じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



05月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。



 5月12日から20日まで参加したカナリア諸島ツアーのマップ。訪れたのは3つの島のみ。数字は出発日=1としたときの日にち。

2025年05月21日(水)




【小さな話題】花のカナリア諸島自然紀行/『ぬくもり』

 5月12日から20日まで、表記のツアーに参加した。以下はその私的メモ【必要に応じて追記予定】。
  1. 感想
     ひとくちで言えば楽しかった。これまでの旅行の中ではTop10には入るかと思う。

  2. 移動時間
     海外旅行としては、かなりの長時間となった。乗り継ぎの待ち時間を含めると、
    • 往路は1日目の23時45分発、到着は日本時間で3日目の4時25分(現地時間で20時25分)。空港間だけで合計28時間であった。自宅からホテルまでの合計時間となるとさらに10時間プラスで38時間。
    • 帰路は8日目の朝5時にホテル発(日本時間で13時発)、到着は9日目の17時15分着なので、合計27時間。自宅までとなると、津山線の待ち時間が50分あったことを含めて合計31時間。
     これだけの長時間移動に耐えられるのは、私の年齢ではあと1〜2年に限られそう。

  3. 時差
     カナリア諸島と日本との時差は8時間。但し、往路は西回りということもあり、観光初日にはたっぷり睡眠ができていた。帰路は機上からの眺めを楽しんだこともあって物理的には睡眠時間不足になっていたはずだが、帰宅日は22時就寝、帰宅翌日は5時半起床ということでたっぷり睡眠がとれた。

  4. 天候
     毎日ほぼ快晴。雨に降られたのは7日目の溶岩洞窟観光の時間帯のみ。洞窟内部の観光なので雨の影響はなかった。
     テイデ山(3718m)の山頂直下散策の時も快晴。また、それぞれの島の各所から海越しに他の島が見えていた。

     なお、現地の気温は15℃〜25℃程度。日本では5月17日頃から暑い日が続き、特に帰国時の5月20日には最高気温31.2℃の真夏日になるなど、カナリア諸島よりはかなり蒸し暑い状態になっていた。

  5. 宿泊
     この旅行社催行のツアーの中では最もレベルの高いホテルに宿泊した(テネリフェ島2連泊プラス 1泊。ゴメラ島3連泊)。いずれもバスタブ付きで、毎日、寝る前と起床後に入浴できた。

  6. Wi-Fi
     ホテルのほか、乗り継ぎを含めた全空港で無料のWi-Fi接続ができた。LINEによる家族への報告のほか、X(旧ツイッター)に旅行先の写真を掲載することができた。

  7. 健康状態(便通、排尿)
     旅行先で苦労するのが便通(便秘、下痢など)と、トイレ休憩に合わせた排尿であるが、今回は非常にうまくコントロールできた。
     便通については現地時間の起床時に1回。排尿は指定されたトイレ休憩サイクルに合わせることができた。なお、 中央アジアの乾燥地帯と異なり、このカナリア諸島では青空トイレは御法度になっている。

  8. 外国為替レート、支出
     関空で約5120円分(5ユーロ札6枚、1ユーロ約170円)に換えたが、殆ど使わなかった。ホテルの枕銭は小銭が無かったので払わず。もっとも枕銭を置いた人によれば結局受け取ってもらえなかったという。
     土産は以下の通り。クレジットカードで払おうとしたが、一部のスーパーではカードがうまく読めず現金で支払った。
    • 塩田で採れた塩 中瓶1本 4.6ユーロ
    • 塩田で採れた塩 小瓶4本 0.59×4
    • アロエクリーム2ケース 1.5ユーロ×2
    • ドライフルーツ2袋 クルミ 0.91×2
    • ドライフルーツ イチジク1袋 2.99


  9. 撮影枚数
     9日間で1355枚。
     デジカメのバッテリーは6枚携行し、毎日、ホテルで充電した。
    【追記】スマホで撮影した写真が他に114枚あったので合計1469枚。

  10. 総歩数
     80390歩。1日あたり8932歩。毎日ウォーキングコースを歩いたり、空港での移動などがあり、歩数は日常生活時の目安7000歩を上回った。

  11. 日本のニュース

     ホテル室内にはテレビがあったが一度もスイッチを入れなかった。
     ホテルや空港ではネットに接続ができていたので、とりあえずNHKニュースや経済指標などには目を通していたが、幸い大きな事件は無かったようだ。このほか大相撲の中継動画を見ていた。

