じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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イスラマバード〜フンザ到着直前

2000.8.5〜8.7.


8月19日(土)

【思ったこと】
_00819(土)[_008PC]パラレルワールドの錯覚/ヒマラヤ山脈の終端

 パミール横断旅行のうち、イスラマバードからフンザまでのカラコルム・ハイウェイの景色をこちらにアップした。

 カラコルム・ハイウェイというのは、パキスタンのイスラマバードからパミール高原を越えて中国・新疆ウィグル自治区のカシュガルを結ぶ国際道路。正式には、インダス川にかかるタコットから、中パ国境のクンジェラブ峠(標高4733m)までの646km部分をこう呼ぶらしい。外国人観光客に開放されたのは比較的最近のことであると聞いている。なお、中国の地図では、中国国内の部分の道路は「中巴公路(Sino-Pakistan highway)」と記されていた。

 「カラコルム・ハイウェイ」と言っても東名や名神のような高速道路とは全然違う。トラックがやっと離合できる程度の簡易舗装道路。落石もあれば路肩の崩壊もある。写真では伝えられないけれども、走行中の振動は激しく全身マッサージ状態になる。もっとも、こういうツアーに参加する旅行者は、皆、世界各地の辺境地域を好んで訪れる強者ばかり。車酔いになったという話は一度も聞かなかった。

 イスラマバードから北部山岳地帯の町フンザまでは727km。東京から岡山とほぼ同じ長さの道のりを、途中いくつかの観光名所を経由しながら3日かけて走った。途中、森林地帯もあれば、がれきの山もある。2日目からは遠くに万年雪をいだいた7000〜8000m級の山々が連なり、見飽きない風景の連続であった。

 そんななか、特に印象に残る風景を2つあげてみたいと思う。

[Image]  1つは、走行初日、タキシラの観光を終えたあとで通過した山岳地帯(チャタール高原付近)で見た田園風景。走行中に撮影した写真のためあまり鮮明でないが、日本の山村と全く変わらない水田とトウモロコシの畑が広がっていた。異国の乾燥地帯の風景を何時間も眺めているうちにこういう日本そっくりの田園風景に出合うと懐かしさを通り越して、「おや、いつの間に日本に戻ってきたのだろう?」という錯覚を起こしてしまう。しかし、そこに暮らしている人々の顔立ちや服装は日本人とは全く違っていた。異次元世界にあるかもしれないパラレルワールドというのはこういう所なのかもしれないと、ふと思った。

[Image]  もう1つは、走行3日目に見た、インダス川とギルギット川の合流点。上流方向に向かって川筋をY字型に見立てると、「Y」の左側にある山並みがヒンドゥークシュ山脈、「Y」の真ん中にそびえているのがカラコルム山脈、「Y」の右側にあってちょうどルートχのグラフのようにインダス川に落ち込んでいる稜線がヒマラヤ山脈であるという(解説文字を入れた写真がこちらにあります)。。世界の屋根と言われ、エベレストを初めとする8000m級の山並みが連なるヒマラヤ山脈の西の果てを間近に眺められて感激ひとしおであった。