じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 芙蓉の実。ドライフラワーのようにも見える。





1月8日(火)

【ちょっと思ったこと】

高校サッカーと高校野球

 全国高校サッカー第80回大会で長崎県の国見高校が3-1で岐阜工を下し、2大会連続5度目の優勝を遂げたという。高校スポーツ界では、昨年末の女子高校駅伝での諫早高校優勝のほか、私が住んでいた長与町にある北陽台高校の名前も耳にしたことがある。いずれもごく普通の公立高校であって、県外や外国からの留学とか、特別のスカウト活動はやっていないはずだ。そういう中での全国制覇にはなかなかできることではない。心から拍手を送りたいと思う。

 ところでこの高校サッカーだが、1/8の21時台のNHKニュースでは、取り上げられなかった。放送時間が短いこともあったのだろうが、ヤクルトの石井選手の入札話のほうがニュース性があったようだ。観客の動員数、新聞やテレビの取り上げ方、Web日記で取り上げられる数などみても、高校野球ほどの人気の盛り上がりがないように思えるのは私だけだろうか。

 この夏には韓国と共同でサッカーのワールドカップが開催されるというが、サッカーというスポーツそのものの面白さが期待されているのであれば、高校サッカーがもっとブームになってもよいはずだ。そうでないとすると、ワールドカップはもっぱら、経済効果や政治目的だけから期待されることになり、終了後の「バブル」崩壊が確実に起こることになるだろう。
【思ったこと】
_20108(火)[TV]プロジェクトXの得手不得手

 NHKプロジェクトX「あさま山荘 衝撃の鉄球作戦」の第二部を視た。この事件は1972年2月に起こった、連合赤軍による人質事件であり、今からちょうど30年前のことである。当時私は大学の2回生であり、京都の下宿の大家さんの茶の間で人質救出の様子を見ていた記憶があり、人質となった女性の苗字もちゃんと覚えていた。殉職者2名を出すような銃撃戦がテレビを通じて生中継されたという点でも異様であった。

 当時のことは詳しくは覚えていないが、たしか、犯人グループは妙義山中で凄惨なリンチ殺人事件を起こしたあと二手に分かれて逃亡し、1グループは信越線の駅にいるところを「あまりにも臭い」のに気づかれて捕まり、もう1グループがこの山荘で人質事件を起こしたのではなかったかと記憶している。「総括」というのが今と異なる意味で使われていた時代だった。

 番組は異例の二部構成になっていたようだが、少々冗長ではないかという気がした。それと、コンスタンチン君の番組の時にも書いたが、初めから具体的目標(例えば「救出」)があり、そのために必要な手段も大枠で決まっているような「プロジェクト」では、主人公がはっきりせず個人の努力の度合いがぼやけてしまうという点で感動が少ないように思える。今回の番組でも、鉄球クレーンを操作した重機オペレーターの兄弟の行動は、技の披露ではあるが、その技を身につけた努力のプロセスが示されていない。御本人たちも言われていたように、何十cm単位の精密さで鉄球をうちつける技というのは日常の建設現場でも要求されているものであって、あの場所で奇跡が起こったわけではない。400mの谷底から水をくみ上げ、救出直前の放水作業に大活躍した消防士の行動も、どの部分が本人の努力の成果なのかが分かりにくかった。

 コンスタンチン君の番組の時にも書いたように、「プロジェクトX」のような番組は、そのプロジェクトに関与するかどうかに自発性があるという条件のもとで
いくつかの選択肢のうちの1つが選ばれるプロセス、そこで発揮される創造性、マネができないほどの努力
が描かれている場合に感動を与えることができるのではないかと思う。反面、使命が定まっている中での「決死の勇気」、「一か八かの決断」、「技の披露」といったものは、現場の映像が記録されていないと伝わりにくいものだ。その埋め合わせをするために映画やTVドラマのようなフィクションが必要になってくるのだろう。

 余談だが、放水作業に活躍した消防士は、当時はまだ19歳だったという。私と同じ歳ではないか。事件そのものよりも、30年という時間の流れが印象づけられた番組であった。