じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 金星シリーズの3回目は、岡大・一般教育棟構内(津島東キャンパス)に輝く金星。

10月26日(金)

【思ったこと】
_c1026(金)第5回日本園芸療法学会in 岐阜(5)園芸療法・園芸福祉学の研究方法論(4)心理的well-being尺度による園芸活動の効果検証

 昨日の続き。

 講演では続いて、「心理的well-being尺度」を用いた園芸活動効果検証の話題が取り上げられた。この尺度は、
  • 環境制御力
  • 自己受容
  • 自律性
  • 人格的成長
  • 人生における目的
  • 積極的な他者関係
を評価するもので、レーダーチャートで図示することにより、スコアの変化や、全体のバランスを一目で捉えることができる。ここでは、「園芸療法」対象者ではなく、自分自身が園芸活動を行っている人について、「5年以上園芸活動をしている人」ほど、未活動や活動年数の少ない人たちに比べてそれぞれのスコアが増加していること、「20人以上で一緒に活動している人」ほど少人数で一緒に活動している場合より「自己受容」、「人生における目的」、「人格的成長」などのスコアが高いことなどが示された。

 なお上掲の尺度の出典は聞き逃してしまったが、どうやら、西田(2000)の尺度:

西田裕紀子(2000). 成人女性の多様なライフスタイルと心理的well-beingに関する研究. 教育心理学研究, 48, 433-443.

で公開されている尺度を利用しているのではないかと推測される。この論文は、こちらから閲覧可能。また、この尺度作成は、Ryff(1989)やRyff & Keys (1995)に基づいているようであった(出典は、西田2000の引用文献表参照。大学LANなどで閲覧可能)。

 もっとも、「5年以上園芸活動をしている人」や「20人以上で一緒に活動している人」で全部または一部のスコアが高いことについては、
  • 園芸活動自体の効果によるものなのか?
  • 集団活動に参加すること自体に意義があるのであって、その内容は園芸活動でもスポーツでも奉仕活動でも宗教団体でも同じ効果があるのか?
  • 長期間あるいは大人数で活動を継続できる人は、継続できない人に比べて、もともとそういうスコアが高くなるような特性があったのではないか。
といういずれかの可能性があり、レーダーチャートの結果だけから、園芸活動参加の効用を説くことはできないように思えた。

 次回に続く。