じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 龍ノ口グリーンシャワーの森で見かけたハグロトンボ。色に光らないのでメスと思われる。登山道を歩いていると、まるで道案内をするかのようにハグロトンボが近くの道脇に止まることがあるが、そーっと近づいてカメラを向けようとすぐ飛び立ってしまってなかなか接写できない。
 なお近縁種にアオハダトンボがあるが、写真の個体は大きさや翅の形などからハグロトンボの可能性が高いように思われる。

2023年8月6日(日)





【連載】チコちゃんに叱られる!「水田はいいことずくめ」「ICチップによる支払いと、お金とは何か」
 昨日に続いて、8月4日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、残りの2.と3.について考察する。
  1. 「都会の人が冷たい」のはなぜ?
  2. 田んぼに水を張っているのはなぜ?
  3. ICカードをピッとするだけでお金が払えるのはなぜ?
という3つの話題が取り上げられた。

 まず2.の田んぼに水を張る理由であるが、私自身はこれまで、雑草の生育を抑えるためだと思っていた。岡大の農場の田んぼなどを見ても気づくことだが、水を張る前の田んぼには多数の外来の雑草が繁茂している。これらはトラクターで掘り起こされて除草できるとはいえ、雨が降るとまたまた次の雑草の芽が出てくる。といって除草剤をまけば、イネ科以外に有効とは言っても稲の生育に何らかの悪影響が出る恐れがある。田んぼに水を張れば、湿地に適応した雑草以外は芽を出すことができない。
 いっぽう放送では、「いいことずくめだから」が正解とされた。上地由朗さん(東京農業大学)によれば、「いいこと」の内容は、
  1. イネを寒さから守る:日本ではイネはおおむね5月に植え始められるが、それから穂が出るまでの2〜3カ月は気温25℃以上がよいとされている。極端に寒い日があった時に、水が張ってあれば寒さを防げる。水を張るとかえって寒くなるように思われがちであるが、日中に温まった水は夜になっても水温約25℃をキープできる。
  2. 畑に比べて雑草が出にくい:水を張ると土の中に酸素が入らなくなるので多くの雑草は生育できない。イネの茎には管のような特殊な構造がありそこから根に酸素を送り込むことができるので、水を張っても生育できる。
  3. 栄養豊富な土になる:一般に田んぼの水は山から湧き出た川の水であり、窒素・リン酸・ミネラルなど肥料となる成分を含む。そのため、毎年、同じ土地で栽培することができる。
  4. 真夏の暑さを和らげる
  5. 雨水が一時的に田んぼにとどまることで洪水を防ぐ。急激に地下水が増えることなく土砂崩れを防ぐ。
となっていた。
 ちなみには、日本には水を張らなくても育つ『陸稲』があるが、上記のような理由から殆どは水田で育てているという。

 ここからは私の感想になるが、『陸稲』は小学校の頃にも習ったことがあり、山梨県の親戚の家でも育てているのを見たことがあった。
 今回の放送では全く触れられていなかったが、イネの栽培に関してはなぜ田植えが必要なのかという疑問もある。これについては、おそらく、
  • 直まきでは雑草が繁茂しやすい。田植えにすれば雑草を除去したあとで植え付けられる。
  • 直まきでは発芽がまばらとなり、等間隔に育てることができない。
  • イネの発芽は高温にならないと発芽しないので、直まきでは遅くなりすぎる。ビニールをかけた苗代で発芽させれば時期を早めることができる。
といった理由であろうと思っていた。念のためBingに尋ねたところ、
イネを育てる際には、田植えをしたほうがよい理由はいくつかあります。例えば、
- 田植えは**稲の生産性**や**収穫の安定性**を高めます2。
- 田植えは**水の保温効果**で稲を寒さから守ります?。
- 田植えは**養分の供給**や**連作障害の防止**に役立ちます?。
- 田植えは**雑草の発生**を抑えます?。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。
1: [稲作 - Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E4%BD%9C)
?: [田んぼに水を溜める効果 | 苗の成長と田植え | お米ができるまで | クボタ田んぼ](https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/rice/planting/function.html)

