じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 10月18日に記した「ダイヤモンド備前富士現象」だが、その後あいにく曇りの朝が続き、備前富士頂上付近からの日の出の時期は過ぎてしまった。写真は10月20日の日の出。太陽は、頂上ではなく、雲の上から顔を出した。

2016年10月20日(木)



【思ったこと】
161020(木)2016年版「人はなぜ○○するか?」(10)多数派に同調する

 昨日の続き。

 今回は5票を集めた疑問のうち最後に残った、

  • 人はなぜ流行に呑み込まれやすいのか(なぜ多くの人と同じことをするのか)

    について考えてみることにしたい。

     この疑問については、まず、例外もありうるという点を強調しておきたい。私などはまさにその例外であり、幼稚園の頃から、人と同じことをするのを嫌う傾向があった。

     少々思い出話になるが、中学1年の夏、臨海学校(千葉県・岩井)に向かうバスの中でマイクが回され、順番に歌を歌わせられることになった。当時は、今でもご健在の加山雄三さんの歌が流行しており、何人かがその歌を歌っていたが、私は自分の番が回ってきた時に、恋もしていない中学生がそんな歌を歌うのはおかしい、と演説を始めた。そのせいで、バスの中のムードが一変してしまったが、とにかく私は頑として流行歌を歌うのを拒否した。

     (いま暴露しても同窓生に被害が及ぶことはあるまいと思うが)高校時代、男子生徒はかなりの比率でこっそりタバコを吸っていた。私はそれに反発して、一度も煙のついたタバコを口にくわえたことがないし、現在でもこういう日誌をつけており、徹底した嫌煙人生を貫いている。もっとも、私が高校時代にタバコを吸わなかったのは、必ずしも喫煙の有害性を理解していたためではない。周りがみんな吸っていたから反発していただけで、周りが誰も吸っていなかったら逆に一人だけ吸い始めてニコチン依存になっていたかもしれない。

     ということで、少なくともここに一例、多くの人と同じことをしない人間がいるので、そういう人間から言えば、なぜ多くの人と同じことをしたがる人たちがいるのか、その真意は理解できないところもある。

     もっとも、多くの人たちと同じことをしたがるかどうかは文化によっても異なるようである。この点については以前、

    長谷川 (2010).「文化」をめぐる行動随伴性(1)―ペン選択実験をめぐる議論と展望―. 岡山大学文学部紀要, 54, 37-53.

    という論文を書いたことがある。日本人は集団主義、アメリカ人は個人主義などとよく言われるが、必ずしもそうではないという指摘もある。ステレオタイプなラベル付けは慎むべきであろう。

     でもって、元の疑問の話題に戻るが、一般的には、周囲に合わせて行動することは、
    • 共通な話題
    • 協力関係
    • リスク低減(集団全体でリスクに対処できる)
    • 仲間はずれにされにくい
    • 手間をかけなくて済む
    といったメリットがある。多くの人たちと同じことをするのを嫌ってきた私ではあるが、加齢とともに人間が丸くなり、敢えて奇をてらうようなことはさけ、適当に周りに合わせる傾向が増えている。海外旅行は殆どの場合、添乗員同行のパッケージツアーを利用している。パッケージツアーでは日程や行き先の制約があるが、反面、交通手段、予約などで手間がかからない。個人で旅行する場合のデメリットを考慮すると、多少不自由でも集団で移動するという楽な道を選んでしまう。

    次回に続く。