じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部耐震改修二期工事の状況(3)中庭の伐採作業。
 10月18日は、建物寄りにあった樹木数本(フウ、プラタナス、カイヅカイブキなど)が伐採された。これらはもともと、建物に近すぎてあまり目立たず、むしろ、風通しを悪くしたりスズメバチの巣ができるなど、あまり役に立ってこなかった樹木であった。なお、以前より、勉学環境に適した中庭になるような改修工事を要望していたが、今回の工事の一環として、相当程度に整備される可能性があると聞いている。

10月18日(木)

【思ったこと】
_c1018(木)「選択」について考える授業(6)Sheena Iyengar (2011).How to make choosing easier.(2)Cut(カット)とConcretize(具体化)

 10月17日に続いて、
  • Sheena Iyengar (2011).How to make choosing easier.

    の話題。昨日も述べたように、このプレゼンでは、あふれる選択肢(the choice overload problem)にどう対処するのかについて、4つのC:
    1. Cut(カット):無意味な選択肢を取り除くこと
    2. Concretize(具体化):現実感を持たせること
    3. Categorize(分類):選択肢を減らしてカテゴリを増やす方が人は対応し易いこと
    4. Condition(条件設定):慣れること
    が提唱された。

     このうちの1.Cut(カット)については、主として、商品の品揃えをする側(=選択肢を提供する側)に向けられたもので、選択する側がどうやってカットすればよいかというような話は、このプレゼンの中では示されていなかったように思う。

     このCut(カット)に関連しそうなのが、大学における授業科目の提供方法である。私のところでもそうだが、4月1日の新入生オリエンテーションの時には、膨大な数の選択肢が与えられる。とりわけ、教養教育の授業科目は多種多様な選択肢があるため、戸惑う学生も多い。いっぽう、専門科目のほうは、いったん専攻領域を選択すると、それに必要な専門科目はほぼ決まっていて自由に選べる範囲はきわめて少ない。しかし、選択肢の多い教養教育科目のほうが選択肢の少ない(=実質必修化)の専門科目よりも満足度が高いかと言えば、必ずしもそうではないように思う。おそらく、専攻領域を選ぶ段階で自由に選ぶということと、必修化した一連の専門科目を履修するということがセットになっているためではないかと思う。要するに、大枠としての「自由な選択」と、その入れ子の中にある「義務的な選択」を切り離すことはできないということであろう。山登りなども同様であり、どの山に登るかという旅行前の選択はきわめて自由であるが、いったん登り始めた後では、登山道、ペースや時間配分、天候への対処などは、もはや自由選択ではなく、適確な状況判断のもとでの最善の決断を強いられるようになってくる。

     次に2.のConcretize(具体化)について、断崖絶壁を通るツアーについて、説明文章のみで紹介された場合と実際の写真を示された場合の違いが例示された。ちなみにあの写真は、車が左側通行になっていることから、インドヒマラヤの山中、もしくは、カラコルムハイウェイ(インデックスはこちら)あたりの風景ではないかと思われる。(アイエンガー先生のご出身から言えば、インドヒマラヤの可能性大)。

     次の、「なぜキャッシュカードやクレジットカードを使うと 人々は平均15〜30%多くお金を使ってしまうのでしょう? 本物のお金に思えないからです。」という事例は、「クレジットカードよりもお金が具体的である」と考えるよりも、行動分析学的に、「現金で支払えば、自分の財布からお金(=好子)が消失するという結果を直接的に経験できるが、クレジットカード使用では現金消失(好子消失)という結果が間接的であり、しかも遅延するため(翌月以降の一括もしくは分割払い)であり、買い物を弱化する力が弱いため」と解釈したようがよいのではないかと思った。

     次回に続く。