じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 津島東キャンパスの南東端エリアで、課外活動施設の新営工事が始まった。詳細は不明。なお、残念ながら、この工事に先立って、ポプラ一本とアオギリ数本が伐採された。


7月10日(火)

【思ったこと】
_c0710(火)「おひとりさまの最期」講演会(3)性別・年齢別有配偶率からみた「おひとりさま」の可能性

 昨日の日記の続き。今回から、講演の順番に沿ってメモと感想を記していくことにしたい。

 さて、講演では冒頭、『おひとりさまの老後』や『男おひとりさま道』などの御著書が紹介されたあと、一人暮らし高齢者の増加の原因が分析された。スライド資料によれば、主要な原因は以下の4点であるという。
  • 子との同居率の低下。
  • 超高齢化による死別。高齢逆縁。
  • 家族の安定性の低下(離別)
  • 非婚シングルの増加
 続いて、男女別・年齢階級別の死別率、離別率、有配偶率の変化(平成12年度と17年度の比較)のグラフが提示された。ざっと眺めたところでいちばん目に付いたのは、
  • 女性では60歳代のころから死別率がぐんぐん増加し、85歳になる頃には90%に達するという点。要するに夫のほうが先に死ぬということである。
  • 女性の有配偶率のピークは50歳前後にあるようだ。平成12年度に比べると17年度で40歳から50歳のあたりで有配偶率に若干の減少が見られる。この低下が、非婚シングルの増加になっているようである。
  • いっぽう男性のほうは60歳頃に有配偶率のピークがある。男性のほうが女性より幾分年をとってからも結婚することがあるためだろう。但し、男性でも平成17年度のほうで12年度に比べて有配偶率に若干の低下が認められた。
  • 男性の場合も、年齢が高くなるにつれて死別率が増加していくがその率は85歳頃になっても35%程度にとどまる。平均寿命が女性より短いことと、結婚時の男女の年齢差などを反映して、妻に先立たれるケースは1/3程度であるようだ。
なお、上野氏によれば、男性の将来非婚率は40歳代では4人にひとり、30歳代では3人にひとりとなることが予測される。

 配偶者と離別、死別しても子どもが居れば助けて貰えるかもしれない。しかし、河合克義(2009)が2004年に港区で行った調査によれば、生存子がいると答えた高齢者は49.3%であり、いないと答えた44.7%を上回っていた。また、調査協力者の6.0%が無回答という点も気になるところである。離別や死別等の可能性があると推測される。

 ちなみに、生存子がいる比率は、子どもが2人だった場合は73.2%、3人だった場合は91.9%であり、一世帯あたりの少子化が進むことで、子どもを育てた人でも、おひとりさまになる可能性が高くなってきていることが分かる。

 なお、以上のデータの出典は、おそらく高齢社会対策に関する調査結果から読み取れるものと思う。

 次回に続く。