じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 第5回 日本園芸療法学会 in 岐阜が行われた「じゅうろくプラザ」。「じゅうろく」というのは何となく聞き覚えがあったが、どうやら、この地域の主要な地方銀行である十六銀行(写真下)に由来しているように思えた。かつて愛知県・犬山市に住んでいた時にはお世話になった銀行である。ちなみに、そのあと長崎市に引っ越した時は、名前の数字が2つ増えて十八銀行を利用するようになった。ウィキペディアによると、16と18のあいだの「第十七銀行」は、現在では福岡銀行となっているようだ。

 なお、「じゅうろくプラザ」前の黄金像については、楽天版(10/21付け)参照。

10月21日(日)

【思ったこと】
_c1021(日)「選択」について考える授業(7)Sheena Iyengar (2011).How to make choosing easier.(3)Categorize(分類)とCondition(条件設定)/まとめ

 10月18日に続いて、
  • Sheena Iyengar (2011).How to make choosing easier.

    の話題。今回は、溢れる選択肢に対処する技法の残りの2つ、 xg
    • Categorize(分類):選択肢を減らしてカテゴリを増やす方が人は対応しやすいこと
    • Condition(条件設定):慣れること
    についてコメントをさせていただく。

     まず、Categorize(分類)については、
    • 600種類の雑誌を10個のカテゴリに分けて見せるのと、400種類の雑誌を20個のカテゴリに分けて見せる場合の比較
    • 「JAZZ」と「SWING」というジュエリーのディスプレイ
    などがが例示された。要するに、選択肢提供者でなく選択者にとっての意味のある分類、カテゴリー化がなされなければならないということである。なお日本語の訳では「カテゴリを増やす」となっていて、カテゴリーを増やせば選択肢も増えるのではないかと勘違いしそうだが、元の英語は、「We can handle more categories than we can handle choices. 」となっている。上掲の雑誌の例でもわかるように、ここでは「種類」と「選択肢」と「カテゴリ」を分けて考える必要がある。こうした技法は、傷害保険や旅行保険のプラン、ホテルの宿泊プランなどの選択に応用されているように思える。


     最後のCondition(条件設定)というのは、少ない選択肢から段階を経て多数の選択肢に慣れていくというような意味で、ここでは、車の仕様のカスタマイズが例に挙げられていた。もっとも、選択肢が少ないということが直ちに難易度が低いということにはならない。初めの段階では、かない大ざっぱに、時にはランダムに選んでおいて、最後の段階で慎重かつ詳細に比較をするということもありうるのではないかと思う。

     以上プレゼンの内容について簡単に要約、コメントさせていただいた。心理学では従来、Decision makingについてかなりの研究が行われてきたが、日常場面でのありふれた選択から決断にいたるまでの内容を体系的に論じた研究は少なかった。アイエンガー先生のプレゼンや著作はそういう点で大きく評価される。もっとも、私の考えはあくまで「選択よりも遂行」である。何かがうまくいくかいかないのかは、選択の善し悪しによるものではなく、それをしっかりと遂行させるための強化がうまくなされないことのほうに原因がある。選択の技法も大切だが、やはり本質は、遂行の技法のほうにあるのではないかと思っている。