  12. 金融資産の変化
     帰国前と帰国後に算出したところ、帰国後のほうが0.95%増えていた。但し旅行代金はクレジット決済のため、まだ引かれていない。

  13. 機内での会話

     帰路、マドリードからドバイに向かう飛行機では、隣の席の男女がロシア語で喋っていたので、あなた方はロシア人ですかと尋ねたところ、ウクライナですという。さっそく「私はスーツケースにかけるベルトを青と黄色にしてウクライナを応援していますと言ったところ、実はウクライナ人といっても先祖はタタール人ということで現在はドバイ在住。必ずしも自国ウクライナを支持しているわけではなさそうな話しぶりだった。
     なお今のドバイはロシア人やウクライナ人の富裕層で賑わっているという話もある。出身国が戦争をしていても、ドバイでは衝突はないらしい。武器を取って戦っている兵士たちに比べると何をやっているんだという気もするが、観光を楽しんでいるロシア人やウクライナ人のほうが遙かに平和的とも言える。

     同じく帰路、ドバイから関空に向かう機内では隣の38歳の独身女性と少しだけ会話した。起業を目ざしていて、けっこう有名な人らしい。
     起業や将来については時々ChatGPにも相談しているという。しかしあまり懇意になりすぎると、ChatGPTさえあれば、結婚しなくても済みそうな気配。
     なお、ご自身が独身を続けていることが話題になったので、私は、このツアーに参加している時にたまたま、人生で最も価値があり最終目的とも言える4文字語を思いついた。それは「ぬ×××」という4文字語だが、何だか分かりますかと尋ねたところ、即座に「ぬくもり」と答えていただいた【↓の記事参照】。この方が私の『ぬくもり理論』の1番目の理解者となった。
     ちなみに、帰国後、妻に「旅行中、人生で最も大切な4文字語を思いついた。その話、聞きたい?」と尋ねたところ、「聞きたくありません」とあっさり断られてしまった。なので今のところ私の『ぬくもり理論』の理解者は1名様のみとなっている。





 気づいた点、ちょっと思ったことは以下の通り。
  1. 最高の風景
     カナリア諸島の景色も良かったが、ドバイ発関空行きの機上から眺めたカラコルム上空の風景は生涯最高の絶景であった。前回同じ便に乗った時は左の窓際に座ったため、フンザの山々を眺めることができたので、今回は右側の窓際を希望。期待通り、間近にナンガパルバットが見えたほか、遙か遠くに他の山々より際立って高い尖った三角形が見えていた。おそらくこれがK2であろうと思われた。これで人生で一度は見たい機上風景は完結したといってもよい。

  2. 外国人観光客
     現地では私たち以外のアジア系観光客(中国、韓国など)と遭遇したことが一度も無かった。理由は不明。日本人を見なかった理由も不明。そのぶん、外国に来ているということが実感できた。

  3. 物価
     驚くほど高かった。マドリードの空港では、パック詰めの握り寿司が29.5ユーロ(日本円で約5100円)、コカコーラのボトルが1本3.5ユーロ(日本円で約595円)などとなっていた。往路は夕食が無かったので、マドリードの空港で必要に応じて購入することになっていたが、ペットボトル飲料1本とサンドウィッチ1包みを買った人は2100円かかったと言っていた。私は機内食の時に食べなかったパンなどで空腹を満たした。

  4. 道路標識

     4月22日で取り上げた「赤い円に人」の標識を各所で見かけた(高速道路に入口、トンネル入口など)。
     このほか、頂点が下向きで中は空白の赤い三角形、頂点が上向きで中に人が描かれた赤い三角形などを見かけた。こちらによれば、前者は「譲れ」や「一時停止」を予告する標識、後者はこの先に横断歩道ありという予告であり、いずれも警戒標識に分類されていることが分かった。
     なお横断歩道では車は必ず停止してくれた。車優先の中国、パキスタンあたりに比べると運転者のマナーは格段に良かった。

  5. 落書き
     スイス、ギリシャ、ブラジルなどでは街角の至るところに落書きがあったが、カナリア諸島では皆無ではないもののきわめて少なかった。

  6. エキウム
     今回の旅行の目的の1つは野生のエキウムの群生を見ることであった。エキウムは"https://plaza.rakuten.co.jp/hasep2004/diary/201905080000/">22019年5月に半田山植物園で展示されており、翌年5月にも「引退」後の花を眺めることができていたが、やはり本場は株数が多かった。真紅色のエキウム・ウィルドプレッティ(Echium wildpretii)と、半田山植物園で展示されたことのあるエキウム・ウィルドプレッティ トリコシフォンの両方を見ることができた。
     もっとも、天空のモウズイカのような山の斜面一面に広がるほどの規模ではなく、ビジターセンター等の入口付近、道路沿いの日当たりのよい場所などで数株〜数十株程度が見られる程度。この花だけを目当てにツアーに参加するというのであればオススメできない程度の規模であった。

