じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡大グラウンド横の新緑も勝手にライトアップ。昨年12月7日(楽天版)に写真を掲載したように、岡大のグラウンド周辺(一般教育棟D・E棟東側)では、アメフトの練習のための夜間照明で勝手に紅葉が勝手にライトアップされる光景が見られる(写真下に再掲)。夕食後の散歩時にたまたま同じ場所を通ったところ、写真上のように、美しい新緑のライトアップを楽しむことができた。


2013年04月21日(日)

【思ったこと】
130421こころを動かす園芸療法(1)「心が動く→身体を動かす」の真意

 園芸療法研究会西日本の第16回総会にともなう公開企画として、石神洋一氏(NPO法人たかつきデイサービスセンター晴耕雨読舎 所長)による、

「こころを動かす園芸療法」〜日々是好日 晴耕雨読舎のケアー〜

という記念講演が行われた。石神氏の講演は、昨年6月の人間・植物関係学会の際に拝聴したことがあったが、その時の内容は「里山を活用した子ども自然体験」であり、デイサービスセンターでの園芸療法の活動については今回初めてお話を伺うことができた。

 園芸療法については、これまで、人間・植物関係学会や園芸療法学会の年次大会でいろいろな研究発表を拝聴しているが(こちらのリンク参照)、施設(病院、介護施設等)の設備、時間、スタッフなどの制約から、「月に何回か園芸活動を実施したところ、こういう成果がありました」型の取り組み紹介が多く、また、園芸活動の中味もポット苗の寄せ植え程度で園芸本来の「育てる」域には達していないものが多くて、物足りなさを感じざるを得ないところがあった。今回の石神氏の取り組みは、園芸を主体にしたデイサービスであり、これこそがホンモノの園芸療法、という印象を強く受けた。

 ちなみに、農業・農村のめぐみ(多面的機能)を活かそうという取り組みは農林水産省も重視しているようで、近畿農政局管内ではこちらのようなリストが挙げられている。石神氏が主宰しておられるNPO法人たかつきも、医療・介護・福祉機能としてこちらに紹介されていた。

 さて、今回の演題の「こころを動かす園芸療法」というのは、

心が動く→身体を動かす

という園芸療法の考え方を反映したものであるようだ。これは一見、「行動することで心が動く」という行動分析学的発想とは真逆であるように思ってしまいそうだが、私が理解した限りではその真意は「園芸活動はリハビリの手段ではない。まずは、本人に園芸をやりたい気持ちがあり、それを手助けするのが園芸療法である」ということにあるように思えた。もちろん、身体機能回復のための運動は必要だとは思うが、それを目的化してしまうと、動かす必要のある筋肉とか負荷量などからその日の園芸作業内容が決められてしまう。昨年11月8日の日記にも書いたが、そういう、手段化された園芸療法は実につまらないし、利用者(当事者)にとっても、治療や回復、健康増進などの目的のために義務化された課題を遂行するだけに終わってしまいそうな気がする。

 ちなみに、晴耕雨読舎の方針は、
  • 利用者さんのやりたいことをやっていただく。
  • 利用者さんができることはできるだけ自分でやっていただく。
にあり、また、3つの「たい」(←日本園芸福祉普及協会理事長の吉長氏の「3つのション:mission、passion、action」から着想されたとか)として、
  • 生きたい
  • やりたい
  • 自分でいたい
を重視しておられるとのことであった。このあたりは、行動分析学やダイバージョナルセラピーの考え方(3月15日の日記及び翌日以降の日記参照)と酷似しているように思えた。

次回に続く。