じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2012年版・岡山大学構内の紅葉(4)東西通りのハナミズキの紅葉と赤い実

 10月29日付けの楽天版に理学部前のハナミズキの写真を掲載したが、東西通りのハナミズキの街路樹のほうも、同様に紅葉し赤い実をつけていた。これらは、4月下旬に花を咲かせていた樹である。(4月25日の日記参照。)

10月29日(月)

【思ったこと】
_c1029(月)第5回日本園芸療法学会in 岐阜(6)園芸療法・園芸福祉学の研究方法論(5)園芸療法の定義/園芸療法とダイバージョナルセラピー

 10月26日の日記の続き。

 講演では続いて、「園芸療法の定義」、さらに「療法」と「癒やし」の違いが論じられた。

 まず、園芸療法の定義であるが、この学会のWebサイトでは「今日における園芸療法の定義や解釈はさまざまですが、日本園芸療法学会では、園芸療法とその実践者である園芸療法士を次のように考えています。」と断った上で、
...園芸療法とは、「医療や福祉の領域で支援を必要とする人たち(療法的かかわりを要する人々)の幸福を、園芸を通して支援する活動」であり、園芸療法士とは、「これを実践するために欠かせない豊かな人間性と高度の知識・技術をもつ専門家」です。
と定義している。Y氏の定義は、より具体で詳しい内容となっており【出典は聞き逃した】、
  • 専門的訓練を受けた人が
  • 医療や福祉上の働きかけを必要とする被対象者に対して
  • 対象者の性質を把握した上で
  • 目標となる症状を理解し
  • その治療、改善、改良のための手続きとして
  • 園芸を行い、
  • その過程と成果を記録しながら
  • 次の手続きを選択しながらゴールにむかってすすめる一連の手法
となっていた。これは、「「園芸活動を行いました。みんな楽しくやっていました。」では済まされないところに園芸療法の療法たるゆえんがある。」(10月23日の日記参照)という考えを背景として、実践可能な形で具体化したものと言える。園芸療法に限らず、エビデンスに基づく療法では、「専門的訓練」、「目標となる症状の理解」、「過程と成果の記録」、「次の手続を選択しながら目標をめざす」といった点が重視されている。

 余談だが、私自身が関わっているダイバージョナルセラピーにおいても
  1. 事前の調査(assessment)
  2. 設計(planning)
  3. 実行(implementation)
  4. 結果の評価(evaluation)
が重視されている。但し、ダイバージョナルセラピーの場合は、
入居者個人の独自性と個性を認め、生きることの意味を取り戻し維持するための機会を持てるようサポートし、自己実現をしたいという要求に応えるため、個人個人へのアセスメントに基づいて、一人ひとりのためのレクリエーション、レジャーからライフスタイル全般にわたって、そのプログラムや環境を提供する全人ケアの思想と手法である
となっていて、「個人の独自性と個性を認める」と「全人ケア」という点に最大の特徴がある。ダイバージョナルセラピー(DT)は特定の療法を指すものではなく、その一部には園芸療法も含まれているが、DTの一環として園芸活動を取り入れる場合は、当然、「個性と全人ケア」を重視した形での設計が行われることになる。園芸療法学会においても、こうした視点を広めていきたいと考えているところではある。

 元の話題に戻るが、演者によれば、「療法」というのは病気を細かく分析して取り去ること、つまり分析的アプローチ。いっぽう「癒やし」のほうは、「こころのしこりが取れて軽くなること」として定義された。水面スレスレに浮かんでいる物体の喩えで言えば、その物体の上部の重い部分をえぐり取ってやると、物体はお椀型になって水面より高い位置まで浮かび上がる。このように軽くすることが「癒やし」であるというお話であった。

 スライド画面ではさらに、客観的障害と主観的障害を横軸、医療と福祉を縦軸として、園芸福祉、園芸療法、医療のそれぞれの役割や、各種の機能障害(Impairements)、能力低下(Disabilities)、社会的不利(Handicaps)、体験としての障害(Disablement as experience)との関係が図示された。

 次回に続く。