(1) 稲作 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E4%BD%9C.
(2) 田んぼに水を溜める効果 | 苗の成長と田植え | お米ができる .... https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/rice/planting/function.html.
(3) 稲作 - Wikipedia. https://bing.com/search?q=%e3%82%a4%e3%83%8d%e3%81%ae%e7%94%b0%e6%a4%8d%e3%81%88%e3%81%ae%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%88.
(4) 稲を手植えすることで得られる意外な効果とは? | 熊本自然 .... https://kumamoto-shizen-kome.com/field/index-3886.html.
(5) イネ 「そだててみよう」:農林水産省. https://www.maff.go.jp/j/agri_school/a_tanken/ine/04.html.
という回答をいただいた。また、田植えをしている地域としていない地域について尋ねたところ、
世界の稲作地域で田植えをしている地域と田植えをしていない地域は、以下のようになります。

- 田植えをしている地域は、**アジア**、**アフリカ**、**南米**、**北米**の一部です31。
- 田植えをしていない地域は、**ヨーロッパ**、**オーストラリア**、**北米**の大部分です23。

1: [世界の稲作 | UNIPHOTO PRESS ユニフォトプレス](https://www.uniphoto.co.jp/special/rice/)
2: [欧米圏における稲作の歴史と現状 - J-STAGE](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsidre1965/54/11/54_11_1001/_pdf/-char/ja)
3: [稲作 - Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E4%BD%9C)

他に何か知りたいことはありますか???

(1) 稲作 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E4%BD%9C.
(2) 世界の稲作 | UNIPHOTO PRESS ユニフォトプレス. https://www.uniphoto.co.jp/special/rice/.
(3) 欧米圏における稲作の歴史と現状 - J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsidre1965/54/11/54_11_1001/_pdf/-char/ja.
(4) お米のはなし - JAICAF. https://www.jaicaf.or.jp/fileadmin/user_upload/publications/FY2018/okome_190118.pdf.
という回答をいただいた。




 最後の4.「ICカードをピッとするだけでお金が払えるのはなぜ?」については、放送では「金なんてなんでもいいから」が正解とされた。
 高木久史さん(大阪経済大学)によれば、お金は皆が使っているという信用で価値が成立している。たとえ国が価値を約束したとしても信用が無ければ成立しない。いっぽう、紙切れに「たかぎ券1000円」と書いただけでも当事者間で信用があれば紙幣と同等に使える。
 ICカードはお金を貯めたというデータを記録し、鉄道会社がお金が減る代わりにサービスが利用できることを約束していて、消費者が信用していることによって成立している。データをお金として使える例は昔からあり、銀行の振り込みは銀行側が口座残高のデータを書き換えるだけで実際にお金を運んでいる訳ではない。その際に銀行側が打ち込まれたデータを入金するという約束に対し信用することで成立している。
 ICカードは改札にかざすことで、タッチする場所作られている磁場により、磁力線を通して改札機から乗った駅のデータが記録される。その後降りる駅の改札でタッチすることで、乗った駅の情報を読み取り、運賃を計算してICカードから引かれるという仕組み。但しJR東日本では今年からセンターサーバー方式を導入している。この場合は、改札機はネットワークで繋がれており、運賃計算はサーバーで行われる。この方法により、運賃割引などのサービスが実現する可能性があるという。

 ここからは私の感想になるが、放送で説明された内容は、お金の交換価値に関するものであった。いっぽう、もともと提示された疑問のほうは、

●現金の支払いではなく、なぜICカードをかざすだけで支払いができるのか?

という点にあったように思う。高木久史さんの話は、お金とはどういうものか?についての説明であり、的が外れているように思われた。ということでBingに、「ICカードをピッとするだけでお金が払えるのはなぜですか?」と尋ねたところ、質問者の真意をちゃんとくみ取ってくれて、
ICカードは、半導体チップとアンテナを内蔵したカードで、リーダライタと電波で通信してデータをやりとりします。ICカードには、メモリだけのものと、CPUもあるものがあります。CPUがあると、カード内で情報処理ができます。123?
ICカードをピッとすると、リーダライタがカードのデータを読み取って、残高や利用履歴などを確認します。そして、支払い金額を引いたり、ポイントを加算したりして、カードのデータを更新します。?

