じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 おかやまケンコー大作戦の一環として、バーチャルウォーキングラリー〜目指せ京都!あるく東海道五十三次〜という企画が始まった。おかやまケンコー大作戦は「1日4,000歩以上で1ポイント、6,000歩以上で3ポイント、8,000歩以上で7ポイント」などの基準で歩数ポイントが付与されているが、これとは別に、東京日本橋から東海道を歩いて京都を目ざすというイベントが4月15日から開始されたものである。ゴールまで到達しても、わずか10ポイントの奨励ポイントが付与されるだけだが、日々のウォーキングで五十三次をどこまで歩けるのかが具体的に分かり、やり甲斐が出てきた。
 4月15日から18日までの合計歩数は3万5990歩となっており、554位/13533人、平塚宿まで到達と表示されていた。それにしても、岡山市内で13553人もの多くの人たちがケンコー大作戦に参加しているというのはスゴい。

2021年4月19日(月)



【連載】#チコちゃんに叱られる!「ハッシュタグの起源」/アスタリスクかスターマークか?

 昨日に続いて、4月16日に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。

 本日は、
  1. なぜお玉を「お玉」という?
  2. 男の人にヒゲが生えるのはなぜ?
  3. SNSで見かける「#」この記号ってなに?
という3つの疑問のうち、3.について考察する。

 この「#」については、2018年12月21日放送の「チコの部屋」でも取り上げられており【2019年1月9日1月10日に関連記事あり】、一瞬、制作者が過去に取り上げていたことをすっかり忘れて同じネタを再掲したのかと思ったが、今回の説明内容は全く異なっていた。
 2018年12月21日の放送内容は、TV出た藏にしっかりと記録されており、
...また電話の「#」を「シャープ」と答えた高橋ひとみ。実際は「井桁/スクエア」で、チコちゃんに叱られた。さらにスターマークを「米印」と答え、再びチコちゃんに叱られた。スターマークは「アスタリスク」と読む。
というように、「#」の読み方についてのクイズであった。

 今回の放送では、「#」は「もともとは重さのポンド」であると説明された。天笠先生(筑波大学)によれば、「#」は、「シャープ」と呼ぶ人も多いが、コンピュータの世界では、「ハッシュ」あるいは「ナンバーサイン」と呼ぶ人がいます」とのことであったが、2018年12月21日放送の時に紹介された「井桁」あるいは「スクエア」という呼び方【ウィキペディアの番号記号の項目を参照】については全く言及されなかった。但し、番組で説明された内容は、ウィキペディアの、
...14世紀頃、古代ローマで重さの記号として使われていた lb に横棒を引いたものが、手書きのためだんだんと崩れて今の形になったと言われている。日本ではこの記号の代わりにヌメロ (numero, No.) を使って「ナンバー」と読むのが一般的である。
米国では前述の由来通り質量のポンドを表すのにも使われ、その場合は「パウンド」と読まれる。北米以外の英語圏では「hash(ハッシュ)」と読まれることがあるが、これは「切り刻む」という意味である。これら以外の読み方も存在する。また、素数階乗を表す記号でもある。
押しボタン式電話機には、数字に加えて # と Sextile-symbol.svg(スターマーク) のボタンが置かれ、特殊な用途に使われる。
という記述とほぼ一致していた。ま、「#」という記号自体は「いげた」、「ばんごうきごう」、「ナンバーサイン」と呼び、SNS上に限って、「ハッシュタグ」と呼ぶのが妥当かと思うが、「しゃーぷ」との混同、もしくは便宜的な呼称がこれだけ定着してしまった中では、「しゃーぷ」と呼ばれた時に「じつはそれは♯ではなく#なんだよ」などと訂正を求めても、博識ぶった爺さんが変なことを言っているぞくらいにしか受け止められないかも知れないが。

 さて、番組によれば、「#」は、電話機が回転ダイヤル式からプッシュ式になった時、短縮ダイヤル機能を表す記号として搭載された。
 SNS上での「#」は、2007年8月24日に、Chris Messinaさんが、「how do you feel about using # (pound) for groups. As in #barcamp [msg]?」とツイートしたのが最初であるとされており、今回、ご本人が番組にオンライン出演しておられた。

 なお、ウィキペディアからリンクされているこちらの記事に、「#」の歴史についてより詳細な記事がある。それによれば、
  • プッシュ式電話機のボタンの配列は、プッシュホン電話を開発した米AT&T子会社のベル研究所で検討された。「#」や「スターマーク」が採用されたのは、コンピュータがこれらの記号を識別可能で、標準的なQWERTYキーボードに採用されていたから。
  • Chris Messinaさんは、スマホ以外の携帯電話からでも入力できるような記号として、プッシュホンのボタンに採用されている「スターマーク」と「#」という2つの記号のうち、後者を選んだ。
  • Chris Messinaさんが提唱する以前にもWeb上では「#」は使われており、あるいツイッターユーザーが「ハッシュタグ」という呼びこれが定着【誰が最初にこう呼んだのかは不明だが、タグという概念は確かに以前よりあったので、受け入れやすい呼称であったとは思う】。
  • 2007年10月。ウェブ開発者のNate Ritterさんがサンディエゴの山火事の状況をツイッターで実況。Ritterさんは最初は「サンディエゴの火事(San Diego Fire)」とツイートしていたが、この表記は検索しづらいものであり、ハッシュタグ創始者のChrisさんからの提案により、「#sandiegofire」を使用。これにより、他の人々が火事の状況をツイッターで確認することができるようになった。
という経緯があったようだ【上掲は、長谷川により一部省略・改変あり】。

 ちなみに、私の使っているATOK2017では、「しゃーぷ」と入力すると「♯」、「いげた」と入力すると「#」にすぐ変換できるが、「はっしゅ」あるいは「はっしゅたぐ」では「#」には変換されない【2018年以降のATOKについては不明】。IMEも同様であった。ま、通常は、キーボードの「3」とシフトキーを同時に押せば「#」が簡単に入力できるので(半角の#も同様)、いちいち読みを入れて漢字変換することは、まずないが。

 余談だが、プッシュホンのもう1つのボタンスターマークは、×と−を組み合わせた記号であって、アスタリスク(*)とは異なる。多くの文字コードには存在せず、Unicodeにも長らく存在しなかったが、Unicode 5.1で使用可能となったというが、これまた、混同が多い。上掲の説明の中で、Chris Messinaさんは、「スターマーク」と「#」という2つの記号のうち、偶然に後者を選んだというようにも受け取られそうだが[]、前者の文字コードに存在しなかったスターマークが選ばれることは当初から考えられなかったように思う。
追記]。番組の中で、Chris Messinaさんは、「でもなんでこの記号「#」だったんですか?」というNHKスタッフの問いに対して、「スマホの記号といえば、電話と一緒で「#」か「*(アスタリスク)」しかないし、「#」はコンピュータプログラムでも番号記号として使っていたから、なんとなく「#」を選んだんだ」と答えていた。そのさい画面右下に写っていたスマホの数字・文字入力画面(テンキーモード)では、左下のボタンはスターマークではなく「*」になっていた。
しかし、そのあと、天笠先生が「最初に使った人が「#」じゃなくて「「*(アスタリスク)」を使っていたら、今頃は「アスタリスクタグ」になっていたかもしれないです。」と言っておられた時に左下に写っていたキーボード画面は、実際はアスタリスクではなく、スターマークになっていた。【↓の写真参照】


ネットでスマホの各種キーボード画面も調べてみたが、左下のボタンはマチマチであり、「*」や「★」になっている場合もあり、必ずしも、プッシュホン発売当時のスターマークは使われていないようである。