じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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11月23日の明け方の月(月齢27.1)。この日の06時37分には、月と土星が6°37′まで接近した。下の拡大写真で、月の左上にあるのが土星、月のほぼ真上にあるのはスピカ。

11月22日(火)

【思ったこと】
_b1122(火)第4回日豪ダイバージョナルセラピーセミナー(2)ケイトさんの講演(2)レジャーの必要性

 昨日の続き。今回のケイトさんの講演では、なぜレジャーが重要なのか?について、いくつかの点が挙げられた【配布資料からの引用】。
  1. 人々を再び社会参加へ
  2. 家族や友人との結びつきを支援・促進
  3. 退屈を除去
  4. ペイン・マネジメントへの助力
  5. 健康を増進させる生活の質を改善
  6. うつのリスクを軽減する。
 レジャーに関しては、7月に行われた芹澤・DT協会理事長の講演(8月14日の日記、及び翌日以降の日記参照)でも詳しく論じられたところである。

 私自身は、基本的には「好子出現の随伴性で強化される行動」がレジャーの必要条件であると考えている。もっとも、これだけであるなら、労働も「働いて給料を貰う」という点で好子出現であることに変わらない。レジャーが労働と異なるのは、「好子消失阻止の随伴性」、つまり「行動しないとやがて好子が消失するが、行動すれば現状維持」という義務的な随伴性が併存しているかどうかによる。労働の場合、働くこと自体が生きがいであるという人であっても、働くのを止めれば衣食住を満たすことはできない。どんなに楽しく働いていたとしても、好き勝手に働くのを止めるわけにはいかないのである。いっぽう、レジャーの場合は、それに参加すれば好子出現の可能性があるが、参加しなくても何も失われるものがない。逆に言えば、年金でも十分に暮らすことのできる高齢者がボランティア的に仕事をするのは、仕事の内容が労働と同じであったとしても、分類上はレジャーに参加しているということになる。

 レジャーは、可能であれば、刹那的なタイプよりは、目標志向的、累積的、発展的であるほうが望ましい。そのほうが、一回限りではない継続的な好子が付加されるからである。しかし、上掲にもあるように、うつ、痛みなどを背負った高齢者の場合は、とにかく、いま現在を明るく楽しく過ごす環境が求められる。傍から見れば、くだらない、どんちゃん騒ぎであるような活動であっても当人がそれで明るくなれるのなら、大いに導入するべきであろう。また、それが、より継続的なレジャーに参加するきっかけとなることもある。


次回に続く。
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