  7. 時計合わせ
     時計合わせで2つ、失敗があった。
    • カナリア諸島と日本との時差は8時間。マドリードと日本の時差は7時間。スマホではネットに繋ぐことで自動的に現地時刻に修正されるはずだったが、私のスマホではカナリア諸島到着後もマドリード時間のままだった。そのため、最初の日の朝食の時刻の1時間前から誰も居ないロビーで待つことになり、時差を正しくセットした腕時計の時刻を見てようやくその間違いに気づいた。なおスマホがマドリード時間に自動的に設定されてしまう現象は他の方数名でも起こっていた。
    • ドバイと日本との時差は5時間。マドリードと日本との時差は7時間だったので、マドリードからドバイに着いたあと時計を2時間進めたつもりになっていた。ところが私の腕時計では、ボタンを1回押すごとに1時間進む場合のほか、地域によって1回押すと1時間ではなく30分だけ早まる場合があり、この影響でドバイの時差は日本の5時間半前の時刻に設定されてしまった。そのことに気づかず、あやうく搭乗時刻に間に合わなくなるところだった。


  8. 『ぬくもり』
     今回のツアーの参加者はほぼ全員が60歳代以上、半数以上は私より年上であった。夫婦参加のほか、既婚だが一人参加【私も含まれる】、独身者となっていた。
     旅行中、ふと、高齢の男女を繋いでいるのは何か?ということを考えていた時に『ぬくもり』という言葉が浮かんだ。若者の男女を結びつけるのはおそらく、将来の人生設計への夢と、生物学的な欲求(性欲)であろうと思われるが、高齢者の場合は将来といっても数年〜10年程度で死んでしまうし、性的な機能は年々衰えてくる。それでもなお男女を結びつけるものは何か?と考えていたところこの言葉が浮かんだ。
     ところが、まことに奇妙なことに、時々この言葉がなんであったのか浮かばなくなる。最後は「もり」だったが、「○×もり」の○×に入る文字が思い出せない。確か「○」は、「な行」か「マ行」だったはずだと思って「なあもり」、「ないもり」、「なうもり」、...というように順番に文字を入れていっても正解にたどり着けない。やっとのことで○に入るのが「ぬ」、×は「く」であると思い出せても、またすぐ出てこなくなる。何とも不思議な言葉である。
     『ぬくもり』は赤ちゃんがこの世界に生まれた時から始まる。恋愛が発展すれば『ぬくもり』を与え合うことになるが、若い男女の場合は、性的な満足感に覆い隠されて真のぬくもりに到達することができない。しかし、高齢になって性的機能が衰退しても『ぬくもり』は失われることがない。おそらく、男女間の愛の最終的な到達点はその『ぬくもり』にあるのではないかと思う。【親子間も同様。性的マイノリティの人たちについては私には分からない】
     高齢の男女を結びつけるものとしてはしばしば「精神的な愛」が挙げられるが、私はそんなものは無いという考えに傾いている。そんな、理屈っぽいというか、理屈に支えられたものでは、理屈に矛盾が生じた時点ですぐに破綻してしまう。そういう理屈ではなく、単に一緒に過ごした時に実感される『ぬくもり』こそが生物学的に裏付けられた人生の最終目的ではないだろうか。
     男女の間の性的な関係は、繁殖という生物的な裏付けのある当然の欲望であるが、『ぬくもり』はこれとは別物。性的な関係を深めれば深めるほど『ぬくもり』が強まるというわけでは必ずしもない。むしろ、性的な快感を除去し尽くした時にこそ、真のぬくもりが得られるのではないか、というのが現時点での結論。
     もっとも、『ぬくもり』は相手が居ない限りは達成できない【但し、ペットの犬や猫、ぬいぐるみを抱っこしたときにも多少は感じることができる】。ちなみに、結婚は社会的関係を含んでおり、現代社会では一夫一妻が原則であり、不倫や集団での乱交などは社会的には認められていない。但し、それは絶対悪ではない。その社会が必要としている子孫の再生産、世代間の支えに必要な家族構成として一夫一妻が最も都合がよいからこそ、それに反する関係は咎められるのである。これに対して、『ぬくもり』は別段、何かの弊害をもたらすものではないので、夫婦間(恋人間)、家族間ばかりでなく、それ以外の複数の相手との間でも実感できる可能性がある。といっても現実には、【男女間の場合は】性的な関係と切り離すことは困難なので、「ボクにぬくもりを与えてください」などと申し出ると、変態扱いされてしまう恐れが大きい。


 なお現地で撮影した写真は、楽天版に掲載予定【いま連載しているボリビア・アンデスのアルバムが終わり次第】。