(1) ICカードとは?(技術編)|自動認識の技術情報|デンソーウェーブ. https://www.denso-wave.com/ja/adcd/fundamental/ic_card/ic_card_tec/index.html.
(2) ICカードの基礎知識|JAISA 一般社団法人 日本自動認識 .... https://www.jaisa.or.jp/action/card/document.php.
(3) 第3回 ICカードとセキュリティ. https://www.bcm.co.jp/site/security/security2-3.pdf.
(4) ICカード - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/IC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89.
(5) 実は超小型&高性能のコンピューターだった!? 身近な存在だ .... https://www.dnp.co.jp/media/detail/10160887_1563.html
という適確な回答をいただいた。

 ICカードやその関連で私自身が疑問に思っているのは、
  1. 施設の入口で通行証をかざすだけで、ゲートが開く仕組みがある。そのやりとりは、電波、磁気、赤外線のうちどの方法で行われているのか?
  2. 図書館の出口で、貸出手続をしていない本を外に持ち出そうとするとゲートが閉まって出られなくなる仕組みがある。それらの本には磁気テープのようなものが貼り付けられているが、貸出手続をする前とした後では磁気テープにどういう変化が起こっているのだろうか?
といった点であった。これを機械にBingに尋ねてみたところ、1.については、
通行証をかざすだけでゲートが開く仕組みは、通行証に内蔵された**ICチップ**と、ゲートに設置された**DSRC路側装置**との間で**電波**で通信しています。2
通行証のICチップには、固有のIDが記録されており、それをDSRC路側装置が読み取って識別します。2 識別した情報に基づいて、ゲートの開閉や料金の徴収などが行われます。3
磁気や赤外線ではなく電波を使うことで、天候に左右されずに高速で正確な通信が可能になります。2

(1) ETCで車両識別(比較:車番認識・ナンバープレート認識、IC .... https://www.furuno.com/jp/dsrc/etc/.
(2) 高速道路営業規則 第2章 料金所ゲートの通行の方法等 .... https://www.e-nexco.co.jp/company/law_ordinance/covnants/regulation/section2.html.
(3) 事前雨量規制における「ゲート無人化」の試行 - 国土交通省 .... https://www.cbr.mlit.go.jp/kikaku/2020kannai/pdf/re08.pdf.
という回答をいただいた。
 また2.については、
図書館の出口でゲートが閉まる仕組みは、**磁気を利用した図書館資料の亡失防止システム**と呼ばれます23。図書館資料に**磁気テープ**や**ICタグ**を貼り付けておき、貸出手続をしないで資料を図書館外に持ち出そうとすると、出入り口などに設置された**磁気探知装置**が作動し、ブザーやゲートが反応するようになっています23。
貸出手続の際には、**ブックチェックユニット**により磁気を消去し、返却時に再び磁気を帯びさせることで、ゲートが作動しないようにします2。つまり、貸出手続をする前は磁気テープに磁気があり、した後は磁気がなくなるという変化が起こっているのです。

2: [ブックディテクションシステム(ぶっくでぃてくしょんしすてむ)とは - コトバンク](https://kotobank.jp/word/%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0-374048)
3: [ブックディテクションシステム - Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0)

(1) ブックディテクションシステム(ぶっくでぃてくしょんしすてむ .... https://kotobank.jp/word/%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0-374048.
(2) ブックディテクションシステム - Wikipedia. 【リンク先のURLは長大なので省略】
(4) 既設図書館におけるICタグの導入 - J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/49/3/49_3_113/_pdf/-char/ja.
という回答をいただいた。

 なお、高木久史さんの「お金」の話は、信用貨幣についての一般的な内容であったが、そもそもなぜ人々はお金を使ったりお金を稼いだりするのか、というところまでは説明していない。これについては、2013年3月30日の日記などで取り上げたことがあり、一口で言えば、「お金とは、自分のために他人を動かすツール」ということだ。お金が通用するのは、
  • 限られた資源(食物、土地、建物、道具など)のうちの一部を占有できるという機能。
  • 他人からサービスを受けるための契約書としての機能。これも、ある意味では、相手の生活時間の一部を自分のために占有する、という機能。
という機能があればこそであって、この条件を満たさない場所、たとえば、
  • 共同生活をしていて、お金以外の方法で互助ができている集団、家族など
  • 資源が制限されていない場合。例えば空気(但し高所での酸素ボンベは別)
などでは、いくら信用があって交換価値が保証されていてもお金は何の役にも立たない。