じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



04月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§ 定年退職までの理想の研究室を作る(2)時計台前にパキラ出現/窓際は観葉植物7鉢

 4月6日の続き。

 4月15日(日)は朝からよく晴れていたので、自然科学研究科棟から文学部まで、台車で大型荷物を運んだ。写真上は、パキラの大鉢を移動中、時計台前で一服しているところ。背が高すぎて車で運べなかったため(斜めに倒せば車に乗るが枝が傷む)、台車での移動となった。写真下は、車で移動した分を含めた、観葉植物7鉢のラインアップ。

 なお4月6日の日記で、ドアの行き先表示板の「会議中」が「会義中」の誤植になっていた件は、その後、全室「会議中」に訂正された。関係者筋から聞いたところ、取り替えの費用は一切かからなかったとのこと。



4月15日(日)

【思ったこと】
_c0415(日)第17回人間行動分析研究会(17)価値を測る:マッチング関数・割引関数・需要関数(8)行動経済学(1)Hursh(1980)の論文とお金の機能

 4月13日の続き。

 話題提供では続いて、行動経済学と需要関数が取り上げられた。まず、行動経済学の流れとして以下の2点が挙げられた。
  1. 経済学の諸概念を用いた行動研究→基礎分野や臨床分野への適用
  2. 経済学における諸概念の実験的検討→行動研究をひとつの経済システムとみる視点
 このうち1.についてはHursh(1980)の論文公刊が重要な役割を果たしており、そこでは、行動分析学の既存のデータへ経済学概念が適用された。論文公刊前の1972年から1979年が行動経済学の醸成期にあたるという。ちなみに、このHurshの論文は、こちらから無料で閲覧できる。毎度のことながら、こちらの無料閲覧サイトには大変お世話になっている。なお、ネットで検索したところ、坂上貴之氏の行動経済学と実験経済学という分かりやすい解説記事も見つかった。初心者にはこちらがおススメ。あと、ウィキペディアの当該項目では2012年4月16日朝の時点で、Hursh(1980)の引用は見当たらないようである。

 さて、Hursh(1980)の研究では、行動研究における行動経済学の意義として以下の4点が挙げられていた。
  1. 行動実験は経済システムと見なせる
  2. 強化子は価格弾力性から分類できる
  3. 強化子間の関係は代替性や補完性という概念で記述できる
  4. マッチング(対応)法則の成立は代替性のある強化子に限られる
というように、行動経済学はなかなか興味深い視点を提供しているとは思う。もっとも、(ここからは私の個人的な意見になるが)、行動経済学の研究がいくら進んでも、格差の解消にはつながらないようにも思える。2009年7月5日の日記などで書いたことがあるが、私は、お金というのは、必ずしも般性好子(強化子)として機能しているのではなく、その根本は、「使役機能(他者を働かせる機能)」と「占有機能(モノを他者に使わせない機能)」にあると考えている。それを説明するには、阻止の随伴性概念がどうしても必要であると思うのだが、本題から外れるので、ここまでにしておく。

 次回に続く。