じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

1月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真] 今年初めてのチューリップ。娘の作品。ほかにデルフィニウムなど。



1月25日(木)

【思ったこと】
_10125(木)[教育]21世紀の大学教育(3)カリキュラムに求められる大学の教育力(3)授業評価からカリキュラム改善へ/「授業のためのアンケート」なのか「アンケートをするための授業」なのか?

 昨日の日記の続き。本日は4番目の「授業評価からカリキュラム改善へ」という提題について、感想を簡単に述べたいと思う。

 話題提供をされたのは大学評価の中枢におられる方、司会は授業ウォッチングの研究で新聞やテレビでも紹介されたことのある方、ということで、今回の研修の中でも最も注目を集めた提題でもあった。

 もっとも私の場合、すでに学内の講演会や他の研修を通じてこの問題についてはかなりの情報を集めていたため、失礼ながら、それほどの新鮮味は感じられなかった。

 そんななか、
授業評価はPDS(plan→do→see)ではなくPDCAサイクル(plan→do→check→act)として行わなければならない。seeが目的ではなく、actの部分をもっと意識すべき。
という御指摘はもっともであると思った。このほか、「授業評価に関するFAQ」という資料も配付された。大学内で大いに活用できそうだ。

 翌日の全体討論のさい、昨年12/26の日記に記した「授業評価内容に見られる日米の差?」を引き合いに出して質問してみた。趣旨は、
  • カリフォルニア大学の場合は授業アンケートの回答選択肢は、「1. strongly disagree」、「2. disagree」、「3. neither disagree nor agree」、「4. agree」、「5. strongly agree」という5段階評定および、「0. not applicable」という6択方式となっていた。日本のように「あなたはどう感じたか」というような主観を問う聞き方はしていない。
  • カリフォルニア大学の場合は評価内容が、「Instructor evaluation」、「Course evaluation」、「TA evaluation」というように分類されている。日本ではこれらの区別が曖昧ではないか。
というものであったが、「日本でもいろいろな授業評価がおこなわれており一概には言えません」と受け流されてしまった。時間がなかったので、私のほうもそれ以上の発言は控えた。

 これは他の話題提供の際に語られたことであるが、日本の大学で行われている授業評価アンケートは大部分が東海大かICUがモデルになっているという。このほか、「画一的な外面評価に意味があるのか」、「ペーパーワークで大学教育は変わるのか」といった疑問も出された。




 ここからは私個人の日常生活の話題。一般教養関係の試験期間に入る関係で、1年次生向けの必修専門科目の授業が一足早く最終回となった。

 最終回の授業では、全学で実施しているマークカード型の「授業アンケート」を実施することになっているのだが、今回はこれに加えて、文学部FD委員会が独自に作成した記述式のアンケート用紙、さらに全学の別の委員会経由で配布された高校・大学教育の連続性を調べるためのアンケート用紙(高校で教わった理科、社会科目と大学教育とのギャップを調べる調査)を同時に配布することになった。提出日がずれているとはいえ、最終回に3種類ものアンケートを依頼したのでは、「授業のためのアンケート」なのか「アンケートをするための授業」なのか、なんだか分からなくなってしまいそう。

 もっともこういう問題は来年度からは解消される見込みだ。もともと、授業時間内のアンケート実施には消極的(あるいは否定的)な教員も多いし、学生側からはアンケートばかりとらされているという苦情も出てくる。来年度からは、
  • 学生が事務室の回収箱に自主的にカードを投入する。
  • どの科目を対象とするかは学生の自由(裏を返せば全科目が対象となる)。
  • 多重回答を防止するために各自の学生番号もマークする。
  • 担当教員にフィードバックする際には回答者の個人情報は伝わらないような処理を行う。
といった方式になる見込み。いずれにせよ、学生による授業評価は、回答の負担を最小限にすることを前提にしつつ、なるべく多様で広範囲に行われるべきもの。マークカードだけに絞ってアリバイ的に実施しても形骸化してしまう。その一方で「アンケートなど無意味」と主張する教員もおられるが、それならそれでどういう別の方法があるのか積極的に提言してもらいたいものだと思う。
【ちょっと思ったこと】

一芸?に秀でた大学教員

 夕食時に「TVチャンピオン:ラーメン王選手権」を見た。チャンピオンになったのは東大助教授のS氏。現役の国立大教員がこの種の選手権で優勝したというのはあまり記憶にない。何はともあれ、専門分野と全く違うところで特技があるというのはスゴイものだ。

 私のような者でも何か特技があるだろうか。もう少し若い時だったら、数列の記憶とか神経衰弱選手権でもやれば結構自信があったのだが、今となってはもはや老化の一途をたどるのみ。花の名前当ては結構詳しいほうだと思うけれどもプロの花屋さんにはかなわない。そのほかにできることと言ったら、ラットの腹腔内注射スピード選手権(10分間に何匹のラットに注射できるか)とか、犬撫で(見知らぬ犬と仲良くなってなで回す)、アナグラム解き(バラバラにした平仮名や英文字を並び替えて元の単語を作る)ぐらいのものか。

 「Web日記執筆の継続性・規則性選手権」なんていうのがあれば、けっこう決勝戦に残れるのではないかと思う。「文章力選手権」では予選で落ちてしまうけれど。