台のNHK「おはよう日本」によれば、北九州「到津の森」で飼育されているチンパンジーのケンが檻に引きこもり、広々とした野外飼育施設に出たがらないという。ケンは25〜26歳。比較的狭い檻で生まれた時から飼育されていたが、このたびの改装に伴い、広々とした新施設に移された。ところが、その環境に馴染めず、いったん園内に逃げ出して麻酔針で捕獲。その後、こんどは新飼育施設内のジャングルジムのような遊具のてっぺんから降りられなくなり、またまた麻酔針で救出。その後、檻の外の世界を怖がるようになり引きこもりを続けているとか。園では、スタッフとの信頼関係を作り、また餌を檻の外に置き棒でたぐり寄せて取らせるといった、(たぶん)能動的な働きかけを自発させる訓練を行っているという。

 動物園特有の異常行動については過去にもいろいろと報告されているが、今回のケースは、比較的高齢のチンパンジーが新しい生活環境に馴染めず狭い檻に引きこもってしまうという点で、どこか人間に通い合う部分があるように思える。昨日の日記で「鳥は鳥、獣は獣」ということを書いたが、人工的に育てられたチンパンジーの場合は、限りなく人間に近いところがある。チンパンジーのカウンセラーのお世話になるわけにはいかないが、行動療法主体に、何とかして適応をめざしてもらいたいものだ。

 ちなみに、この「到津の森」は妻の実家から車で10分ほどのところにある。かつては、西鉄系の遊園地兼動物園として親しまれていたところだが経営が悪化し、北九州市がこれを引き継いだ。自然環境を活かし、ゆったりとした環境で動物を飼育する施設に改装し、この春に再スタートしたところである。義父によれば、4月26日までは入園無料ということでたくさんの人が押しかけたものの、その後大人800円の入園料をとるようになってからはあまり話題にのぼらなくなった。同じお金を出すなら、響灘緑地・グリーンパークで、カンガルー、ウォンバット、イグアナなどを間近に見ながら花を眺めたほうが楽しい。

 いろいろなアイデアを検討された上での再スタートであったとは思うが、いずれ、大幅な赤字を出す恐れもある。その際の改善策として、この地域で少子高齢化が進んでいることに考慮し、アニマルセラピーと園芸療法を主体とした高齢者福祉施設を建設、その一部を一般市民に無料公開などというアイデアもあってもよいかと思う。