じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 彼岸の入り。私の住んでいるアパートは東西方向がピッタリになるように造られているので、春分の日までは南側のベランダから、春分の日以降は北側の階段から日の入りを眺めることになる。写真は、南側のベランダからぎりぎりで眺められる夕日。





3月18日(月)

【ちょっと思ったこと】

夫婦で彗星を眺める

 3/18は寒気の南下で昼前に雨、その後最大瞬間風速22mの強風が吹いたが夕刻にはおさまり快晴となった。アパート下の広場から夫婦で池谷・張彗星を眺めた。月齢4.4の月明かりの影響があり必ずしも万全とは言えなかったが、妻も何とか眺められたようだ。夫婦で見られてよかったよかった。

 3/13に比べるとだいぶ尾が長くなっているようで、プレヤデスの対角線ぐらいの長さがあった。空気の澄んだところだったら、さらに長く見えていたに違いない。





交通安全協会追徴課税

 3/19朝のNHKニュースによれば、警察庁所管団体である全日本交通安全協会が、経費に見せかけて4億7000万円をプールし警察との懇親の費用に使っていたとして、およそ1億円の追徴課税措置を受けたという。交通安全協会と言えば、自動車免許更新の際、窓口で制服警察官から「免許費用とは別に、交通安全協会費として○○○○円をいただくことになっています」などと言われて、断り切れないような雰囲気のなかで会費を払っている人も多いのではないかと思う。その会費の一部が使われたのか、講習会で配られる印刷物の経費の一部が使われたのかは定かではないが、何とも腹立たしい限りだ。

 3/19の朝日新聞ではたまたま、交通取締りをしていた金沢東署員が警察官のスピード違反を見逃したなどとして略式起訴されたという記事があった。スピード違反を摘発して反則切符を切ろうとしたところ、当事者が金沢中署員であると分かって、「誤記」として処理し見逃したとされる事件であるが、どちらも、外向きには交通ルールを守ろうなどと言っておきながら、身内では公然とごまかしをしているという点で断じて許せない行為である。

 今年はちょうど免許更新の年にあたる。窓口で交通安全協会費の納入を求められた時には、わざと、フロア全体に聞こえるような大声で、「交通安全協会っていうのは、今年3月に、経費をごまかして飲み食いに使ったために1億円の追徴課税を受けた団体ではありませんか。私が払うお金の一部もそのために使われるのですか。」と、皮肉を言ってやろうかと思っている。

【思ったこと】
_20318(月)[心理]第11回エコマネー・トーク(9)紙のお金と、通帳型と、ポイント管理のどれがよいか

 エコマネーやり取りの形態としては
  1. 印刷された紙幣型のエコマネーを実際に受け渡す
  2. 利用者が自ら、「金額」や「収支」を「通帳」に記入する
  3. ネット上でポイント管理する
という3方式が行われていると聞く。前回の第10回エコマネー・トークの参加報告の中で、この件に関して
エコマネーは、ネット上の数値の増減では表現できない。ちゃんとデザインした紙幣のように、物理的媒体でやりとりすることが大切。
と記したことがあった。理由は、その直後に、タンジブル(tangible)な結果を随伴させることが、生身の人間の直接的な交流を強化する上で最も効果的であると考えたからである。

 この点から言うと3.は、効率はよいかもしれないが、数値の変化だけでは具体的な結果は見えてこない。サービスを受けたことに感謝しながら、紙幣のように形のあるものを直接手渡してこそ、効果があるのではないだろうか。少なくとも行動分析の知見からはそのように推測できる。




 では2.はどうなのだろうか。通帳型は具体的な受け渡しが無いため、1.より効果が少ないのではないかと思っていたが、最近ではむしろ、通帳型のほうが、やり取りの内容を記録していくという点で累積的な価値があり、自分探しや自己実現にも役立つと考えるようになってきた。

 昨年末に連載した「地域通貨とエコマネー」の12/5の記事の中で私は
地域通貨の紹介番組で、いくつかの地域では、紙幣型ではなく通帳型で「取引」をしている地域がいくつかあることに気づいた。交流だけを前提にするならば紙幣型のほうが優れていると思われるのだが、なぜだろうか。おそらく、記録がもたらす「累積価値」を高める効果があるように思えるのだがいかがだろうか。いろいろなアルバイトの収入が記帳されている通帳は、残高がゼロであってもそれ自体大切な宝物となる。これと同じように思われる。
と書いたのは、まさにこのことを意味している。使わなければ意味が無いのだから、通帳の残高は常にゼロに近い。しかし、通帳は、やり取りが重ねられるごとに、記録行数が増えているという点で累積効果がある。千姫プロジェクトの資料の中に
第1次実験 千姫大賞:表彰は「やり取り件数」で〜千姫は貯めてもほめられない 高所得よりむしろ利用回数
という記載があったが、利用回数というのはまさに通帳の記帳行数に反映するのだ。




 さらに、3/5の日記に記したように、エコマネー「千姫」は
  1. 「できますよ」登録効果:自分に会える、自分探し、自己開示
  2. 人の輪効果「つなぐ」:日常知り合えない人との交流
  3. 振り込み効果「あらわす」:自己実現、認められ、感謝される喜び、感謝を表せる喜び
という3つの効果をもたらすと主張されている。通帳に取引内容を具体的に記しておけば、「自分が何ができるか」、「何を求められたか」、「どういう人から求められたか」、「何をしたか」、「何をしてもらったか」、などが記録に残ることによって、自分の得意とするジャンル、これから開拓すべきリパートリー、交流の質の変化などが分かってくるだろう。これは大学教育でよく使われる「ポートフォリオ型自己育成」と相通ずるところがある。[ポートフォリオについては例えば昨年2月17日の日記の後半部分を参照されたい]。

 今回のトークでは、「千姫プロジェクト」や「どんぐり倶楽部」に参加した学生たちが感想を述べるコーナーがあったが、このように、参加者個々人が何を体験したのか、どう変わったのかを知ることはたいへん大事ではないかと思う。そのさい、エコマネー発行量や流通量がコミュニティ全体の活性化指標となる一方、通帳に記された交流記録は、構成員個々人の自己実現指標として重要な役割を果たすはずだ。

 なお、上記で、ネット上でポイント管理はあまり推奨されないように書いたが、ネット上であっても、これらの取引内容が具体的に記録に残るならば同様となる。但し、いつでも記載内容を閲覧できることが肝要かと思う。