じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨年1月から健幸ポイント・プロジェクトに参加しているが、4月1日、運営事務局より、昨年分の獲得ポイントに相当する商品券が送られてきた。写真上は私の獲得分、下は妻の獲得分である。私の内訳は、
  • 歩数達成によるポイント 8200
  • 体組成改善 300
  • 継続したことのご褒美 500
  • 健康診断受診 2000
  • 健康改善 2100
となっていた(2月末まで)。妻のほうは歩数が不足しており、あまり獲得できていない。もっと贈られてきた商品券は丸ごと妻に渡したので、私が使える分は一銭も無い。

 直近のウォーキング状況は昨日の日記に記した通りで、私の場合は、日常生活習慣としてウォーキングが確立できたことにより、安定した歩数が確保できるようになっている。但し、今後、病気などで数日以上寝たきりになった場合は、1日平均1万2000歩が達成できない恐れもある。

2016年04月01日(金)


【思ったこと】
160401(金)行動分析学における自己概念と視点取得(15)自然科学における私的な出来事(6)まだ実行していない行動の記述

 昨日の続き。

 Skinner(1953、262頁)では、まだ実行していない行動についての記述、例えば「私は3時に帰宅しようとしている(実際はまだ帰宅していない)。"I was on the point of going home at three o'clock," though he did not go.」、さらには「私は30分以内に帰宅するでしょう(I shall go home in half an hour)」といった未来形が以下にして表明しうるかについての考察がある。

 考えられる可能性としては、まず過去において、帰宅する際には、何らかの特徴的な諸刺激がそれに先行することを繰り返し体験することが挙げられる。それら諸刺激には公的なものもあれば私的なものも含まれている。そして、そのうちの一部の刺激が起こった時に、「私は、私の帰宅に特徴的に先行し、あるいは特徴的に伴う出来事を、観察した」と同じ意味で、予告的な表明がなされるという可能性である。

 もう1つは、まだ自発していない行動について述べるとき、実際には変数の歴史について述べているという可能性である。過去に、「こういう条件が揃った時にこういう行動をする」ということが繰り返し体験されれば、同じ条件が揃った時には未来の行動を予測することができる。私的出来事ではあるが、条件が観察可能であれば、他者からも同じように予測できる。

 以上について私なりにいくつか例を挙げてみることにしたい。

 まず、「回転寿司を食べに行くか、ラーメン屋に行くか?」と尋ねられたときに「ラーメンを食べに行きたい」と答えるのは、まだ実行していない行動についての予告的な表明と言える。当人の好みが寿司よりもラーメンであったとすれば、当然そのことは過去の履歴に残るゆえ、第三者でもそれを予告することができる。また、ラーメンと回転寿司の好みが同程度であった場合は、前日に何を食べたか、サイフの中にお金がいくら残っているか(←回転寿司のほうがお金がかかるとして)といった条件を調べれば、ある程度の予測ができる。

 けっきょくのところ、まだ実行していない行動といえども、当人が過去に受けた強化の歴史や、遮断化・飽和化といった確立操作に関わる情報を把握すれば、予告的な私的出来事はかなりの精度で予測できるであろう。

 もっとも、1950年代のスキナーの論考では、まだ「ルール支配行動」というアイデアが取り入れられていなかった。長谷川(2015)の中で言及しているように、スキナーの著作の中でルール支配行動(rule-governed behavior)という言葉が初めて使われるようになったのは1966年【】、その後、1969年に刊行された、『Contingencies of Reinforcement: A Theoretical Analysis』(Skinner, 1969)では、第5章でいったん言及されたあと、第6章で詳述されている。現在では、より長期的なスパンで、かつ計画性のある私的出来事の表明は、大部分、自己ルールの表明という形で説明できるようになったと考えてよさそうだ。
Skinner, B. F. (1966). An operant analysis of problem solving. In B. Kleinmuntz (Ed.) Problem solving: Research, method, and theory (pp.133-171). New York: John Wiley &Sons. 【Catania, A.C. & Harnad, S. (eds.) The selection of behavior The operant behaviorism of B. F. Skinner: Comments and consequences. Cambridge: Cambridge Universities Press.にコメントつきで再掲】


 次回に続く。