じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部周辺で咲いている花のカタログ。
  • 左:ヒルザキツキミソウ。野生化している帰化植物の中では最も美しい花を咲かせている。
  • 中:ゴールドスティック(クラスペディア)。多年草であるが、周りの雑草に圧迫されて、年々、数が減っている。種をとって苗を保護していかないとなかなか維持できないようだ。
  • 右:ニゲラ。こぼれ種でかなり殖える。文法経講義棟南、文学部中庭花壇のほか、今年は文学部西側の空き地でも繁殖している。



2015年05月10日(日)


【思ったこと】
150510(日)「グルジア」から「ジョージア」へ

 夕方、この日から始まった大相撲五月場所中継を観ていたところ、臥牙丸と栃ノ心が「ジョージア出身」と紹介されていた。グルジアの英語読みが「ジョージャ」であることは10数年前から知っていたが【2003年11月24日の日記参照】、公式の呼称が変更されたことは全く知らなかった。念のため公式情報をチェックしてみたところ、こちらに、
4月22日,在グルジア日本国大使館の名称及び位置の国名を,それぞれ在ジョージア日本国大使館及びジョージアに変更すること等を内容とする「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案」が施行されました。これに伴い,今後,グルジアの正式名称及び一般名称を次のとおり表記することとなります。

1 日本語表記(正式名称,一般名称)
  ジョージア

2 英語表記
  Georgia (変更無し)

 本変更は,ジョージア政府からの累次の機会に及ぶ要請及び国際社会における呼称等を総合的に勘案し,「ジョージア」の呼称を使用することが政策上適切と判断したものです。


 念のため、ウィキペディアや旅行会社のサイトをいくつか閲覧してみた。

 まず、ウィキペディアでは、「グルジア」の呼称が使われており、併せて「日本国政府は2015年4月22日からジョージア(英語: Georgia)へ呼称を変更している。」と追記され、その経緯について、
2009年3月、グルジア政府は、日本語における同国の国名表記をロシア語表記から英語表記に基づく「ジョージア」への変更(2008年のグルジア紛争による反露感情の高まりが背景にあると報道されている)を要請した。2014年10月24日に、安倍晋三総理大臣は、マルグヴェラシヴィリ大統領との共同記者会見の場において、日本政府としてこの要請に応じることを表明。これに伴い在外公館名称を変更するための法改正案が翌2015年の通常国会に提出され、衆参両院の全会一致で可決・成立し、4月22日に官報で改正法が公布・施行され、同日外務省ホームページに改名の告知がされた。
と記している。

 次に、コーカサス方面のツアーを扱っている旅行会社【私が過去に利用した会社のみ】をいくつか調べてみたところ、
  • 西遊旅行:「民族の十字路 大コーカサス紀行」などのツアーで「アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア」と表記。
  • ユーラシア旅行社:「コーカサス三国夢旅行」などのツアーで「アゼルバイジャン・ジョージア(グルジア)・アルメニア」と表記。
  • クラブツーリズム:「アゼルバイジャン・アルメニア・ジョージア(グルジア) コーカサス3カ国10日間」などのツアーで「ジョージア(グルジア)と表記。但し、目的地のところは「グルジア」のみ
となっていて、顧客が混乱しないように配慮しつつ、比較的迅速に呼称変更が行われていることが見て取れた。

 このほか、私がよくクチコミや旅行記を投稿しているフォートラベルでは、ジョージア (グルジア) 旅行となっていた。




 国名呼称の変更は、相手国からの公式の要望のほか、独立や政変で国の成り立ち自体が大きく変わった場合、その国のオリジナルの呼称尊重、グーバル化対応などによって行われてきたように思う。私が小学校時代に習った時から呼称が変更された国として思い浮かぶのは「スリランカ(旧称セイロン)」、「バングラデシュ(私が小学生の頃は、「東パキスタン」)、「ミャンマー(旧称ビルマ)」などがある。

 かつて相手国からの要望があっても呼称が変わらなかった国としては「オーストリア」がある。もっとも、その理由の1つはオーストラリアとの混同を避けるためであるようで、公式な要望ではなく、ウィキペディアのリンク先には
2006年11月、大使は、国名表記を決定する裁量は日本国にあり、日本国外務省への国名変更要請はしていないため、公式な日本語表記はオーストリアのままであると発表した。ただし、オーストリーという表記が広まることにより、オーストラリアと混同されることが少なくなることを願っているとされた。

その後、大使館商務部以外では、大使館、日本の官公庁、マスメディアなどに「オーストリー」を使う動きは見られない。たとえば、2007年5月4日の「朝日新聞」の記事では、同国を「オーストリア」と表記している。

大使館商務部の公式サイトは、しばらくは一貫して「オーストリー」を使っていた。しかし、2007年のサイト移転・リニューアルと前後して(正確な時期は不明)、大使館商務部のサイトでも基本的に「オーストリア」を使うようになった。「オーストリー」については、わが国の日本語名はオーストリア共和国であると断った上で

オーストリーの使用はそれぞれの企業の判断にゆだねる
マーケティングで生産国が重要な企業にはオーストリーの使用を提案する
オーストリーワイン」がその成功例である

などと述べるにとどまっている。
と記されていた。実際、オーストラリア大使館の公式サイトでも「オーストラリア」のみが使われているように見えた。

 あと、日本での呼称が2通りに使われている国としては、昨年旅行したギリシャがある。リンク先の日記にも記したが、私自身は、現在の国名としては「ギリシャ」、文明や歴史に言及する時は「ギリシア」を使うことに決めている。