じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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【カナリア諸島その10】エキウムの群生 今回のカナリア諸島旅行の目的の1つは、エキウムの群生に出会うことであった。群生の規模は小さかったが、写真上段、写真中段にあるように赤と薄紫の2種類両方を眺めることができて満足であった。 ちなみに薄紫色のエキウムは2019年5月とその翌年に半田山植物園で展示されていたが、2021年以降は姿を消している。スタッフさんに、エキウム1鉢の購入価格を尋ねたところ、購入したのではなく他の植物園施設と希少植物を交換する形で入手していたとのことであった。 ということで、今後も交換のチャンスがあればまた目にすることができるはずだ。なおネットで検索したところ、『エキウム・ウィルドプレッティ』は1株3580円で売られており【例えばこちら】、その気になれば自分でも育てることができそう。庭があれば100株購入して35万8000円、今回の旅行費用より遙かに安い。 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 「アニメの登場人物の髪の毛の色」と「性格」の固定的類型化/心理学は性格を理解する学問ではない 昨日に続いて、6月6日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
放送によるとアニメには現実的ではない色々な色の髪の毛のキャラクターが出てくる。その一例として『ひみつのアイプリ』や『青のオーケストラ』、『アニメ 科学×冒険サバイバル!』、『アニメ 忍たま乱太郎』が紹介されていた。もっとも最近毎回観ている『アニメーション紀行「マルコ・ポーロの冒険」』や、たまに観る『ドラえもん』、『笑ゥせぇるすまん』、さらに『君たちはどう生きるか』などの映画のいずれにおいても、主要登場人物の髪の毛はみな真っ黒または黒に近い色であり、この放送で提示された「なぜ髪の毛の色がいろいろ?」というのがそもそも疑問として成立するのかが分からなかった。 それはそれとして放送では、「子どもに一目で性格を分かってほしかったから。」が正解であると説明された。アニメ文化について研究している須川亜紀子さん(横浜国立大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
ここからは私の感想・考察を述べる。 まず、キャラクターは、髪の毛ではなく肌の色で区別することも可能。しかし肌の色では人種差別の恐れが出てくるため細心の配慮が必要である。『セサミストリート』などでカラフルな色が使われているのも特定の肌の色と性格を結びつけないための配慮だと聞いたことがある。なお余談だが、最近セサミストリートの番組が放送されなくなったと思っていたところ、リンク先で ●制作プロダクションであるセサミワークショップが幼児向け教育番組としての日本版の共同制作を要望したが、NHK側はアメリカ制作のオリジナル版の放送を継続したいということで折り合いがつかなくなり、2004年4月3日のシーズン33 第4026話「亀のシーモア(A turtle wanders into Big Bird's nest)」をもってNHKでの放送を終了した。 とのこと。但し別番組でセサミストリートのキャラクターが出演することは今でもあるという。 元の話題に戻るが、肌の色と異なり髪の毛の色は自由に染められるので、若い世代はもちろん、高齢者のファッションにもなっている。生まれつきの金髪と黒髪をステレオタイプ化することは肌の色と同じで差別につながるが、何色に染めるかということは何色の服を着るのかと同じであり、目くじらを立ててあれこれ議論するほどのことは無いかもしれない。 もっとも、 ●初めてそのアニメを見た子どもでも何となく性格がイメージできてキャラクターを見分けられるように、色々な髪の毛の色を使うようになった。 という制作手法についてはかなり異論がある。というのは、子どもが他の人に接する際に大切なことは、 ●どんな人にも良い面と悪い面がある。また人の行動は環境や文脈によって大きく変わる。「あの人はこういう性格だ」と決めつけるのではなく、柔軟かつ多面的に相手の特徴を理解すること、 であり、いくらアニメであるからといって、固定的類型化を促すような対人理解は好ましくない。髪の毛の色によるステレオタイプ化の影響を受けることで、相手に対する一面的な見方、あるいは偏見が形成されてしまう恐れがある。もちろん創作である以上、キャラクターはある程度一貫し、整合性があり【←気まぐれというのも1つの整合性】、それなりの魅力がないと作品として面白くなくなってしまう恐れもあるが。 ところで長期にわたって制作されている作品、あるいはTVアニメと別に劇場版が作られるような場合では、キャラクターの「性格」が変化することがある。例えば、
あと、『ドラえもん』に出てくるしずかちゃんは、当初はのび太のイジメに加担していたとか、アメリカ版ドラえもんでは、アメリカ人の好みに合わせて、もっと活発で自己主張の強いキャラとして描かれていたという話もある。 同じ『ドラえもん』のジャイアン(剛田武)の場合はさらに複雑で、 ●同級生に暴行したり漫画・オモチャなどを奪ったりするなど、乱暴な性格の持ち主であり、作中ではのび太やその周囲の子供たちへのいじめが多い。その反面、他人想いで義理固く涙もろい一面もある。短編では前者、劇場版では後者の性格が強調されることが多い。 とされているが、最近たまに観るTVアニメでは後者の性格に近づいてきているように思われる。 最後にもう1つ、心理学はしばしば人間の性格を理解する学問だと言われるが、私の考えは以下の通り。 ●心理学は、世間で「性格」と呼ばれている特徴が必ずしも行動の原因ではないこと、人間の行動的特徴はそんな固定的なものではなく、環境や文脈の中で大きく変わることを明らかにし、これをもって人間を多面的に理解することをめざす学問である。 |