じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 岡大構内では、ソメイヨシノの落花がさかんになる一方、新緑が見頃となってきた。写真はマスカットユニオン2階からガラス越しにながめるケヤキ。


2019年4月10日(水)



【小さな話題】映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』

 4月7日にBS日テレで放送していた表記の映画を録画・再生で観た。VFXが巧みで、夫婦の絆を描いた感動作品であった。

 2006年8月28日の日記に書いたように、私は学生時代にたまたま読んだ「レモンティーのみた夢」以来、西岸良平氏の『夕焼けの詩』を拝読するようになり、古本屋で購入した単行本を数十冊保有しているが、この『鎌倉ものがたり』は発表時期が1984年2月以降とずっと後になってからであり、この時期の私はすでに結婚していてマンガを全く読まなくなっていたため、そういう作品があること自体全く知らなかった。もっとも、映画そのものは、原作者よりも、同じ西岸良平作品を映画化した「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴の特徴がよく表れているように思えた。

 映画については絶賛する声があるいっぽう、冒頭10分で観るのを止めたとか、亜紀子のキャラクターに馴染めないという声もあるようだ。私はどちらかと絶賛派であるが、妻に勧めたところ「前に観たがショボい内容だった」という素っ気ない返事であった。ま、この作品に限らず、どんな名作でも、それを絶賛する人もいるし、全く気に入らないという人もいる。一定の割合の人たちにインパクトを与えればそれでよいと思う。【そう言えば少し前に、人気作と言われる『世界の中心で、愛をさけぶ』という映画を放送していたが、私にはなんだかストーリーがさっぱり分からず、冒頭10分で観るのを止めてしまった。】

 でもって本作品のほうだが、前半部分が退屈という批判については、私はあまりそういう印象を持たなかった。後半のストーリーにちゃんとつながる内容であり、この映画ではあまり関係の無さそうな鎌倉警察署・心霊課への捜査協力のシーンも、後半の亜紀子探しにつながっている以上は省略できなかったと思う。

 亜紀子のキャラクターについては賛否両論あるようだが、私は、高畑充希さんが演じていることこそがこの映画の魅力であって、他の女優さん、例えば、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの堀北真希さんが演じたとしてもミスマッチな雰囲気になっていたことは間違いない。

 もう1つ、この映画に登場している何組かの夫婦のことが気になる、物語が回収しきれていないというような声もあるようだ。このあたりは、「ALWAYS 三丁目の夕日」同様に、続編が制作されれば徐々に回収されていくものとは思う【原作はそういうストリーにはなっていなかったと思われるが、そもそも「ALWAYS 三丁目の夕日」の映画だって、原作とは登場人物が一部異なるし、ストーリーも全然違っていた。

 映画の後半に出てくる黄泉の国は、明らかに「アバター」のパンドラと同一の武陵源・張家界であったが、木造の家が何層にもつながっている所は鳳凰県、また三途の川はナイアガラの滝が取り入れられているところが、旅行好きの私にとってはたまらない魅力である。私自身は無宗教であり、黄泉の国も転生も一切信じていないが、もし本当にこういう風景の黄泉の国があったとしたら、ぜひとも死後に暮らしてみたいと思った。