じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



04月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。



 半田山植物園のハーブ園には2本のカイノキがあり、晩秋に美しく紅葉する。カイノキは雌雄異株であるが、今の時期、これらの2本はいずれも大量の雄花をつけていることから雄株であると確認できる。
 なお、岡大の時計台脇にあるカイノキはいずれも雌株となっている。
 雄株と雌株はどちらも子孫を増やすためには必要であるが、紅葉観賞という目的から言えば、雌株は秋にたくさんの実をつけるため鮮やかさにイマイチ欠けるという難点がある。



2024年4月15日(月)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「野球のユニフォームに横じまが無い理由」についての胡散臭い説明

 昨日に続いて、4月12日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 本日は、
  1. ささいなことで好きな気持ちが冷めるのはなぜ?
  2. 野球のユニフォームに横じまがないのはなぜ?
  3. 緑色じゃないのになぜグリーン車?
という3つの話題のうち、2..について考察する。

 さて、ユニフォームの縞模様の話題は、以前にもチコちゃんで取り上げられたことがあるような気がしたが、過去日記を調べたところ、

2023年6月24日:日本のラグビーのユニフォームにボーダー柄が多いのはなぜ?

というように、ラグビーの縞柄であったことが分かった。でもって、その時に正解とされたのは「慶應義塾大学がタイガーカラーにしたら部員が増えたから」であった。
ラグビーが誕生した1800年代のユニフォームは、イングランドは白、ウェールズは赤、オーストラリアは金色、南アフリカは緑、ニュージーランドは黒というように単色であった。いっぽう日本では1899年に慶應義塾大学の英語講師E.B.クラークが生徒にラグビーを教えたことが始まり。しかし当時のユニフォームはは黒1色で学生に不人気だったと伝えられている。1903年に黒と黄色のボーダー柄に変更された。この虎柄のデザインはプリンストン大学のエンブレムが参考にされた。ボーダーに変更すると入部希望者が倍増したという。その後ラグビー部を作った大学がカレッジカラーのボーダー柄を採用し2色のボーダーが広まった。じっさい、早稲田大、明治大、法政大、同志社大などもカレッジカラーに対応したボーダー柄になっている。
とのことであり、少々疑問点が残るものの、どうやらこれが通説になっているようだ。では、野球のユニフォームの場合はどうだろうか?

 放送では、野球のユニフォームに横じまがないのは「囚人のイメージが強かったから」が正解であると説明された。服飾史研究家の辻元よしふみさん&ナレーションによれば、
  1. 日本のプロ野球は12球団あるが横じまユニフォームはひとつもない。メジャーリーグでも縦じまはあるが横じまはない。
  2. 野球に初めてユニフォームが登場したのは19世紀のアメリカ・ニューヨーク。それまでの野球にはユニフォームの概念はなく私服でやっていた。
  3. 初めて統一のユニフォームを導入したのが野球の基礎ルールを作った現代野球の父であるアレクサンダー・カートライト。世界で初めて導入されたのがニューヨーク・ニッカボッカーズの青のズボンに白いシャツというユニフォームであった。彼らは麦わら帽子も被ってプレーしていた。ニッカボッカーズは地元の消防団員で結成された野球チームだった。ズボンは普段使っていた消防士の制服を参考にしたデザインだといわれている。普段からお揃いの制服を着ていたことから野球チームもおそろいにしたという。
  4. 1888年には当時の紳士服のトレンドだった縦じまを初めて取り入れたユニフォームが登場。
  5. 1915年にはニューヨーク・ヤンキースが縦じまを採用。
  6. アメリカでは、そのいっぽう、1980年ごろまで横じまの囚人服が使われていて横じまには囚人のイメージが強かったためユニフォームには採用されなかった。囚人服が横じまなのは脱走したときに目立つという見た目の理由がある。
  7. もう1つ、中世ヨーロッパの時代から横じまは不吉なものとされていた、という大事な理由がある。旧約聖書『レビ記19章』の中に「二種の糸の交ぜ織りの衣服を身に着けてはならない」という記述があり、しま模様を着ているだけで悪魔や魔女と疑われ処刑される人もいた。その結果しま模様の服は犯罪者・死刑囚などが着る洋服と定着した。
  8. 当初は縦じまも横じまも嫌われていたが縦じまは1789年のフランス革命をきっかけに評価が変わった。中心にいたのが革命家のマクシミリアン・ロベスピエール。縦じまのコートを着て市民を率いて革命を成功させた。さらに革命後、青・白・赤の縦じまのフランス国旗になり自由の象徴として親しまれた。フランス革命成功のおかげで縦じまの評価が急上昇したが、横じまは囚人服などに使われ続け悪いイメージのままであった。
  9. このほか、某プロ野球関係者の話によれば、プロ野球球団関係者によると「横じまユニフォームだとピッチャーが投げるときストライクゾーンがわかりやすなりピッチャーに非常に有利になる」とのこと。番組で社会人野球チームの協力を得てその可能性を検証してもらったが、ストライクの取りやすさについては、横じまのユニフォームのほうが少ない投球で三振がとれたという結果にはなったが、これはあまりにもサンプルが少なく、都合のいいように数値を出しているだけで実証できていないように思われた。但し、審判からはも横じまは目安があるので高さの判定がしやすいという声があり、ベイスターズの山崎投手からも、横にラインがひいてあるとストライクのイメージがつけられ、ストライクが取りやすい、四球は減るのではないかというような話があった。


 ここからは私の感想・考察になるが、上に挙げられた6.までの説明はほぼ納得できるものであったが、7.と8.についてはかなり胡散臭いところがある。
 もし、横じまが不吉ということが定着していたのであれば、服の模様ばかりでなく、国旗の模様でも横じまが避けられるはずだが、アメリカ合衆国の国旗をはじめ、ヨーロッパ諸国の中でも横縞のデザインになっている国旗はたくさんある(ギリシャ、オーストリア、オランダ、ルクセンブルク、ハンガリーなど)。野球にはあまり関係の無さそうなフランス国旗だけを取り上げて縦じまのイメージが急上昇したというのはこじつけであるように思われる。

 次に、外国で横縞のユニフォームに悪いイメージがあったとしても、文化の異なる日本でそれに従うべき理由はどこにもない。じっさい、ラグビーのユニフォームの縞柄は日本で独自にデザインされ好感を得たということなので、なぜ日本国内の野球のユニフォームに横縞が避けられたのかということを、外国の囚人服や旧約聖書の記述だけで説明するのは無理があるように思う。

 上掲の引用の中で説得力がありそうなのは、最後の9.である。実は私も、最初に浮かんだ答えは「横じまのユニフォームでは、ピッチャーの投球の高低のコントロールの手がかりになりやすいから」ということであった。実証されたわけではないが、そのようなデメリットが完全に否定されない限り、わざわざお金をかけて横じまユニフォームに変更する球団はまずあるまいと思う。

 次回に続く。