じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2012年版・岡山大学構内の紅葉(11)カイノキのライトアップも素晴らしい。

 昨日掲載のカイノキ(写真右に再掲)のうち、農学部前のカイノキがライトアップされていることを知った。ネットで検索すると、こちらに「ライトアップは11月22日(月)まで午後5時30分から7時30分の間行う予定です。」という記事が出たが、22日=月曜日は2010年なので2年前の情報であるようだ。よって、今年の期間は不明。平日は後ろの建物内の照明が目障りとなるので、できれば照明が消えている(はずの)土日祝日がオススメだが、ライトアップされているかどうか分からない。


※岡大構内の紅葉のアルバムを以下に掲載しています。散策の参考になさっていただければ幸いです。(スライドショーまたは、個別の写真の拡大表示にてご覧ください。)
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11月14日(水)

【思ったこと】
_c1114(水)第5回日本園芸療法学会in 岐阜(14)日本と世界の園芸療法(4)アメリカと日本の園芸療法の実態と資格制度の状況(2)/まとめ

 昨日の続き。

 話題提供では引き続き、日本国内の実態が紹介された。

 まず資格問題に関しては、兵庫県が県レベルとして公的資格を認定し、かつ、国内統一資格促進を長期目標としているということであった。ネットで検索してみると、こちらに、
兵庫県園芸療法士認定制度について
兵庫県では、県独自の専門的人材として、「兵庫県園芸療法士」の養成・認定を行っています。平成14年9月から「園芸療法課程」を開設し、平成15年度から、毎年15名程度「兵庫県園芸療法士」を認定しています。
 園芸療法は、何らかの障害、疾患を抱えた人や高齢者など医療・保健・福祉的な関わりを必要とする人のために行われるものであることから、園芸療法士には、植物に関する知識、医療・保健・福祉に関する専門的な知識と技術が必要とされます。

兵庫県園芸療法士の状況について

 平成19年8月時点で77名の方が「兵庫県園芸療法士」の認定を受け、全国の医療や福祉現場において、リハビリテーションや社会福祉職員スタッフと共に活躍しています。
という記述があることが確認できた。国内統一資格促進に向けては、「全国の園芸療法施設の増加や園芸療法への関心向上をめざした普及・啓発」、「日本独自の養成システム確立」、「評価方法の確立の研究」の三本柱が立てられているという。

 このほか、日本認知症予防学会、全国介護老人保健施設大会などで、園芸療法関連の発表が多数見られること、作業療法士や看護師などの卒後教育において専門職の注目度が向上傾向にあることなどが紹介された。

 このほか、話題提供者の私見として、資格制度の統一、専門職別の養成プログラム構築、診療報酬対象の国家資格を目ざすことなどが論じられた。




 11月1日の日記にも書いたことであるが、園芸療法学会はどちらかと言うと病院関係者の比率が高く、セリグマンのいう「disease model」の域から抜け出せていないような印象がある。要するに「make miserable people less miserable」という目的で園芸療法を行うこと、そのためのエビデンスを得るために評価方法の確立をめざすこと、さらには診療報酬対象の国家資格をめざす、といったことが志向されているに見える。

 それらの動きに反対するわけではないが、私はむしろ、(高齢者施設に関して言えば)利用者の生きがいとなるような庭園や室内園芸環境を充実させて、その中で、利用者が主体となった多様な園芸活動を保障しそれをサポートするような態勢づくりに力を注ぐべきではないかと思っている。そのさい、医療か療法か福祉かといった区分けはあまり重要ではない。ネガティブな状態をゼロに引き戻すのではなく、ポジティブな力そのものに価値を見出し、結果として、医療にも福祉にもつながる全人的な効果を獲得していけばよいと思っている。

 そのさい、個々の施設が庭園を管理することは、人手不足の問題があってなかなか難しい。それよりも、施設と公園緑地を隣接させ、公園の植栽の管理の一部を利用者さんに委託するというほうが現実的であろう。このほか、農家との連携も検討していく必要がある。園芸療法の研究は、短期的な療法効果ばかりでなく、個々人の植物との長期的な関わりにも目を向けるべきである。
  • 植物の成長に関わることによる期待、希望
  • 季節の移ろいに接する効果
  • 植物との共生に基づいた人生観、死生観
などをテーマとした研究を重視していく必要があると思う。