じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 生協食堂のメニューに「シーフードのフォー」というのがあった。「フォー」の意味が全く分からなかったが、とにかく注文したところ、うどんのようなものが出てきた。テーブルの上に、フォーを紹介したプレートがあり、フォーとは「米で作られているきしめんのように平たい麺」という説明があった。しかし、私は「米国で作られている麺」であると勘違いして、そうか、アメリカでもこういう麺があるのかと感心ながら食べたが、あとでネットで調べたところベトナム料理の平たい米粉麺であると判明。そういえば、バンコクの空港内で似たようなものを食べたことがあるが、タイの麺はフォーではありません。クイティアオです!だそうだ。


2017年6月20日(月)


【思ったこと】
170620(月)ガラパゴスの生物大進化


 夕食時、

BSプレミアム 体感!グレートネイチャー「火山が生んだ”生物大進化”〜ガラパゴス諸島〜」

の一部を視た。

 ガラパゴスに、トゲオイグアナに近い祖先から分岐して進化したガラパゴスリクイグアナとガラパゴスウミイグアナが生息しているということはある程度知っていたが、高画質の映像でじっさいにその生態を目にしたのは今回が初めてであった。番組でも説明されていたように、これらのイグアナは、かつて中米付近に生息していたが、何らかの事情(←マダガスカルの動物と同様、何かにつかまって流れ着いた?)で食糧資源の乏しい火山島であるガラパゴスで暮らすようになった。その結果、火山の頂上や火口付近で繁殖するようになったリクイグアナと、海に潜って海藻を食べるウミイグアナが生まれた。

 番組で特に興味深かったのは、産卵期になるとリクイグアナが急峻な火山を登って、頂上付近や、断崖絶壁を降りた火口に巣穴を掘って卵を産むことである。そのような場所には地熱があり、孵卵に適しているという。リクイグアナが、頂上に地熱があることや孵卵に有利であるということを知っていてそのような行動をするとは考えられない。たまたま、地熱のある場所で生き残ったイグアナが世代を超えてこのような習性を継承していると思われるが、姿形ばかりでなく、行動が進化しているという点は興味深い。

 一方、ウミイグアナも異様である。海の中を泳ぐさまはまさに魚人そのものである。こちらのほうも、潜ったり、海面で呼吸したりしやすい体型になっているほか、岩にしがみついて海藻を食べられるように、尖った爪をつけていた。

 6月12日6月19日の日記に引用したように、系統発生においては、
  1. ある特徴が有利となるような環境要因の存続。
  2. 変異は、少なくとも部分的には遺伝的変異であること。
  3. 異なる種の間の競争。

という3つの要因が必要であるとされる。火山島のガラパゴスでは、1.は十分すぎるほどある。3.の異なる種間の競争は、番組ではあまり説明されていなかったが、リクイグアナの赤ちゃんを狙う猛禽類、ウミイグアナが生息する海岸や海中での餌の奪い合いなどの競争はありうるはずだ。もっとも、食糧資源がもともと限られている中では、過酷な環境そのものが自然選択の主要な要因になっているようにも思われる。(食料資源が豊富にある環境では競争が重要な役割を果たすが、食糧資源が乏しい環境では、過酷な環境自体が自然選択をもたらし、異なる種間の競争は必ずしも必要としない?)

 残る2.については謎が多い。上記のリクイグアナの産卵行動については特別の説明は無かった。おそらく、ウミガメが特定の海岸で産卵したり、サケが遡上する行動と同じようなメカニズムが働いているものと思われるが、山頂で産卵できなかった「負け組」が崖っぷちを降りて火口近くで産卵する行動はどう説明できるだろうか。

 ガラパゴスというとガラパゴス化(ガラパゴス現象)という言葉が浮かぶが、ガラパゴスの動物たちは決して天敵の少ない環境で安住しているわけではない。世界でも最も厳しい環境の中で生き延びた勝ち組の世界であるとも言える。小惑星などが地球に衝突して大規模な気候変動が起こった時、人類を含む殆どの動物は死滅するだろうが、リクイグアナとウミイグアナは生き残り、世界中で繁殖する時代が来るかもしれない。
次回に続く。